↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まことはニッコリ笑って人を斬る。  作者: ほりーⅯ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/89

子どもを売る悪い奴。19

朝八時、重機の音で目が覚める。

人知れず隠れることのできるスペースのおかげで、敵地にいる割にはよく眠れた。

処理場の入り口には、三台のトラックが待っている。

八時半、処理場が稼働を開始する。

次々にトラックが入ってくる。

これだけ儲かっていそうなら、人身売買なんてしなくてもいいんじゃないのかな。

そんなことを思いながら眺めていた。

昼近くになると、車の数が極端に少なくなった。

昼休みだからかな。

トラックが一台もなくなったころ、一台の白いベンツが入ってきた。

白いベンツが入ると、入り口にチェーンが張られた。

表向きは昼休みらしい。

ベンツが正面玄関に停まると、助手席から目つきの鋭い一人の男が降り、後部座席のドアを開ける。

後部座席からは、一人の女が降りてきた。

この場には似つかわしくない赤いワンピースを着て、同じく赤いハイヒールを履いている。

首元にはネックレス。

両耳には大きなイヤリング。

薄いサングラス越しに素顔が見える。

マリアだ。

間違いない。

ボクは、みっちゃんに連絡する。

みっちゃんは、

「わかった」

と答えると、車を動かした。

いつもの車とは違う。

二トントラックだ。

荷台には、潰したアルミ缶を満載している。

みっちゃんは取付道路の入り口で、工事中や本日休業の看板を下ろして設置する。

取付道路から処理場の入り口までは、五十メートル以上離れている。

注意して見ていなければ、何をしているのかなんて分からない。

上下グレーの作業服に、ヘルメット、安全靴姿のみっちゃんは、看板の設置を終えるとトラックに乗り込み、入り口に車を停めた。

傍目には、昼休み明け一番に廃材を運んできた業者の車に見える。

一方、ベンツから降りたマリアと二人のボディーガード風の男は、出迎えに来た大島とともに建物の中へ入っていく。

そして運転手がベンツを駐車場に停めると、急いでその後を追いかけた。

マリアたちはエレベーターで三階へ上がり、部屋に入る。

マリアの部屋は、ひと際豪華な造りになっていた。

入り口から一番奥には、高級な家具と机。

椅子も豪華だ。

その手前にはローテーブルがある。

それを挟むように、右には一人掛けのソファー

が二つ。

左には三人掛けのソファーが置いてある。

どちらも高級レザー製だ。

マリアは奥側の一人掛けのソファーにどっかりと座り、長い脚を組む。

「一人死んだですって?」

「す、すいません。船の連中が雑でして……」

「まあいいわ」

マリアは、そんなに怒ってはいない様子だった。

「それより知ってる? 柏ノ葉が死んだこと」

「そりゃ、本当ですか? どうして?」

大島は驚いた様子だった。

「表向きは、次男と罪を悔いて無理心中」

「そんな。数日前に会った時は、そんなそぶりは一ミリもありませんでしたぜ」

どうやら、大島が子どもをクライアントに渡す役割を担っているようだ。

「そうね。多分、殺し。でも、証拠はないし、どうして殺されたのかも分からない」

「奴は事業でも恨まれてましたからね」

柏ノ葉は、例えば友人の牧場で名物だった生キャラメルのレシピを、従業員を引き抜いて自分のところで作るなど、恨みを買うようなことをしていた。

強引な商売も多く、敵が多かった。

「でも、用心に越したことはないわ。気を引き締めなさい」

「承知しました」

大島は返事をすると、手下に指示を出した。


たくさんの人に読んでいただいて幸いです。ブックマークしていただけたら励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。