ニッコリ笑って人を斬る。6
みっちゃんが数日かけて、ターゲットである今川の行動を調査してきた。
「そのノート、全部今川の情報? すごい量だね」
「ああ、できるだけ細かく調べてきた」
B6サイズ、100枚のノートに情報がびっしりと書かれている。
みっちゃんの性格がよく出ている。
「でもさ、スマホに情報を入れたほうが共有できて便利じゃん」
「俺は、紙媒体じゃないと落ち着かないんだ」
「やっぱ、お・じ・さ・ん・だね」
「ほっとけ」
みっちゃんの調査によると、薬を仕入れるときは手下を連れて行かないらしい。
どうやら、情報漏洩を恐れているみたいだ。
しかも、仕入れ先は上部組織の白銀の賢者ではなく、西口の中国系マフィア。
それがなぜなのかまでは、分からなかったみたいだ。
「薬の受け渡し場所は、この池袋の雑居ビル」
みっちゃんが、ノートに挟んでいる数枚の写真を取り出した。
「そして車は、近くのコインパーキングにいつも止めている。だから……」
「だから?」
「このコインパーキングで待ち伏せて、仕留めたらいいんじゃないかと思うんだ」
みっちゃんはいい案だと思ったみたいだが……。
「ざーんねん」
「どうして?」
みっちゃんが説明を求める。
「コインパーキングはね。防犯カメラがたーくさんあるんだ。事故や料金を踏み倒すヤツがいるからね」
「じゃあ、どこで仕留めるんだ?」
「ここだよ」
ボクは一枚の写真を示した。
「ビルの裏口に続いている路地。カメラが一台しかないし、ここ見て。入口のところにしか向いていない」
「ほんとだ。まことは、そういうところ凄いな」
みっちゃんが感心する。
まあ、全部ゲームで培われた知識だけどね。
「ボクは今川がビルに入ったら、ここの電柱に隠れていて、出てきたら仕留めるから。終わったら、みっちゃんは大型のキャリーケースをコロコロ引いて、民泊を探している外国人の振りでもして近づいてきて」
こうして、大まかな作戦はできた。
決行は明後日の夜。




