子どもを売る悪い奴。10
入り口を入ると、すぐに廊下だ。
入ってすぐ左のところに、電気のブレーカーがある。
みっちゃんは手筈通り、ブレーカーを落とす。
一気に暗闇になる。
みっちゃんは暗視ゴーグル。
夜目が利くボクは、最初から片目をつぶっていたから、暗闇でもほとんど問題ない。
一気に地下室に続いているであろう扉を開ける。
階段を降りると、もう一つの扉。
こちらは上下二か所に鍵がかかっていた。
「任せて」
ボクは、速攻で開ける。
ドアを開けると、
「誰だ‼」
柏ノ葉らしき男が怒鳴る。
今のうちに仕留める。
そう思った瞬間……。
ドドドドドドドドドッ!
急に大きな音がしたと思うと、明かりが点いた。
どうやら発電機が作動したみたい。
「貴様ら、何もんだ‼」
明るくなり、柏ノ葉らしき男ではなく、柏ノ葉大樹本人だと確認が取れた。
部屋の大きさは二十畳はある大きな部屋。
右端には事務机、左側には分厚い天板の高級な食卓テーブルがある。
柏ノ葉は部屋の中央に位置し、手には散弾銃が握られていた。
「柏ノ葉、学生のころからいけすかない奴だったが、こうも外道に成り下がったとはな」
みっちゃんはゴーグルを取り外した。
「お前は……全体大のジンドウ?」
「ああ、俺だ」
「お前が、俺に何の用だ⁉」
「悪事に手を染めて、大分恨みを買ったみたいだな」
「何のことだ」
「とぼけるな! お前が少女を買って、傷つけ、殺しているのは知っている」
柏ノ葉の顔が一瞬ひきつる。
「死ねやー!」
柏ノ葉が散弾銃の引き金を絞る。
ボクらはその瞬間、左右に飛び、飛び散る弾丸を避ける。
みっちゃんはテーブルを倒し、遮蔽物にする。
ボクは机……って、チョット頼りないじゃん。
そこはみっちゃん。
パンパンパン!
シグザウアーP320で応戦し、柏ノ葉の気を引きつける。
バン、バン!
柏ノ葉はテーブルに銃弾を浴びせる。
しかし、銃弾は表面に食い込むものの、貫通はしない。
今だ!
ボクは一本のナイフを柏ノ葉めがけて投げる。
「うわっ」
ナイフが柏ノ葉の右手の甲に刺さると、奴はたまらず銃を落とした。
「ぬぉぉぉぉーっ!」
みっちゃんが突進する。
我ながら、上手い連携。
みっちゃんが捕まえようとするが、相手も柔道の有段者。
結局、組み合うことになった。
「一度も俺に勝ったことのないお前が、俺に挑んでくるとはな」
柏ノ葉が挑発気味に言う。
「やってみなきゃ、わからんだろ」
みっちゃんも負ける気はない。
その隙をついて、ボクはナイフで柏ノ葉の首を狙おうとした……そのとき。




