子どもを売る悪い奴。7
「みっちゃん、いつの間にドローンを動かせるようになったの?」
「傭兵の訓練の時にな。衛星が使えない時は、いつもドローンで偵察していた」
現代の戦闘では、ドローンが重要な位置を占めている。
そんな話をテレビで見た記憶がある。
ボクだってドローンを使っている。
ゲームの中でだけどね。
また差をつけられたようで、うーん、なんか悔しいな。
みっちゃんは黙々とデータと画像を集めていく。
このドローンは小型で性能が良いのはいいが、バッテリーの持ちが悪いのが難点らしい。
三十分もしないうちに戻ってくる。
そのたびにバッテリーを交換し、再び飛ばす。
そんな作業を繰り返して、昼を過ぎた頃。
「そろそろ、いいかな」
みっちゃんがぼそりとつぶやいた。
「終わった?」
「ああ」
「じゃあ、一休みしようよ」
「そうだな」
ボクたちはコンビニのおにぎりを食べながら、これからどうするか作戦を詰めていった。
「みっちゃん。その明太子はボクのね」
「いや、俺も……食べ……」
「ボ・ク・の!」
「しょうがないな」
ボクのわがままを聞いてくれるみっちゃんは大好きだ。
腹ごしらえをして、缶コーヒーで食後の一服。
そして、作戦タイム。
「今のところ、ファーム全体におかしなところはあまりない」
「あまり?」
「ああ。一か所を除いてな」
「一か所?」
「ここ。この柏ノ葉の母屋の隣にある、小屋のような建物。ここが怪しい」
みっちゃんはモニターの画面を指さした。
「この建物には囲いがあり、ドーベルマン。つまり番犬が数頭放されている。一見すると大きな犬舎にも見えなくはないが、それにしては造りが違う」
その小屋を中心に、周囲は高さ五メートルほどの金網で囲われていた。
中には八頭のドーベルマン。
さらに、すぐ近くの小山まで舗装された道が続いている。
普段は車で小山まで移動しているのだろう。
フェンスから中へ入る場所は、一か所だけだった。
「確かに。犬小屋というよりは、家だよね」
「ああ。俺は、ここに何かあると思っている」
みっちゃんは、もう一度モニターに視線を落とした。
「次は夜に偵察しようと思う。その前に、調達したいものがある」
そう言うと、みっちゃんはニヤリと笑った。
何か企んでいる悪い顔……。
ボクたちは一度、ホテルに戻ることにした。
「俺は買い物に行くが、まことはどうする?」
「ボクは寝てるよ」
「そうか。じゃあ、夜七時に迎えに来る」
そう言うと、みっちゃんは物資調達に出かけた。
そしてボクは、ベッドに潜りこんだ。




