↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まことはニッコリ笑って人を斬る。  作者: ほりーⅯ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/46

子どもを売る悪い奴。2

あきなママは、まず男の写真を指でトントンと叩く。

ママの癖だ。


「この男は柏ノ葉大樹。栃木で農業生産法人を経営しているわ」


 写真に写っているのは、いかにも成金風の太った大男。

どうやらこの男、チーズやケーキ、アイスクリームなどで大儲けして、金が有り余っているらしい。

そして、その金で子どもを買う。

虐待して、最後には殺す。


「こいつが人身売買の顧客?」

「そうよ。金で小さな子どもを買って、虐待して、殺して捨てる。まあ、最低な奴ね」

ママが、本当に嫌そうな顔をしている。

「おい、まさか……こいつ、首都農大の柏ノ葉じゃないか」

「みっちゃん、知り合いなの?」

「ああ」

みっちゃんは、しばらく写真を見つめてから語り始めた。

「あいつを初めて知ったのは、俺が全東京体育大学の一年生の頃だ。柔道の強い奴がいるということで、出稽古に行った時だった」

みっちゃんによると、そこで目撃した光景は凄まじかったらしい。

「奴はその時、すでに首都農大では敵なしだった。弱い部員には殴る、蹴るの暴行。先輩たちも手が出せない状況だった」

「そんなに?」

「ああ。出稽古の練習試合で、俺たちに負けた部員は、その場で暴行された。中には小便やクソを漏らした奴もいた」

「どうして学校は何もしなかったのさ」

 みっちゃんは苦い顔をした。

 どうやら学校は事態を把握していた。

 それでも、オリンピックの候補になるかもしれない選手を、簡単に辞めさせるわけにはいかなかったらしい。

「当時の柔道の階級で、俺も柏ノ葉も九十五キロ級だった。都大会では必ずこいつに当たった。ついに柔道で一度も勝つことはできなかった」

「みっちゃんが都大会三位どまりだったっていうのは……」

「そう。必ずこいつと準決勝か準々決勝で当たっていたからだ」

「強かったんだね」

「ああ。相性も最悪だった。今のルールでは許されないが、ちょっと実力のある相手には、技のかけ逃げや返し技ばかり狙って、まともに組まなかったんだ」

 ホント、性格悪い奴。

「しかし、昔からサディスティックな面はあったが……少女を虐待して殺していたなんてな」

 みっちゃんは、写真の中の柏ノ葉を見つめた。

 その顔には、昔の柔道場で見た男への嫌悪感が浮かんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。