子どもを売る悪い奴。1
秋葉原。
日本でも観光客が沢山訪れる街。
日本人はもとより、アジア人、ヨーロッパ人、アフリカ人、人種も様々だ。
巷では最近、ガチャが流行っているらしい。
老若男女問わず。
お気に入りのアイテムをコレクションする。
中には転売のためにハンドルを回す人たちもいる。
今一番のアイテムは、人気アイドルとコラボしたキーホルダー。
フリマサイトでいい値段がついている。
一人限定二回まで。
それでも、入荷してすぐに無くなるらしい。
夏休みのある日曜日。
ガチャを終えてトイレに行った八歳の少女が消えた。
見つかったのは一週間後、八月の最終の日曜日。
暴力を受けた、無残な姿だった。
* * *
「次の仕事はね……」
あきなママが、山形から帰ってきたボク達に早速、仕事の話を振ってきた。
「もう次の仕事?」
ボクは嫌そうな感じで言うと、
「当たり前じゃないの。アナタ達の教育に、いくらかかったと思うの」
まこと、文句言わない」
すかさず真面目なみっちゃん。
みっちゃんはママの味方かと言いたい。
「次の仕事は、人身売買の組織のリーダーと、買い手の暗殺よ」
「人身売買?」
「ええ、それも子供専門の」
「日本に子供専門の人身売買組織なんてあるの? そもそも子どもがいなくなることなんてあるの?」
ボクは疑問を口にした。
「あら、アナタ知らないの? 日本で十歳までの子供の行方不明は年間千件以上。十二歳まで入れると三千件位もあるのよ」
「そんなに?」
あまりの多さに、ボクは正直驚いた。
「もちろん、その九割はただの家出で、二、三日で帰ってくるわ。でも、残り一割は分からないの」
「その一割が誘拐とか?」
「全てとは言わないわ。でも、多くがそのたぐいよ」
一割でも二、三百人。決して少ない数ではない。
「で、そのリーダーと子どもを買った奴の暗殺を頼まれたんだね」
「ええ、被害者の家族にね」
「被害者の家族?」
「そう。某有名通販会社の社長。今回は資金はたくさんあるわ」
「じゃあ、組織を壊滅させるとか?」
みっちゃんが聞く。
「それは警察の仕事」
確かに、そこまでは殺し屋のボクたちの仕事ではない。
うーん、警察じゃなければ、みっちゃんの居た傭兵とかの仕事だよね。
「あくまでも、依頼はこの二人の暗殺よ」
あきなママは、一人の女と一人の男の写真を机に置いた。




