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11.将来の不安


 「とは言ったもののなぁー」


 地元民しか来ない小さな小高い丘の公園と言うには小さすぎる広場、海が一望できるその場所は私のお気に入りの場所だ。石で作られた胸の高さほどの塀の縁にコーヒー豆とカフェラテを置くと、脱力するように縁に頭を乗せる。


 働き続けるか、結婚……いや私が? 自分で自分が想像できないし、人に鉛玉撃ち込んでおまんま食ってた人間が……。いやでも食う方法が変わると言うだけで、別にそこに愛とか幸せを求められるほど私はまともな人間じゃない。どっかの金持ちジジィの後妻に入るとかなら、無くはないか……。しかしそんな都合よく結婚相手なんて、まして人間のクズの代表みたいな経歴の持ち主、同じクズとしか無理だろ! パーズに頼んで経歴詐称、できそうな気がする!!


「あ゛ぁぁぁ……いっそポックリ逝きてぇー」


 そしたら未来なんぞ考えなくて済む、そんな事を考えていると広場の階段を上ってくる音がして、そちらへと目を向ければ制服を着た一人の学生がこちらへと向かってくる。そしてその後ろには数人の女の子がキャッキャしながら付いてきている。


 モデルかなんか? 真上からでは顔が見えないが、男子学生が後ろを振り向き女の子たちに何事か話すと、女の子たちはピタリと話すのをやめてその場に留まった。上見てくるからとでも言ったのかもしれない。


 あぁーここには私だけだ。若い子達に場所を譲るのも年長者の務めかなー。しかしカフェラテの一杯くらいは飲ませてくれ! 学生が上がってくる前にと、すっかり冷めてしまったカフェラテをぐびぐびと飲み干していく。クソッ! 美味いじゃんこのカフェラテ、次行くとき買おう。そんな事を考えていると不意にウミネコの鳴き声が広場に響き渡る。つられるように後ろを振り返れば、ちょうど学生が広場へと上がってきたところだった。


 見下ろしていた時は分からなかったがかなりの長身だ。気に入らない事でもあったのか俯いているその表情は無表情だが、誰がどう見ても美形だ。紺色の髪が海風でサラサラと揺れている。そして例のハイゲンなんとかとかいう名門の制服、神は二物を与えないなんて大嘘だな、何個持ってんだよ。カフェラテ片手に学生を眺めていれば、顔を上げた学生とバチリと目が合う。その瞬間、その学生の金色の目が驚きに目を見開いた。



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