初めてのクラス
私がクラスの中に入室すると、騒がしかったクラスが一瞬にして静かになった。クラスにはおおよそ30人ぐらいいて、女子と男子、同じ人数っぽかった。みんな私に興味があるのか、とてもじろじろと見られ、とても恥ずかしかく、みんなの顔をまともに見れなかった。
クラスの人たちはみな、コハクさんやアクアちゃんの様な不思議な髪の毛の色を持っていて、とても明るかった。
「今日からこのグリン組に入るジェムケーブ・結衣ちゃんよ。みんな仲良くしてあげてね」
「あっ……えっと、ジェムケーブ・結衣です。よろしくお願いします」
私は興味津々なみんなの視線から逃げるように思いっきり頭を下げた。その瞬間、数人のクラスメイトからマジで……というような呟きが聞こえた。
「じゃあ、結衣ちゃんの席は……」
「青ちゃん先生、ここの席、空いていますよ」
「こらっ!キャロリン、先生にちゃん付けしない!そうね、結衣ちゃんその席でいいかしら?」
「……はい」
「ごめんね、先生にちゃん付けってびっくりしたでしょ。いつも言い聞かせているんだけどねぇ」
オルコット先生は若干嬉しそうに、でもあきれたような表情で私に耳打ちした。
「ああ!青ちゃん先生、さっき私の悪口を言ったでしょ!せっかく仲良くなろうと思ったのに!」
「いやぁ、どうかな……私何か言ったかしらぁ?ねぇ、結衣ちゃん?」
私は突然話を振られ、驚いたが、オルコット先生は嬉しそうな表情をすると、するするっと教室から出ていき、消えた。
「もぉ……青ちゃん先生はいつもそうやって出ていくんだから!」
先ほど、キャロリンと呼ばれた女の子はそう言い、席を立つと、一斉にクラスの人たちが立ち上がり、自由に動き始めた。でも、キャロリンちゃんは私の方へつかつかと歩いてくると、笑顔で言った。
「ようこそ、グリン組へ!私はキャロリン・ミシャエルよ。ここの学級委員長をやっているの。よろしくね」
「あっ、私は……」
「大丈夫よ、覚えているわ。コハクの妹、結衣でしょ。有名だもの。今日もその話題で持ちきりよ。だって、あのコハクに可愛い妹がいたなんてねぇ……大事件よ。まぁ、私にとってはどうでもいいのだけど」
キャロリンちゃんはある男の子の方を若干目で追いながら、ボソッと言った。
「ご、ごめんね。初対面なのに喋りすぎちゃった。いつもの悪い癖なんだ。えっと、これからは授業があるから取りあえず席に座ろうっか」
私はキャロリンちゃんの言葉に頷いて、先ほどオルコット先生に言われた、キャロリンちゃんの後ろの席に座った。席について、身の回りを整えた。
……いつ、授業始まるんやろ?
「俺、カレン・一樹。よろしくな」
ボケっと座っていると隣の男の子から自己紹介があった。
「よ、よろしくお願いします」
「結衣だっけ、おまえあのコハクの妹なんだってな!それにしても似てないよな。まさか養女……な訳ないか。何かあったら俺に言えよ。大体の事だったら教えれるからさ」
「は、はい」
めっちゃ喋る人やな……初めてかもこのタイプ。
何も言うことができず固まっていると一樹君の頭に何かが当たった。
「痛っ!おまえなにするんだよ。せっかく人が仲良くなろうと思ったのによ」
「はぁ?初っ端から口説いているんじゃないわよ。ほら、結衣ちゃん固まっているじゃない」
一樹君の頭に当たったのはキャロリンちゃんの教科書だった。
そして、キャロリンちゃんは一樹君のことを訳が分からないというように見ると、私を見て、同意を求めた。
「……えっと、だいじょ……」
「結衣ちゃん、こんな奴はほっといて私とお話しよ!」
「……」
「おい!キャロリン、ちょっとそれはひどすぎないか。もういい、お前とは絶交だ」
「……こっちだって!」
いいのかな……なんか私のせいでこうなってしもうた。どないしよ。
キャロリンちゃんと一樹君はお互いに目を合わせず初めての授業を受けた。
最初はキャロリンちゃんたちのほうが気になって集中できなかったが、授業を聞いていくうちにだんだんと忘れ去られていった。
授業はとても親切で一つ一つ教えてくれたのでとても分かりやすかった。どんどんと新しいことを知っていくのが楽しくて、あっという間に時間が過ぎていった。
桜梨です。
今回は少し少なめです。
次は氷華の番です!




