秘密
私の身に一体何が起きたのでしょうか?
結衣さんという女の子に私は付いていき、今私はどこにいるのかしっかりとは把握できていません…
見たところ光の世界にやってきてしまったようですが…
それにしても、この結衣さんが優しそうな人で本当によかったです。
「ぐうぅぅ…」
まだ、結衣さんはご飯を持ってこないのでしょうか?
お腹が鳴り、私は空腹を少しでも満たせるように唾を飲み込んで耐えていた。その時、私の髪飾りから少量の電子音が鳴った。
なんで、こんな時なのでしょうか…
空腹に必死に耐えているというのに…
一瞬、寝ていたということにしてそのままにして置こうかと思った。けれども、二号先輩を騙すのは気が引けたので、仕方なく手を耳に当てた。
「…もしもし、トラベラー4号です」
私がそう、いやいやながら言った瞬間二号先輩からの怒号が入った。
「お前!さっき無視しようとしただろう!」
うるさくて、思わずかざしていた手を放してしまった。
プチッ…
…あっ、切れてしまいました
まぁいいでしょう…
そう思い、手を下ろした瞬間またまた電子音が鳴った。流石に二回目は気づかれているので普通に出た。
「もしもし、トラベラー4号です」
「はぁ、お前は気分屋だからなぁ…もっとしっかりしろ!そうでないとこの先どうなるか分からないぞ…それはそれより、そっちはどうだ?かぐやさんは何か不思議な行動でもしたか?」
そう二号先輩に言われ、非常に困った。かぐやさんの監視という役目を投げ出して今、違う世界にいて、鍵を取られてしまったということを言おうかためらっていた。
「…あのぅ、二号先輩?」
恐る恐る、私は二号先輩に向かって口を開いた。
「もし…なのですが、とある事情で鍵をなくした場合とかってどうなるのですか?」
「むぅ…そうだな、もうトラベラーとしての資格はなくなるだろう…そしてもしそれが敵に渡った場合、最悪死刑…だろうな」
二号先輩は死刑という言葉をあまり言いたくないのか、語尾が小さくなっていた。私はその言葉に、また手を放して切りそうになったところを何とか押しとどめて耳にかざしていた。
「…ってもしかして、お前!鍵を取られたのではあるまいな!」
…その通りですって言ったらどうなるのでしょうか?
私は、数秒黙り込み何も発せずにいた。
「はぁぁ…いつかやるとは思っていたがまさかこんな時にやるとはな」
二号先輩は大きくため息を吐くとそう呟いた。
…気づかれてしまいました
これから私はどうなるのでしょうか?
死刑は何としても避けたいです…
「お前は何の事情があって失くしたんだ?」
体が小さくなって、かぐやさんにとられたということを言うべきなのでしょうか?
でも、そしたら敵に鍵がいったということでし、死刑なのでしょうか…
むうぅ…どうすれば
「まぁ…いいだろう、どうせかぐやさんあたりにでもとられたのだろう。そう考えるのが妥当だ」
なっ、なんで!
このまま全てがばれそうです
これなら私がすべてを話した方が早いと思い、二号先輩に一つずつ話し始めた。かぐやさんを見失ったこと、体がいつの間にか小さくなっていたこと、鍵をかぐやさんにとられたこと、結衣さんという女の子についていったこと今は光の世界にいること全部洗いざらい吐いた。
「まぁ、今回のことは俺とお前の秘密にして置け…お前は動けないだろうからそのまま結衣という女の子についてまわれ、そして俺はお前の鍵を取り戻す。そして何もなかったことにするんだ。分かったな」
二号先輩は声を潜めてそういうと、ではっと言って切った。
…先輩がいつにも増して優しいです
何かあったのでしょうか?
二号先輩が私の先輩で良かったです!
私は今まで不安だったことをすべて二号先輩に言ったことで心の中はとてもすっきりしていた。そして、安心するとお腹がすいていたことも忘れ、眠りについた。
その後、結衣が部屋に帰ってきたころ、意識はあったが眠さで体が起き上がらなかった。でも、耳はしっかりと自分の新しい名前を聞いていた。そして、今日はそれに免じてご飯は許そうと思ったカピであった。
桜梨です!
今回はトラベラー4号の目線でした~
そして、やっと結衣の慌ただしい1日が終わりました
これからも頑張ります!




