出会い
「大丈夫ですか?」
落ちたと思った鍋は宙に浮いていて、スープは一滴もこぼれていなかった。低い綺麗な声のする方を振り向くと、そこには日の光で茶色く輝いている長い髪を持った男の子がいた。髪は手入れをされていてさらさらだった。前髪は長く、顔があまり見えなかったが隙間から覗く目は綺麗な金色をしていた。思わず容姿に見とれてしまい数秒間、体が動かなかった。
「結衣ちゃん、大丈夫?」
フィオラさんの慌てたような声で我に返り、大丈夫ですと言った。
「コハク、スープを食卓に運んでおいて」
そうか、あの男の子はコハクさんって言うんか。それにしても綺麗な人。
「びっくりしたでしょ、男の子なのに髪が長くてしかも前髪があんなに長いんだもの」
フィオラさんは、何度か髪を切ろうと試みたらしいが拒否されて駄目だったそうだ。ひそひそと話していると食卓の方からコハクさんの声があがった。
「お母様、スープを置く場所がありませんよ。この書類を片付けてください」
フィオラさんはコハクさんに言われて、片付けなきゃと小さく呟くと食卓の方へ行った。
コハクさん、なんで髪の毛伸ばしとるんやろ?ってか何歳やろうか?
バッコーン!
食卓の方を眺め、コハクさんのことを考えていると突然私の後方にあったドアから爆発音が響いた。
「ゴホッゴホッ、また失敗なの…」
さっき爆発音があったドアから出てきた子は目には焦げたゴーグルがあり、また服は焦げた白い布を着ていた。また髪の毛の先は焦げており、髪の毛の間からは何かが生えているようだった。
誰!この子…
私はびっくりして数歩退いた。女の子は私がいることに気が付いていないのか髪の毛をかきむしって不満そうな顔をしている。
「あら…また失敗したのね…」
フィオラさんは、その女の子にそう呟くとご飯だからいったん中断ねと言った。女の子はしぶしぶ頷くと着ていた白い布を脱ぎ、ゴーグルを外すと食卓の席についた。
「結衣ちゃん、席について食べましょうか!」
私を食卓の方へ呼ぶと、さあというように席を開けてくれた。
うわぁ…めっちゃ美味しそうやん
私が食べてええんかな…
「いただきます!」
そういうと、フィオラさんたちは手元にあった何か銀色の物をつかむとそれを使って食べ始めた。
桜梨です!
登場人物が増えました!
更新を早くできるように頑張ります…




