竹広君の親父さん
はあ、やっと仕事が終わった!
私は帰ろうと荷物と拾ったカピバラを鞄の中に入れ、仕事場を出た。誕生日だったのと仕事が終わったという事でその時、私は浮足立っていた。
今日のご飯はちょっと豪華だったりしないかな。そうだったらええな。なんてね!
ルンルンでスキップしながら家に向かって行った。もうすぐで家に着くというところでいきなり知らない男の人に肩をつかまれ名前を聞かれた。
「あなたの名前は?」
その男の人は、濃い緑色のニット帽に黒いジャンパーを羽織っていてとても優しい笑みを浮かべていた。しかし、その反対に私をつかんだその手にはとても力が入っていて爪が私の肩に食い込んでいた。でも、質問を返さないわけにはいかなくて震えそうな声を頑張って抑えて名前を言った。
「麻井結衣ですが、何か?」
すると、その男の人はやっと捕まえたというような目で私の方を見た。私は怖くなって肩をつかんでいるその男の人の手を放そうとしたが、そう簡単には放してもらえなかった。
「放してください!急いでいるので!」
頑張ってその男の人の手を振りほどこうと体を左右に振ったとき、鞄の持ち手が壊れたのか私の手から荷物がなくなり男の人の方へ飛んで行った。
「うわっ!なんでこんなに重いんだ!しかも動いていやがる!」
その荷物は、男の人の鳩尾に直撃し後ろに倒れた。荷物の中から這い出てきたカピバラを抱き上げると、私は男の人から逃げるように来た道を引き返した。逃れられるかと思ったがしばらくすると、追いかけてきた。
「こら!待て!お前の父親が殺したうちの息子を返せ!」
殺した!?もしかして、パパの患者さんの親?最近亡くなったのは確か竹広君だからその親父さん?でも…
「あなたは、もしかして竹広君のお父さんですか?もしそうであったら、竹広君は病気で亡くなったんです!決して、殺したのではありません!」
私は、追いつかれたくなくて必死に走りながら、叫んだ。そして、あることに気が付いた。
なんで、私が逃げてるんやろ?パパはどうしたんだろ?
「なんで、私を追いかけるのですか?それより私のお父さんになんで言わないのですか?」
私は、疑問に思ったことを大声で男の人にぶつけてみた。そしたら、なんとびっくりする答えが返ってきた。
「納得いく答えが得られなかったから殺した!だから次はお前だ!」
このまま行くと私も殺されちゃうん?そんなん最悪やん、自分の誕生日に死ぬって…
必死に、走ったがついに道の行き止まりにぶつかってしまった。どうしようと焦っていると竹広君の親父さんの声が近づいてきた。どこか入れる建物はないかと周りを見渡した時、突然私の視界が変わった。
真っ白な部屋。
後方、前方、左右に通路が一つずつある。私の後ろからは微かに竹広君の親父さんの声が聞こえてくる。さすがに引き返して、殺されたくはない。右の方では紫の薄く凍った羽が舞っていて、前の方では白い花が咲いていた。左の方では金平糖のようなものがキラキラと輝いていた。どの通路に行こうかと一瞬迷ったが、後ろからだんだん近づいてくる声から早く逃れたくて私は白い花が咲いている前方の通路へと向かって行った。
桜梨です!
遅くなってしまってすいません
なんと結衣のお父さんが殺されてしまいました!
自分自身びっくりしています




