表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/16

第十三話

 「なんで俺等が?」


 「このままじゃ、ラチが明かなくなるよ。


 こんな時は、一個上が何とかするモンでしょ」


 「サチ姉は?」


 「アタシは、ほら、三年だからさ…」


 「……」


 『見てるだけ』と解した時、男子一同、サチ姉に文句の一つも言いたげだった。


 だが実際、ニナは、ギギの影に隠れてこちらを見ているだけなので。


 サチ姉も何となく理解した上で言ったのだろう。


 ここで何かやらなければならないような空間になってしまっていた。


 だが、四人の男どもは顔を渋くなる。


 キラーン


 いや、ギギはわかんないけどさ。


 とりあえず、四人は顔が渋くなる。


 当然だろう、『面白い事をやれ』なんていわれて、面白い事をやれる人間は職業は芸人だ。


 そして、一般男子はこの場の空気を、こう語りかけていた。


 こういう場合、トップバッターが必ず…スベる…。


 四人の同じ思考が交差して、喜多村とサンペイが自分を見る。


 「何で俺を見るかな、せめてじゃんけんしろよ」


 「勝った方が、トップな…」


 そうして喜多村とサンペイが勝ち残り、負け組のギギと自分が組む事になったが…。


 「ま、まあ、勝った方が面白いというワケじゃないもんね」


 「……」


 「うわあ…、凄い重圧…」


 サチ姉が自分達に『大丈夫なんでしょうね』と視線を送るが普通の高校生にそれを期待してどうするのだろう。


 「ニナちゃん、次のお兄ちゃん達は面白いから…」


 何気にサチ姉はハードルを上げる中、ニナはじっと見つめていた。


 「……」


 頷きはしない、ただ、じっと…。


 言葉なんかなくても、人間わかる時はわかるのモノだ。


 この戦いは逃げられないのだと…。


 「はいはい、どうも始めまして、ギギとサトルでございます」


 「どうも、こう見えて、私、地底からやって来たんですよ」


 「そりゃ、この風貌見てわかるよ。


 でもね、みなさん中身、人間らしいんで、ご安心ください」


 「『らしい』って何だよ。


 お前、まだ、信じてないのか?」


 「だって仕方ないだろ。


 この前、食事した時なんか、お前、パンの袋ごと食べてたじゃないか」


 「ちゃんと吐き出したの見ただろう」


 「吐き出したって、お前な、どこの生物に袋ごと食べるヤツがいるんだよ。


 まあ、しょうがないかも知れないけどさ…」


 ちらりとみんなを見る。


 すると話の序盤としては、軽い盛り上がりを見せていた。


 ギギにしても字幕ではあるが、モノ珍しさが手伝っているのだろう。


 「でもね、彼のいい所は好き嫌いしない所なんですよ。


 普通は地方、まあ、地上と言うんですかね。


 食材が違えば、料理も違うと思うんですが?」


 「ああ、良い質問だ。


 食材は地上とあまり変わらない。


 それでネット環境は地上より、地底の方が上なワケだから。


 料理も地上と変わらないんだ」


 「そうなんだ」


 「ここに来る前にある程度、料理を調べて見て、


 『味噌汁って、地上の料理なんだ』


 って、驚いたくらいだ」


 「この国の料理だっての…」


 これが…。


 これが高校生の出来る自分で作れた最大の笑い所だった。


 しかし、ニナはじっとしたまま笑わってない。


 黒光りするヘルメットが見る見る青ざめる。


 『しまった、サトル、この子、外人だった』


 『日本人の三名は笑ってるが、外人には伝わりずらかったか?』


 『やっぱり、地底の料理名を挙げれば良かったか?』


 『それって、何だったっけ?』


 『ナカムラ』


 『それも日本人にしか解んねえよ…』


 心で会話が出来るほど、この時の二人にとって二ナの沈黙は怖かったのは言うまでも無い。


 『くっ、こうなったら、サトルよ。


 最後の手段だ』


 「だ、だけどさ、その時もトレイごと食べてただろ?」


 「だから、食べてないだろ?」


 「じゃあ、とりあえず、このジュースを…」


 そう言って自分はペットボトルを手にして、その口であろう排気口に手を入れた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ