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第十二話

 「ニナ、どうもここに馴染んでないようなのよ…」


 「あの無口なのが…、確かに人付き合い苦手そうだったな…」


 「何故、知ってるの?」


 そういうので殴られた箇所を指でバンソウコウを軽ると、アリアは少し納得したのか、


 「それなら話が早いわ。


 貴方、何とかなさい」


 「どうしてオレが?」


 「選考された方なのでしょう?


 そんな貴方なら何とかしてくださると思ったの」


 少し嫌味に感じたが、無茶を言ってくれる。


 だが、おかげでアリアを見てしまう。


 確かに彼女も周りにも、話し相手くらいはいる。


 しかしその話し相手は、どこかしら遠慮を感じる話し方をするのだ。


 アリアも言うほど、馴染んでいないのだ。


 「それで、お前は引き受けたのか?」


 放課後のギギは不機嫌そうに蒸気を漏らし、そんな字幕を垂れ流してくる。


 「サトルは昔から、安請負が得意だからね〜」


 そして、放課後のサチ姉はギギによじ登って、そんな事を言っている。


 どうやら体育の時間に出た砲身が見たいらしい。


 「相手はオンブレ・ヌーボだぞ?


 お前は敵対しているヤツの手助けをするんだぞ?」


 「いや、わかってるけどさ…。


 そんなのアイツ等が勝手に言ってるだけで、俺等は敵対してるってワケじゃないし」


 ギギに納得する様子はないのか、


 「それでどっちも態度を変えないんじゃ、いつまで立っても、仲良くもなれないだろ?」


 「……」


 「どうしたんだよ?」


 二人とも黙っていた。


 そんな中、ギギの頭を注意深くチェックしていたサチ姉は言った…。


 「で、でもさ、いるよ。


 そのニナちゃん」


 「やっぱり気付いた…?」


 そこにいるのだ。


 「……」


 物陰に隠れているのならともかく、堂々とベンチに座っている自分達を『じぃ』と監視である。 


 「あのさ…」


 「……」


 サチ姉が尋ねても会話が無い。


 まあ、この調子なのだから、アリアも心配になるのだろう。


 こうなると少し無理を感じて来る。


 何故ならもう少しすれば…。


 「ギギ様、一緒に下校しませんか?」


 カートが手を振ってやって来るからだ。


 「キラキラと周囲を輝かせて、正直、気持ち悪いんだけど…」


 「サトル、どうする?」


 対処の方法は、あるのだが…。


 「一緒に来るか?」


 「……」


 今回はニナも連れて行く事になった。


 「おお、来た来た…」


 逃げた先は自分達の教室。


 そこにサンペイと喜多村がおり、自分達に気付いた。


 「アンタら、まだ残ってたの?」


 「最近、サトルらがここに逃げて来るんで、待ってたんですよ」


 喜多村がサチ姉に説明していた。


 実際はギギと一旦別れて、校舎を一周する形で裏口から再び、教室に戻るだけという簡単な撒き方だった。


 遅れてギギも教室に入って来る、こんな方法でカートからは簡単に逃げる事が出来ていた。


 それは妹から自分の教室くらいは、知っているはずなのだが、それだけ自分を見下している良い証拠でもある。


 しかし、今回、背後で黙っているニナがいたので、喜多村が聞いて来た。


 「って、言うか、サトル、確かこの子…」


 「ああ、まあ、三分の一だ」


 「いいのか?」


 「ああ、アリアちゃんに言われたらしいのよ」


 サチ姉が代わりに答えると、サンペイは頷いて、


 「なるほど、サトルの安請負か」


 癪な事を言って、ニナによろしくと手を上げて、挨拶をした。


 「……」


 だが、この調子で黙ったままだった。


 「……」


 ギギ、いや、自分達を監視しろとでも、言われているのだろうか『じぃ』と見ていた。


 「……」


 ギギも『じぃ』と見つめ、そんな字幕が流れ。


 くいっ


 自分のまゆ毛にしていた。


 するとニナの肩が震えだした。


 サチ姉は言った。


 「よし、アンタ等、漫才をしなさい」


 「えっ?」


 サチ姉も無茶を言ってくれる。

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