↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/35

第28話 家族コラボ開幕

「ついにコラボ配信の日がやってきたか……」


 いつものようにベランダにて気だるそうにタバコの煙を吐き出す大崎さん。

 つい数分前まで、自分と渋谷先輩と3人で今夜行われるコラボ配信について話しており、終わって一息つこうとベランダに出たら彼女の姿があった。

 珍しく上は大きなTシャツを着ているが下は……


 「残念だったな少年、下はハーフパンツだ」


 まるでこちらの考えを読み取ったかのように大崎さんはニヤリと不適な笑みを浮かべながらTシャツの下の部分を捲り上げていく。

 Tシャツが大きいせいか、中にジーンズ系のハーフパンツがすっぽりと隠れていた。


 「そんなにがっかりした顔をするなって、そんなに私の下着姿がみたければ配信終わった後でじっくりと、その中身も堪能しても——」

 「——それだけ言えるならコラボ配信は心配なさそうですね」


 俺の返答に大崎さんは下を向いて大きくため息をついていた。


 「それにしてもリオの企画が通るなんて思いもしなかったな、事務所も売れっ子配信者の言うことは聞かざるを得ないのか?」

 「……いや、事務所もノリノリでOKだしたと思いますよ、うちの事務所のモットーが『楽しければ基本的にOK』ですから」

 「楽しくなればいいんだけどな……」


 呟きながら大崎さんはタバコを口に咥え、先端に火をつけていく。


 「でも、大崎さんにも断る権利はあったと思いますよ……さすがに外部の人巻き込むのに無理矢理ってわけにはいかないですし」

 「まあ、あっちの圧というか勢いに負けたのもあるけど、多少、興味はあったんだよ。配信側の立場に」

 「そうなんですか?」

 「最近、知ってるイラストレーターもやりだしているしな」

 「言われてみればそうですね……」


 自分たちのような事務所所属の配信者以外にも個人でやっている人もいれば、様々な職業の人が配信をしているのを見かけるようになった。

 

 「私の知り合いも本業こなしつつ、片手間で配信者をやって人気になったのもいるしな」

 「最近、別の事務所でデビューしたのは西洋美術や語学を得意な人でしたね」

 

 こうやって聞くと、Vtuberというか配信業全体って色々あるなとしみじみ考えてしまう。


 「今日は基本的にリオさんが盛り上げてくれると思いますので……暴走したら自分がなんとか止めますので安心してください」

 

 俺がそう告げると大崎さんはふふっと笑いながら、上空に向けて煙を吐き出していく。


 「少年がそういうなら、胸を預けることにするか。 私の胸を好きなだけ使ってくれ! いっそのこと男子大学生らしく乱暴に——」

 「——あ、そろそろコラボの時間になりますので部屋に戻りますね、後ほどよろしくお願いします!」


 彼女のペースに飲まれる前に部屋へ戻ることにした。

 一応音響のセットとか準備とか必要だし。


 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 『みんなこんりおー!』


 :リオたんまってたよー!

 :こんりお!こんりお!こんりおー!

 :リオたんの配信のために全裸待機してまっていました

 :↑いいから服を着ろ


 『なんと今日はコラボ配信だよー!』


 喋りながらもリオさんの反対側に配置されているアオバに近づこうとしていた。

 まさかとは思うけど、すでにもう一人の彼女が出てきてるのか?


 :誰とコラボなんだろうなー(棒)

 :誰ってアオバじゃないのか? 隣にいるし

 :アオバきゅんとコラボなら真っ先に言うし、紹介するんじゃないか?

 :そうかもしれない、ってことは隣に立ってるアオバは何なんだ?

 :まさかとは思うが等身大のアオバのぬいぐるみ代わり?

 :いやまさか……いくらリオたんでもそんなことは

 :もう一人のリオたんならあるいは

 :あっ……(察し)


 『ってことでアオバきゅんあいさつおねがいします!』


 不可解なコメントに目を通していると、リオさんから声をかけられハッとしてしまう。


 「は、はーい!みんなおっす! 夢は異世界転生先で勇者になること! 蒼海蒼葉そうみ あおばです! 今日も一緒に遊ぼうぜ!」

 

 :アオバ、オッス、オッス!

 :きゃーアオバきゅーん!!

 :アオバきゅんきた、これでかつる!

 :今日もリオたんにprprされるのか、うらやまけしからん!


 『ふっふっふ!アオバきゅんは私にペロペロされるために産まれてきた運命だったんだ!』

 

 :Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!

 :ワイもリオたんにprprされる人生でありたかった……

 :アオバ、月のない夜には気をつけるんだな

 :リオさん、実は俺がアオバなんだ


 相変わらずリオさんの言葉にノリで返していくリスナーたち。

 いつものコラボ配信ならこのまま続けてもよいのだけれども……。


 「リオさん、今日は自分以外にも大事なゲストが待っているんですからすぐに呼んであげてください」

 『おっと、アオバきゅんがいるだけで目の前が真っ白になっちゃってた、いけないいけない!』


 :お? コラボ相手はアオバだけじゃないんか?

 :誰だ? サムネにはアオバしか載ってなかったけどな

 :もしかして今日はアオバきゅん絡みの三角関係が!?

 

 『それじゃ今日のメインディッシュのゲストさんをお呼びしちゃいますね! ママー! こっちきてー!』


 :え? ママ!?

 :ママって……?

 

 リオさんの『ママ』という言葉に反応してかコメントが滝のような勢いで流れていく。

 彼女が呼んでからしばらくしてアオバとリオの間に挟まれるように1枚の絵。


 :え?

 :た、タバコ?

 :やっぱそうだよな、突然すぎて俺の目がバグったかと思ったぜ

 

 ——リスナーのコメント通り、映されたのはコンビニのレジ裏で大量に展示されている誰もが見かける銘柄のタバコの箱だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押していただけると作者への応援になります!

執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。