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秀秋君、ロックで元和偃武は出来ないよ? (不定期連載版)  作者: 秋鷽亭


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59話

『毛利秀元の陣』


「世鬼衆からの連絡はどうだ」

「今のところ、敵影は見えずとの事です」

「そうか」


榊原の伝令を何人か討ち取ってはいるが、それ以外にも徳川本陣の元に行っている可能性はある。

世鬼衆も四国や九州、そして、大坂城に回されている者が居るからこちらにはわずかしかいない。

伊賀や甲賀なら上方で雇えたかもしれないが、徳川の紐づきの可能性もある。

伊賀は誓約を守るかもしれないが、甲賀は土豪の繋がりで情報を漏らす可能性もあるし、見逃す可能性もあるから信用しずらい。

伊賀も守ると言っても、やはり手心を加えるだろう。

逆に加えなければ、それはそれで信用しにくい気もするのが、もやもやするところだな。


「殿、吉川様からの伝令です」

「なんと?」

「山内らはこちらの攻勢を防ぐことだけに専念しているとのことです。ただ、投石機の攻撃を防ぎ切れておらず、被害も大きく、雑兵は混乱し逃げ出すものを斬り捨てて、留めているとのことです」

「そうか」


上から石や丸太が降ってくる以上、防ぎようがないだろう。

木で盾を作って、防いでいるだろうが、重量のあるものが上からぶつかれば、防ぎきれるものではないだろうし、木の盾も砕けるだろう。

砕けなくても、その重さで身体を壊す可能性がある。

武士であれば、耐えれるものも居るかもしれないが、雑兵では無理だろう。

まして、徴兵で集められたものたちと、食い扶持の無い者たちだろうからな。

武士であっても、牢人であれば逃げてもおかしくはないし、下手をすれば、槍を逆に向けかねない。

城や砦であれば、防げたかもしれないが、戦場では厳しいだろうな。

打開策は、射程外に退くか、突撃して投石機を潰すしかない。

それはこちらも考えているので、前面に槍隊、その後ろに弓隊を配置しているから突破されることはあるまい。

こちらは、挟撃の危険があるから全力で攻めれないが、投石で戦意と戦力を削ることは出来ているようだ。


「殿!」

「どうした」

「榊原の先陣が見えたそうです!」

「そうか、世鬼衆に任せると伝えよ!」

「はっ!」

「恵瓊、広家のところにも知らせは行っているかもしれないが、榊原の件を伝えろ!」

「はっ!」


とうとう来たか。

信濃は長雨で道が泥で、川の氾濫もあると商人が言っていたから、まとまってくることはあるまい。

まとまってこないのは、確かに戦力的にはこちらにとっては、各個撃破出来て楽だが、何時、後詰が来るか分からず、戦い続ける辛さもあるな。

だが、相手は強行軍で来ている以上、疲労は蓄積されているだろうからやれるだろう。

ん?爆発音が信濃側から聞こえたな。

出鼻をくじくことは出来ただろうが、戦上手の榊原であれば、態勢を整えるだろうな。


「予定通り、投石機の準備と、射程範囲に入れば攻撃しろ!」

「はっ!」


広家には、榊原や後続に合わせて打って出てくる可能性もあるから、それを防いでもらわないと駄目だな。

まあ、あ奴なら問題ないだろう。





『榊原康政の陣』


炮烙か?

火薬による攻撃なのは分かるが…


「殿、兵糧が燃やされました」

「分かった。先陣も先の爆発で二の足を踏んでいる。遠くから喚声が聞こえ射ているようだから、決戦に及んだのだろう。負傷者はおいて起き、進むぞ」

「しかし、雑兵の体力が持ちません。ぬかるみの中、休み少なく進軍してきた為、歩くのも厳しくなっています。それに、先ほどの爆発で、その場に倒れこむか、わき避けて座ってしまっています」


仕方ないとは言えば、強行軍で来たのが失敗したか。

少し休む必要があったのは分かるが、中納言様の遅参を何とかしようとして、焦ったか…


「後続はどうなっている」

「我が隊以外見えません」


正信から、追加で後続を編成して送り出すと言っていたが、やはり、ぬかるみと川のせいか直ぐには追いつけないか。

わしが通った後に、また、雨が降っていたから…


「仕方あるまい、殿に伝令を。討ち取られる可能性もがあるから、複数人出せ」

「はっ」

「すこし、後方に下がって休むぞ。兵糧は少しあればよい。明日まで持てば十分だ」

「はっ」

「周囲に物見を出して、敵がいれば討ち取るように」

「はっ」


手当としてはこれで良いか。

まだ、朝だ、昼から戦に参加できれば良いか。

焦った所で、兵が付かれていれば、簡単に討ち取られるだけだからな。





『山内一豊の陣』


ん?

信濃の方から爆発音が聞こえたな。

徳川殿が迂回する奇襲部隊を出したのか?

あの御仁は、慎重すぎるからそのようなことは…

はっ?!まさか、中納言殿が来たのか?

ありえるか、それならあちらから爆発音が聞こえたのも納得できる。


「おい、何人か物見を出して、周囲を確認しろ」

「何故でしょうか」

「もしかしたら、信濃から味方が来たかもしれない。それで、伝令を出したとしても、毛利に始末される可能性があるからな。もしいたら助けるなり、伝令が居たら死んだとしても、来た証拠になる」

「分かりました」

「出来れば、手練れを何人かいれておけ」

「はっ」


信濃から伝令が全く来ない事が疑問だった。

毛利あたりが結界を張って、始末している可能性は高いが、流石に、漏れはあるはず。

それを踏まえて、まだ、上田あたりで手間取っていると思っていたが…

だが、来たとしても呼応して挟撃の攻撃も今は難しいか。

いや、攻勢に出て、投石機だけでも破壊することが出来れば…


「有馬殿、蜂須賀殿にも伝えろ、信濃に友軍が来た可能性がある事、物見を出して、伝令が居たら保護するようにと」

「はっ」


毛利は忍びを抱えているというから、守るための兵を出しておいた方が良いし、わしのところだけじゃない方が良い。

その分、負担も減るし、守り切る可能性も高まる。

吉川広家…広家


徳川秀忠…秀忠、中納言

榊原康政…康政

本多正信…正信


山内一豊…一豊

有馬豊氏…豊氏

蜂須賀至鎮…至鎮

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