60話
福島正則…正則
島津義弘…義弘、維新
長曾我部盛親…盛親
立花宗茂…宗茂
稲葉正成…正成
平岡頼勝…頼勝
松野重元…重元
志賀親次…親次
藤堂高虎…高虎
脇坂安治…安治
『小早川秀秋の陣』
「殿が考えられた投石機と炮烙の効果か、他の方々も徳川方に被害を与えているようですね」
「正成、俺が考え出した兵器でもないけどな」
「そうですが、投石機を何もない状態で作り上げるのは無理です。殿が作り方を知っていて、雑兵の中に大工仕事が出来るものが居たのが良かったと思われます」
「単純なもので、簡単に作れるからそこまでの破壊力がないのがな。もう少し前に…はぁ」
「いえ、それでも十分だと思います。徳川方は防ごうとしていますが、あのような簡単な盾では防げるものではないでしょう。小石や小さな木の欠片であれば防げますが、中に入れた大き目なものは流石に無理です」
「だなぁ、投石が未だに武器として使われるぐらいだから石は手軽だよな」
「あと、手で投げるより威力のあるスリングというものも良いです。手軽ですし、携帯できますので」
「だが、あれは少し時間がいるから、急には使う事が難しいのが難点だな」
「仕方ありませんが、敵が突撃してきた時は有効に使えました。特に、物見が使い勝手が良いと言っていました」
「そうか、なら良かった」
投石機を五月雨に打ち込んでいるけど、高虎と安治は乱れながらも防いでいるな。
戦巧者という所だろうけど。
下っ端はどこまで耐えれるかな、
まあ、逃げ場がないからその場で留まるしかないんだろうけど、辛いね。
徳川の兵は流石に硬いし、高虎らよりも乱れが少ない。
負傷した兵を素早く後方に移動させて、入れ替えが早い。
「崩れないな」
「はい、流石に強兵で手ごわいですね。しかし、何時まで耐えれるか、少しでも崩れれば、崩壊していくと思いますが」
「そう思うか?」
「いつまでも耐えれるとは思いません。指揮をしている者は、何れ攻撃が止まると言っているのでしょうが、こちらは後方から木や石を補充しているので、途切れることはないでしょう。投石機が壊れても多くは補充できなくても、少しずつ補充できますので、昼夜関係なく撃ち続けれるでしょう」
「夜もか?」
「はい、ただ、徳川方に物見も含めて、動きは見なければならないと思いますが」
「暗闇に紛れて、後退する?」
「するかもしれませんし、それが罠かもしれません」
「おびき出すためのか?」
「はい、今のままではじり貧ですので、相手を誘い込んでせん滅する事を考えると思います。戦上手の藤堂様であれば必ず。脇坂様に声をかけて動くでしょう」
「でも、全軍は退けば怪しまれるから、エサを用意するんだろうなぁ、死兵か…徳川の兵がなりそうだな」
「かもしれません、伏見城での戦いを見れば、三河武士の恐ろしさが分かります」
「そうなれば、そいつらだけ潰して、さっさと退くのもありだな」
「はい、もしくは、そのまま突き破るのも手かと」
「…正則と維新さんか」
「そうですね。後は松野、志賀もいますので、手札はあります」
「だが、被害が甚大だろ?あまり、使いたくないな。高虎らの後ろには家康本隊が居るんだから、賭けるには早い気がするが…」
「長曾我部様の兵も強兵です」
「それはそうだが…」
確かに犠牲はつきものだけどさ、今か?
うーん、迷うな。
「殿!」
「どうした、頼勝」
「立花様が来ました!」
「おう!そうか!って、どこかで休んでいたのか?」
「いえ、山間を強行軍で来たようです」
山道を進んできていたら、疲労が大きいだろうな。
索敵して、戦い始めたら何処かで限界がくる。
そうなると、討ち取られる事になる…
「頼勝、宗茂には休むように伝えてくれ、兵糧を融通して兵たちに与えるようにしてくれ」
「よろしいので?」
「ついてすぐに戦えるだろうけど。戦っている時に、体力の限界が来たらまずいだろ?」
「それはそうですが、勇猛な立花兵が参戦すれば、敵も怯えるかもしれません」
「まあ、それは雑兵ぐらいだろうけど。今は投石機で削っているから、休息は可能だろう」
「確かに、分かりました」
「頼んだ。後、宗茂にはここに来るように伝えてくれ」
「はっ」
「正成、話合いするか」
「分かりました…島津殿は、立花殿の親の仇ではありますが…」
そう言えば、そうだったなぁ。
逸話を考えれば、大丈夫と思うけど。




