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秀秋君、ロックで元和偃武は出来ないよ? (不定期連載版)  作者: 秋鷽亭


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52話

『徳川家康の陣』


「藤堂殿」

「はっ」

「貴殿には、忠勝の代りに大谷と小早川への対処をお願いしたい」

「よろしいので?」

「うむ、貴殿であれば問題ない。京極殿、寺沢殿、脇坂殿もその指揮下に入ってもらいたい」

「わかりました」


三人とも頷いてはいるが、不満そうではあるな。

石田に対しては、黒田や細川が攻めたてていたから、他の者たちも攻めたてなければ比較され、後での論功行賞で恩賞を受けれるか、処罰されるかがあるから必死になるだろうから、必死になるだろう。

競い合わせれば、十分効果がある戦場だ。

だが、宇喜多や大谷、小早川は違う。

戦う意欲はあっても、細川のような私怨はなく、黒田のようにこちらへのすり寄りはないものが多いからな。

まして、宇喜多は有力家臣団が離れたが強勢であるし、大谷は秀吉が百万を指揮できると言わしめた逸材で、年齢を重ね円熟味をましている。

こちらとして助かっているのは、総大将でなく、軍配者でもなく、大兵を率いていない事か。

小早川の小僧も大兵を持ち、福島、島津を従え、長曾我部も取り込んでいる可能性もある。

あの小僧が油断できん。

酒に狂って頭がおかしくなったと思って軽視した結果が、これかか。

油断してはいなかったが、慢心していたかもしれないな。


「それと、藤堂殿には、直勝、正次、清正、康俊を預ける」

「それは…」

「清正」

「はっ」

「お前が兵を纏めよ」

「はっ」

「そして、藤堂殿の下知に従え」

「分かりました」

「徳川殿」

「そちらの方面では、お主に任せるしかないのだ。頼むぞ」

「…分かりました」


藤堂は難しい表情をしているな。

だが、諸将で信頼できるものは少ない。

藤堂は信頼できるし、裏切ることはあるまい。

まあ、清正らを付けることは目付と感じるだろうが、そこは理解してほしい。

此処に至って、京極、寺沢、脇坂が裏切ることはあるまい。

特に、脇坂は寝返った為に、再度、裏切っても許されることはないだろう。


「山内殿」

「はい」

「そちらはどうかな」

「浅野殿、池田殿は意識は戻りましたが、流石に兵を指揮できるほどの回復はできていません」

「そうか…この状況でゆっくりは休めぬだろうが、無理をさせぬように後ろに下げることにしよう」


わしの言葉に、浅野と池田の代理に来ている亀田、伊木が、安堵したような表情を浮かべているな。

流石に、戦場を離脱させることは出来ぬし、離脱を許してくれるとは思えぬしな。

ただ、裏崩れされるかもしれんから、まとめてもらわねばならんな。


「亀田、伊木」

「「はっ」」

「兵をしっかりまとめて、いつでも動けるようにはしておいてくれ」

「わかりました」


両家も戦乱を生き抜いた者たちも多いから大丈夫と思いたいがな。

流石に主君が倒れた状態では混乱するだろう。

かといって、ここに移動させて休ませるのも人質を取られたとして反発がありそうだから無理だが。


「池田殿と浅野殿の傷はどうなんだ?」

「背と腰を強打して、痛みがあり動きにくい状況です」

「我が殿も同じ状況です」

「そうか、流石に馬に乗っての指揮は無理だな」

「申し訳ございません」


亀田も伊木も頭を下げるが、仕方あるまい。

馬が暴れれば抑えるのは難しい。

炮烙など使われればな…


「お二人には、この状況でかける言葉ではないが、無理をせぬようにと」

「ありがとうございます」

「必ず伝えます」

「山内殿」

「何でしょう」

「おそらくだが、毛利宰相の攻撃は激しくはないと思うので、守りを固めて頂ければよい」

「それは」

「既に、秀忠の先陣が近くまで来ている」

「ほう、それは本隊も?」

「いや、信濃で川の氾濫などで道がぬかるみ、進軍に支障が出ているようで、先陣として康政が来ているようだ」

「それでは挟撃できるかもしれませんな」

「そうだ、だからこそ、毛利や吉川はこちらに全力で攻撃する事が難しくなっている」

「なるほど」

「まして、東からは石田らの兵は来ることはない。長束や恵瓊では、兵はあれども戦力にはならないからな」

「確かに、ならば、こちらは守りに徹して、中納言殿が来ることを待ちましょう」

「お願いしたい」

「分かりました」

「山内殿に指揮を執ってもらう事になりますが、皆さまよろしいか」


中村、有馬、蜂須賀は頷いたな。


「又市」

「はっ」

「お主に、二千を与える、山内殿を助けよ」

「はっ」


これでよいか。

後は、秀忠がこちらに来る時期次第だが、南宮山の方が問題あるまい。

ただ、そうなると、大津の者たちが石田への援軍として来るだろうから、西の守りを厚くせねばなるまい。

豊臣秀吉…秀吉

石田三成…三成

大谷吉継…吉継

宇喜多秀家…秀家

福島正則…正則

島津義弘…義弘

長曾我部盛親…盛親

毛利秀元…秀元、宰相

吉川広家…広家

長束正家…正家


徳川秀忠…秀忠、中納言

榊原康政…康政

永井直勝…直勝

阿部正次…正次

内藤清正…清正

本多康俊…康俊

小栗忠政…忠政、又市


藤堂高虎…高虎

京極高知…高知

寺沢広高…広高

脇坂安治…安治

黒田長政…長政

細川忠興…忠興


山内一豊…一豊

浅野幸長…幸長

亀田高綱…高綱

池田輝政…輝政

伊木忠次…忠次

中村一忠…一忠

有馬豊氏…豊氏

蜂須賀至鎮…至鎮

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