39話
『小早川秀秋の陣』
維新さんが言ってくれているけど、流石にどうなんだろう?
朝鮮で明に恐れられ、関ケ原の戦いの撤退でも恐れられ、多大な被害を与えた島津兵。
でも、ここで頼ってもいいのだろうか?
どちらかというと、家康の陣に突入する時に手伝ってほしい気がする。
あそこは家康を守るために死兵となっても守るだろう。
そう言う意味では、忠勝が率いているのは徳川の兵だから手ごわいんだろうけど。
「維新さんには、家康の陣を攻める時の先陣になって欲しいんですよ」
「ふむ」
「忠勝が率いている兵を見ても、家康の直属だと思うけど。やっぱり、家康を守る方が手ごわいと思うんですよねぇ」
「それは確かにな」
正則が何か言いたげな表情しているけど。
相手を抑えるには、正則の兵を使うのが一番なんだろうな。
でも、それはなんか気が引ける。
「秀秋」
「なんだ?お前の兵を貸してくれるのか?」
「構わんぞ」
「ん~、お前はそれでもいいのか?」
「言いも何も、俺はお前に一騎打ちで負けた。納得は言っていないが」
「納得いってないんかい!」
「まあな、正面からやり合ってないからな。それでも、負けは負けだ」
「うーん…こっちに参戦してくれたら、こっちとしては嬉しいけどさ。家臣は納得するの?」
「さあな、納得しなければ、あっちに行くか、どこかに行くだろ」
「そっか…」
この時期は、まだ、戦国の空気があるか、仕える主君に納得いかなければ去ることもあるんだろうな。
そう言えば、長政と又兵衛の仲が決定的に悪くなったのは、関ケ原で一騎打ちしていた長政がピンチの時に助けなかったとか、きつい言葉を言われた長政がキレたとか、色々あるなぁ。
又兵衛が寝返ってくれたら面白いけど、今は寝返りは無理だろうな。
「じゃあ、お願いできるか」
「分かった、才蔵」
「はっ」
「側面を突けばよいか」
「ああ、お願い。正成」
「はっ、前線にも伝えておきます」
「よろしく」
兵数の上でも正則の兵が参戦してくれると、楽になるな。
「親次に、木砲を前線に持っていくように伝えて。福島勢が動くときに砲撃を行って欲しいと」
「はっ」
「木砲か」
「維新さんいります?」
「ふむ、いくつか貰おうか」
「分かりました」
「流石に正則の方には渡せないな」
「そりゃ、この状況では移動させるのは無理だろし、下手すりゃ、徳川殿の忍びが仕掛けるかもしれない」
「ああ、いるか?」
「いるんじゃないか?あの徳川殿が手を抜くとは思えないな」
「そっかぁ」
忍者は面倒だな。
破壊工作されると、こちらも被害を受けるし、守るだけだからいつ仕掛けるか分からない緊張を強いられる。
うちにもいるらしいが、そんなにいないというし…
「正成」
「分かっております、火薬、兵糧には十分な兵を配置しておりますし、複数に分けています」
流石、やる男正成、手抜かりないか。
こちらが仕掛けれないのが歯がゆい。
気が付いた時に手配させればよかった、遅れたかもしれないけど…
でも、あれか、正成は家康に付く結果がすぐ着くと思っていたから手配はしないか。
『本多忠勝の陣』
朽木ら三家は早々に崩れると思ったが粘るな。
小早川や大谷からの援軍のおかげかもしれんが、押込めない。
地形的に不利ではあるが、それにしても粘る。
三家が崩れれば、大谷や小早川も混乱するはずなんだがな。
「殿」
「どうした」
「福島勢が動き出したようです」
福島勢が動くという事は、こちらに向かってくるな。
「どこに向かっている」
「こちらの側面に向かっているか、大殿の陣に向かっているか、現状では判断できないとのことです」
いや、やはり、こちらだな。
此処で殿の兵を向けたとしても、我々と挟撃を受ける可能性がたかい。
そんな不手際はしまい。
「康俊殿へ」
「はっ」
「左翼に移動させ警戒を」
「はっ」
「それと、後方にいる藤堂様、京極様、寺沢様、脇坂様に伝えよ、福島の兵を攻めて頂きたいと」
「はっ」
手当としては十分であろう。
後は、殿に報告をしなければな。
島津義弘…義弘、維新
福島正則…正則
可児吉長…吉長、才蔵
志賀親次…親次
稲葉正成…正成
朽木元綱…元綱
大谷吉継…吉継
徳川家康…家康
本多忠勝…忠勝
黒田長政…長政
後藤基次…基次、又兵衛
本多康俊…康俊
藤堂高虎…高虎
京極高知…高知
寺沢広高…広高
脇坂安治…安治




