38話
『小早川秀秋の陣』
「秀秋煩いぞ」
「なんだよ、喉は鍛えておかないとすぐ弱るんだぞ?歌い手として当たり前のことだ」
「歌い手?和歌か連歌でもするのか?」
「そっちの歌じゃねぇ!」
「歌は歌だろ?」
「それはそうなんだが!違うんだよ!ロックなんだよ!」
「もう、それは良い、何度も何度も煩い」
むぅ、ロックを広めるのは、険しいな!
「それで、どうするんだ?」
「忠勝の先陣が崩れないからなぁ、このまま突っ込んでも意味がないんだよ」
「そりゃ、そうだな」
「一点集中で突っ切れば、忠勝のところまで行けそうな気もするが、分が悪いな」
「まあな、お前のところは兵を分けているから、本陣で動ける兵もそこまで多くはない」
「そうしないと、崩れるから仕方ない」
「そうだな」
「くそっ!タイマンでケリつけれれば!」
「タイマンってわからんが、ま、お前が本多と戦えば一瞬で斃されるだろうな。小手先では奴に勝てないぞ?」
「お前には勝てたけどな」
「ぐっ!まあ、本多は化け物だからな、不利な状況でも力ずくでひっくり返す事が出来る」
「兵は数だから、周囲の兵がすべて倒されれば負けだけだよ。ただ一人で戦況をひっくり返すなんて、三国志演義の張飛と言う架空の話だけだ」
「そうだな」
「しかし、どうやったら崩せるか…」
兵を前線に送り出したり、入れ替えたりしているけど、決定的な状況にはならないなぁ。
忠勝が前線に出てきて戦えば、やりようもあるんだけど、今の状況では無理だな。
モヤモヤする。
元康らが到着しても、あっちも秀忠が到着する。
そんな状況では、千日手のように状況が遅滞するんだよな。
長期戦もあるんだろうけど、そんなに遅れたら、俺がロックを広めるのが遅れてしまう。
このままでは、決着がどうなるか分からない。
どうしたものか。
「なら、わしらが道を作ろうか?」
「維新さん?」
「わしらの後に続けば、奴らを切り裂くことは出来るだろう」
「いや、それでは島津に被害が集中してしまうのでは?」
「何を言うか、戦は被害が出ようが勝てばよいのだ」
毛利元康…元康
本多忠勝…忠勝
徳川秀忠…秀忠




