26話
『小早川秀秋の陣』
「何を言っておられるので?酒の飲み過ぎで、頭がおかしくなられたのか?」
「何がだ?」
「はぁ、まあ、そう思われますよ、普通は」
「正成、俺はいつでもまっとうにロックしているぞ?」
「ろっくが何か分かりませんんが、まっとうではありません」
「もう一度聞く、小早川殿」
何だよ、そんな鬼のような形相でこちらを見てくるなよ。
その眼付だけで、何人か殺せなくても、気絶させることは出来るだろうし、子どもは泣き叫ぶぞ?
そっち界隈の人たちもびっくりな表情だな。
「なんだ?」
「何故、殿と戦う決断をされたのですか?こちらに付くとはずでは?」
おお、裏切りの話を隠さないのか!?
まあ、良いけどさぁ…
周囲を見たら、驚いた表情していないな?
あれ?
兵士さん…は、分かるか。
大久保何某や奥平何某らが居たから分かるよなぁ、分かるよね…
まあ、彼らも当初は目立ってなかったし、頼勝らが見えないようにしていたから他の家臣たちにはバレていなかったようだけど。
バレていたら三成あたりに密告されていたかもしれないな。
「高虎が挑発してきた事、長政の家臣がふざけた野郎だったからだな。なめられたら負けだろ?」
「なるほど…」
ちょっと、表情が緩んだか?
納得は出来ないが、理解は出来た感じかな?
武士である以上、面子があるしなめられたら周囲から付け込まれる。
高虎のやつはこじつけだけど、大久保何某は小ばかにした表情、口調で話していたからな。
まあ、ずっと酒を飲み続け、正成らにすべてを任せていたら、そりゃ馬鹿にされるか。
「何を笑っておられる」
「ん?ああ、今までの酒におぼれた日々を思い出して、自らの行動に呆れただけだ」
そもそも、秀吉が秀秋の行動を叱責して、認めなかったのもあるからな。
何が端武者だ、前線で戦ったことを貶めやがって、お前も前線で戦ったことあるだろうが!
まして、蒲生氏郷だって、率先して兵の前に飛び出して敵にとぶつかっていたじゃないか。
まともな教育を受けてないのに、兵を指揮する事なんてできるかよ。
若いんだから勇むに決まっている。
…あれ、あの時、三成も秀吉に要らぬことを言っていたな…
「それで、殿を殴るという事と繋がりませんが?敵である以上、首を取るのでは?」
「首取ってなんかいいことあるのか」
「戦ですぞ、敵の首を取り功を挙げるべきでは?」
「それはそうだけどな。有能な人物を殺害して、メリットあるのか?まあ、天下に野心を持っている家康を生かしておくこと自体が問題かもしれないけど。三成も変わらんだろ、それなら。まして、秀頼の嫁さんは家康の孫だぞ?そんな酷いことできるかよ。信長でもあるまいし」
「…」
ほんと、信長って信忠の嫁さん予定の松さんの実家、武田家を滅ぼすんだよなぁ。
その兄弟の勝頼、甥の信勝を始末するんだから…
でも、子煩悩で身内に甘いイメージがあるんだよ、信長は。
それを踏まえても、信長はどう思っていたんだろうな。
子どもの信忠の悲しいとか、悲しんだのかな?
信忠も室を正式に迎えていないって話だしな。
「それでも、殴るという意味が分かりません。それは、殿を眼中にないかのように思えますが」
「殴り合えば、分かり合えるんじゃないか?」
「…は?」
「はあ、済みません、本多殿」
「あ、いや」
「殿はちょっと、あれでバ…頭が緩いのです」
「馬鹿って言わず、言い換えても同じだろ、それ!」
「気のせいです」
「そんなわけあるか!」
「ふっ」
「くっそ!俺は主君だぞ!」
「なら、陣で大人しく座って、指示を出してください」
「断る!」
「私も断りましょう」
「ねえ、主君じゃないの?主君だよね!?」
何だろう、正成の俺に対する扱いが軽くなってないか!?
(最初はみんな顔と話し方で身構えたり、関心するだけど。付き合いが長くなると、残念感がにじみ続けてくるからなぁ、ドンマイ!)
アヤ!?
泣いてもいいかな!?
「子供のような事を言っておられるが、本気なのか?」
「本気だぞ、だから、顔を洗って待ってろって、言っておいてくれ!ロックだぜ!」
「…ろっくの意味が分かりませんが、殿には伝えておきましょう」
「おう!」
「もし、こちらが敗れたとしても、殿の命は取らないと?」
「後始末はあるけど、取る気はないしなるべく穏便にすましたにな。家康が秀頼をサポートして、三成が兵站を整える。良い体制と思うんだけどなぁ、馬鹿じゃないのか、本当に…」
「何を言っておられる?」
「海外からの日本を侵略ないし、利用しようとしている連中がいるのに日本内で権力争いとか失笑者だよ。政治家や政党もそんな馬鹿な奴らもいたなぁ」
「せいじか?せいとう?」
「気にすんな!こっちの話だ」
スペインもポルトガルもヨーロッパでの小勢り合いがあって、日本まで侵略できなかったんだろうな。
スペインの無敵艦隊もイギリスに敗れるだろうし、アジアに兵を回す余力もなかったんだろう。
キリスト教を使って、扇動も考えていたかもしれないけど。
そこは、秀吉の伴天連追放令や家康の鎖国による海外との交渉の独占とかで、上手くやったんだろうけど。
日本の当時の軍事力と経験値は、ヨーロッパと変わりないほどだったろうから、兵を持っての占領は難しかったとは思う。
けど、幕末にあった薩摩長州とイギリス、幕府のフランスなど、介入のやり方はあったろうとは思う。
大村氏なんて、秀吉の伴天連追放令がなかったらもっと影響力が大きくなったかもしれない。
大友宗麟なんてキリスト教狂いみたいなイメージだったけど。
息子の義統の方が主導していたって話もあるんだよな。
捕まえた敵国の領民を奴隷として、ポルトガル商人とかに売っていたという話もある。
でも、日本国内でも捕らえた領民を奴隷として売っていたという話もあるから、その延長だったんだろうと思う。
秀吉が海外に売られる事だけで激怒した理由もいまいちわからない。
秀吉にとっては日本国内の人々は俺の物って考えだったからか?
まあ、それはともかく、大名たちが勝手にスペインなりポルトガルと同盟でも結んで、武器弾薬や兵力を引き入れないとも限らない。
スペインやポルトガルも国軍は無理でも傭兵あたりを雇って、こちらに送り込んでもおかしくはないだろうとは思う。
財政的に無理だったかもしれないけど。
「お前らが言う、南蛮人や紅毛人なんて、ヨーロッパにある国々のスペインやポルトガルから来ているだけで、それ以外にもその二つに匹敵する力を持つ国も多い。それらが日本に目を向ければ、抵抗できないだろうし、勝手に仲良くなって、蜂起する連中も出るかもしれないぞ?狭い日本でやり合っていても意味がないんだよ。海外に出て、防波堤になる土地を取って、対策取らないと遠い、遠い未来に禍根を残すすことになる」
「…殿、今話すべき問題ですか?」
「ん?まあそうだな」
難しい表情をしているな忠勝くん!
とっとと、戦い終わらせて、平和にしてロックにまい進したいのに…
藤堂高虎…高虎
黒田長政…長政
大久保猪之助…猪之助
奥平貞治…貞治
武田勝頼…勝頼
武田信勝…信勝




