表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹魔学院の紅と蒼  作者: なまこ
ダンジョン攻略試験

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/30

ダンジョン攻略試験(第二層)

■ダンジョン攻略試験(第二層)

蒼紫たちは第二層へと足を踏み入れた。


地面には金属のレールが敷かれており、

その先には三人乗りのトロッコが置かれていた。


そこには古びた木製の看板が立てられており、

トロッコの使い方が簡単な図で示されていた。


紅莉「トロッコだ~!」

紅莉は初めて見るトロッコに目を輝かせていた。


玲奈「……トロッコね」


蒼紫「これに乗らないと先には進めなさそうだな」


紅莉は看板をじっと見つめ、首をかしげる。

紅莉「蒼紫くんこれどういうこと?」


蒼紫は看板に静かに指を向けた。

蒼紫「おそらくこのトロッコは誰かが魔力を注がないと動かない仕組みだ」


指先を少しだけ移動させ、別の絵を示す。

蒼紫「この二人は攻撃と防御を表しているのだろう」


玲奈は掌に拳をポンと置いた。

玲奈「つまり、トロッコを動かす役と攻撃役、防御役で分けるってことね!」


紅莉「分担はどうしようね?」


玲奈「私がトロッコを動かすわ。紅莉が攻撃で蒼紫が防御、これが一番ね。」

紅莉「おっけー!」

蒼紫「分かった」


役割が決まると、三人はトロッコへと乗り込んだ。


玲奈がそっと手をかざして魔力を流し込むと、

トロッコが黄金色に輝き始める。


紅莉は思わず両手を胸の前で合わせ、目を輝かせた。

紅莉「わぁ……玲奈ちゃんの色、すっごく綺麗!」


玲奈は一瞬だけ目をそらし、頬をほんのり赤く染める。

玲奈「そ、そんなことより……目の前に集中よ」


蒼紫「その通りだ」


前方の暗がりで空気が弾ける音がし、

赤い火の玉が一直線にこちらへ飛んできた。


蒼紫は即座に水の膜を展開し、火球を受け止めた。


玲奈「……流石ね、蒼紫」


紅莉は胸に手を当て、ほっと息をつく。

紅莉「び、びっくりした……!」


そのままトロッコは暗い通路を進んでいく。

だが、奥へ進むほど、熱気がじわりと強くなっていった。


蒼紫が眉をひそめる。

蒼紫「……嫌な気配だ。近い」


次の瞬間、通路が開け、赤い光が揺らめく空間に出る。

そこには、先ほどの火球の元凶と思われるモンスターが待ち構えていた。


紅莉「うわっ……あれって……!」


蒼紫「ファイアリザードか……」


洞窟の壁に張り付くようにして、赤い鱗のトカゲがこちらをじっと見据えている。

その喉元には、まだ熱を帯びた火が脈打っていた。


玲奈「来るわよ。構えて!」


ファイアリザードが喉を膨らませ、再び火球を吐き出した。

蒼紫は間髪入れず防御魔法を展開し、飛来した火球を正面で受け止める。


蒼紫「紅莉、狙えそうか?」


紅莉は魔力を込めながら眉を寄せた。

紅莉「うぅ……あいつ、ちょこまか動いて全然狙えないよ〜!」


紅莉が放った火球は、ファイアリザードに軽々とかわされてしまう。


その様子を見て、蒼紫が短く提案した。

蒼紫「相手の攻撃に合わせて、連携魔法で迎え撃つぞ」


紅莉「うん、わかった!」


二人は片手を合わせ、魔力を重ねる。

蒼紫の青と紅莉の赤が混ざり合い、藤色の光がふくらんでいく。


ファイアリザードが洞窟の壁を這いながら蒼紫たちの様子を見ている。

その後、蒼紫たちが攻撃してこないと判断したのか、喉元を赤く光らせた。


蒼紫「……今だ!」


二人は藤色の火球をファイアリザードへ向けて放つ。

藤色の火球は相手の火球を呑み込み、ファイアリザードに直撃した。


ファイアリザードは悲鳴を上げながら地下深くへと落ちていき、姿が見えなくなる。


紅莉「やった!」

玲奈「その調子よ!」


ファイアリザードを倒すと、まっすぐ続いていた線路が三方向へと分かれているのが見えた。


線路の左隣には、それぞれモンスターの像が置かれていた。

それらは、左から、トカゲ、モグラ、コウモリのような見た目をしていた。


紅莉「どうやって分岐するんだろうね?」


玲奈は像の周りをざっと見回しながら言う。

玲奈「普通ならスイッチとかあるはずなんだけど……」


蒼紫は周囲を一度見渡し、静かに首を振った。

蒼紫「いや、見た限り仕掛けはない」


玲奈「……なら、このまま進むしかなさそうね」


蒼紫たちはそのまま真ん中の道を進むことにした。


しばらく進むと、前方の暗がりから羽ばたきの音が一斉に響き、

蒼紫たちは洞窟コウモリの群れに囲まれた。


紅莉「なにこれ!?」


玲奈「とんでもない数ね」


蒼紫は即座に危険を察知し、三人の周囲に水の膜を展開した。

薄い水の壁が、迫りくるコウモリたちの動きを反射して揺らめく。


紅莉「どうしよう……」

玲奈「霧で魔力減少しているから、まともに戦えないわね」


蒼紫は一瞬だけ周囲を見渡し、短く言い切った。

蒼紫「一か所に誘い込む。紅莉の魔法でまとめて落とす」


紅莉「うん、任せて!」


紅莉が一ヶ所に炎の魔法を展開すると、

蒼紫はその部分だけ、水の膜をそっと開けた。


紅莉「蒼紫くん、器用だね~」

玲奈「ほんとよ。何でも出来てムカつくわ」


炎の一点に向かって、洞窟コウモリたちが吸い寄せられるように群がり、

次々と紅莉の炎に触れては燃え落ちていった。


蒼紫「今ので最後みたいだな」


最後の一匹が灰となって落ちるのを確認すると、

蒼紫は静かに水の膜を解除した。薄い水の壁が音もなく消えていく。


ほどなくして、蒼紫たちは再び3つの分岐に遭遇した。


蒼紫は右側に立つコウモリの像へ向けて、最小限の水魔法を放つ。


水が像に触れた瞬間、コウモリ像が青く輝き、

線路が中央から右へとゆっくり切り替わっていった。


蒼紫「おそらくこの像がスイッチの役割を果たしているのだろう」

紅莉「蒼紫くん、すごい!」

玲奈「流石、蒼紫ね」


蒼紫たちはそのまま右の線路へ進んでいった。


紅莉「でもさ、あの像って何を意味してるんだろう? これから戦うモンスターとか?」

玲奈「それだと、また洞窟コウモリってことになるわよ」

紅莉「えー、それはやだよ〜」


そんな他愛ない話をしていると、前方の岩壁がわずかに揺れた。


次の瞬間、岩の中から丸い影が飛び出し、

蒼紫たちはロックモールと鉢合わせた。


蒼紫「ロックモールの投石は今の魔力だと防げないな」


玲奈「じゃあどうするのよ?」


蒼紫はロックモールを一瞥し、短く答えた。

蒼紫「……玲奈、トロッコの速度を調節してくれ。岩の動きに合わせて避ける」


玲奈「了解。振り落とされないでよ!」


蒼紫「紅莉は一点に狙いを定めるんだ。魔法はスピード重視で」


紅莉「うん! わかった!」


指示を出し終えると、蒼紫は紅莉の手にそっと触れた。


紅莉「ちょ、ちょっと……蒼紫くん!?」


蒼紫「魔力を供給するつもりだった。……嫌だったか?」


紅莉は一瞬だけ目をそらし、小さくつぶやいた。

紅莉「……いやじゃない、かも」


紅莉は揺れる車体の上で姿勢を整え、洞窟の一点へと意識を集中させた。


飛んでくる岩は玲奈の魔力調整で華麗に躱す。

玲奈「朝飯前ね!」


そして、紅莉の視線の先にロックモールが現れた。

紅莉「ここだー!」


ほのかに青く色づいた火球が紅莉の手から放たれ、

一直線にロックモールへと飛び、見事に命中した。


ロックモールを倒し、蒼紫たちは再び分岐点へ戻ってきた。

今度はモグラの像が示す線路へと進む。


その先で、柔らかな緑色の光が三人を包み込んだ。


紅莉「この光、落ち着く~」

玲奈「魔力回復の光ね。……ってことは、まだこの先もあるってこと?」


しばらく進むと、蒼紫たちは再びファイアリザードと遭遇した。


紅莉「えっ、またファイアリザード!?」


玲奈「しかも、この道……さっき通ったわよね」


蒼紫は状況を整理しながら口を開く。

蒼紫「おそらく、倒したモンスターの像が示す線路に進まないと、次の階層へ進めない仕組みなんだろう」


玲奈「なるほど、そういうことね!」


紅莉「ということはー?」

蒼紫「……やり直しだ」

紅莉「えー!」


こうして蒼紫たちはもう一度モンスターを倒し、

ようやく第二層を突破した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ