第二十九話 オークオーバーロード襲来2
帝国騎士団全部隊騎士団長ゴール・アゲイン・アレキサンドラは前線に来ていた。
そこにはざっと500ぐらいのオーク達がいた。
見たところ300ぐらいは普通のオークだが、残りの奴らは上位種や超上位種や最高種などのオークセイバー、オークアーク、オークライトマター、オークアナザーナイト、そして後ろの方に一際巨大なオーラを放つ化け物がいた。
オークオーバーロード。
災害級の魔王となった種族。
オークの最終となる姿になる。
そのあまりにも強いパワーをもち、知能が高く、耐久も並じゃない、速度はオークとは思えないそんな化け物の中の化け物。
こんなやつ帝国騎士団騎士団長といえども相手したことがない。
ワイバーンぐらいなら10人でなんとかなるが、ドラゴンの場合100人ぐらいで相手しても五分かどうかわからないぐらいだ。
オークの魔王だ、こんな奴は想定外だ、とてもじゃないが今にも逃げ出したい。
だがここで食い止めないと、さらに帝都に被害が出る。
既に帝都には半分の500のオークが襲撃している。
残りの騎士団が街の防衛に入っているがどこまで持ちこたえられるか……
ゴールは部下30人余りにとオークの大群と対峙していた。
騎士団はここで死ぬつもりだ。
ゴールもこれほどの数を相手に勝てるとは思えないでいた。
だが、ここで誰かがやらねば帝都は陥落する。
だからやらないといけないのだ。
いくぞ! みんな!
帝国騎士団はオークどもに突撃していった。
オークを次々と倒していくが、次第に疲れがたまる。
そして一人で相手するのが大変な上位種が出てくる。
超上位種なんてもはや相手にならない。
そんな超上位種の一体オークバスターファイターが騎士団長に迫る。
それを食い止めたのは、Aランク冒険者のギランだった。
「ギラン殿! 『新装の血界』が来てくれたと言うことはなんとも心強い」
ギラン、リウラン、コタロー、フーカが前線に来た。ここに来るまで街のオークどもを何十体か倒してきたから来るのが遅れたのだ。
ギランはこの時、互角だったが、それでも分が悪いのはこちら側だった。
リウランが背後からオークバスターファイターに迫る、槍を持ち突進している。
コタローが刀を揮い、雑魚どもを片づけている。フーカが魔法を放ち、上位種を一掃している、そのままリーンの槍がオークバスターファイターの背中を貫いた。
続いて、ギランが剣を一閃して、オークバーサーカーを一撃で粉砕する。
そこでオークどもも気づいた、こいつらは人間の中でも強いほうだと、だから我らが出なければと、オークの中でも超上位種を上回る人間からすれば危険種と言われる、オークの中のオーク……オークアベンジャー、オークデストロイヤー、オークマスターの三体が前に出た。
オークアベンジャーはその名通り復讐者だ、人間どもに親や子供を殺されたたった一体の生き残りのオークが進化する形態だ。
何者にも負けない復讐心より磨かれた、猟奇的なほどまで強い相手を絶対倒そうとする知略、目が普通のオークと違い座っている点、必ずオークアベンジャーは人間を亡き者にしてくれるだろう。
オークデストロイヤーは殺戮者だ。
もちろん説明は不要だ。
オークマスターはオークの中の長老で、達人だ。
だがそんな危険種を前にした、新装の血界の連中は意外にも余裕があった。
ギランは奥の手がある。
それを使うのはオークオーバーロードを相手にする時まで取っておきたい。
だが、それをオークの危険種たちは許さない。
オークアベンジャーが超スピードでギランに迫る、そのまま手刀でギランを抉る。
ギランはあまりにも咄嗟のことなので躱すことができなかった。
ギランは深手を負う、そのまま倒れてしまう。
「ギラン!!」
リウランが叫ぶ。
そのままリウランはギランに近づく、超級回復薬をギランに使うためだ。
だが、オークアベンジャーがそれを許さなかった。
オークアベンジャーの手刀がリウランの鎧を貫通する。
リウランはそのまま地に膝をつく。
コタローはオークアベンジャーに神速のスピードで距離を詰める。
縮地による移動方法で、一瞬の間で距離を詰められる移動術だ。
コタローの刀がオークアベンジャーに揮われた。
しかしそれをオークアベンジャーは素手で受け止める。
そのまま刀を折る、そして手刀を喰らわせるコタローに、コタローはそのまま崩れ落ちる。
オークマスターの気功砲がフーカに命中した。
フーカはそのまま血を流して倒れた。
フーカは意識が朦朧としていたが、まだなんとか倒れるわけにはいかなかった。
最後の瞬間『破裂の大竜巻』を放ち、殆どのオークどもを殲滅して倒れた。
「まさか、新装の血界がやられるなんて……このままでは……どうすれば………………」
騎士団長のゴールはこの状況に完全に絶望していた。
そしてオークの群生が突撃をしてきた。
帝国騎士団は瀕死の新装の結界のメンバーを抱えて逃げ出そうとした。
そこで一人の少女が現れた。
「愚か者!! 敵から尻尾を巻いて逃げるなんて帝国騎士団として恥ずかしくないのか貴様ら!!」
そこにいたのは、エレノアだった。
彼女はサバリア帝国の公爵令嬢で、帝国騎士団の特別顧問でもある。
帝国の姫剣士、無敵の剣聖姫などの異名が彼女につけられているほど、彼女の実力は本人が考えるよりも高いようで。
エレノアは追い詰められると物凄い実力を発揮すると帝国騎士団の中でも常識だ。
一度騎士団員5人とエレノアで模擬戦をしてみたことがあるが、全く相手にならなかった。
エレノア1人に圧倒され、騎士団員5人は次々と打ちのめされた。
その後、10人で相手してみたが、少しも不利とならずに、騎士団は10人とも倒れた。
それだけエレノアのことを騎士団員はみな尊敬していた。
なのでこの時帝国騎士団は希望をほんの少し見出した。
「エレノア様が来てくれたぞ!!」
「これで何とかなるぞ!! やったー!!」
「お前ら落ち着け。エレノア様一人だと流石に分が悪いだろ流石に」
「そうだな我らも加勢しなくては」
しかしエレノアは冷たいが血の沸騰するかのような高圧的な眼で帝国騎士団達を見て、こう言った。
「お前たちは今すぐに援軍を呼んでくるのだ! 怪我人は貴族領に避難を開始しろ」
「はっ!!」
そうして帝国騎士団はみんな貴族領に避難を開始した。
ここでエレノアは腹を括る。
「さて……ここを一人で凌がなければいけないのか、まあじゃあ全力を出すか……」
エレノアから黄金色の闘気が漏れ出している。
そしてエレノアが黄金色に輝いている。
エレノアは本気を出すと、何故か体が黄金色に輝くのである。
本人もこの状態になると体の調子がとてもよく、思い通りに動けるし、力とか速さとか色々と上がるので、便利だと認識していた。
それでエレノアはこの状態を金双天衣と呼んでいた。
金双天衣はあまり長く持たない。
エレノアはオークどもに向かっていった。
「はあぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」
オークどもはエレノア一人に蹂躙されていった。




