第二十八話 オークオーバーロード襲来1
その日、冒険者ギルドは慌ただしかかった。
冒険者が集まらされて会議を開いている。
「それでは、オークオーバーロードが誕生したと?」
街の長が訪ねる。
それに答えるAランク冒険者ギラン・バーレンティアである。
ギランはこのサバリア帝国でも指折りの冒険者でワイバーンすら単騎で倒した実力がある。
幻獣のキマイラにはなんとか仲間4人と協力して倒したが、それでも実力はある。
「ああ、俺が確認したから確実だ、西のオークの巨大な集落で一際でかい力を見た」
「うん、私も見たから確実よ」
それに同調して答えたのは、ギランの仲間のBランク冒険者のリウラン・スラミルウェンだ。
金髪のロングヘアで美しい女性だ。
綺麗な瞳をしているので他の冒険者でも振り返るほどの美人だ。
「ギランは動じてなかったが俺は死ぬかと思ったぞあのオーラは魔物とは思えなかった……」
そう答えるのはギランの仲間コタロー・レセルンドアだ。
Cランク冒険者だが刀の扱いに長けた遥か東方のメイエンの侍だ。
正確には親がメイエン出身で、本人はサバリア帝国の生まれだが。
「そうだよね、あれはやばいよね~普通じゃないよねコタロー君」
ふわふわボイスのおっとり系のオレンジの髪の少女はギランの仲間のフーカ・アルティメスだ。
Bランク冒険者だが、光魔法が得意な魔法使いタイプだ。
回復魔法も使えるのでパーティのかなめである。
「しかしオークオーバーロードはまだ動きはないのだろう……ならばそれほど焦らなくてもよいのでは?」
ギルドマスターがそう言うが、みな落胆している。
「すいません、楽観的すぎますね……しかしこれだと帝国騎士団に助けを求めないといけないようですね」
「それならもう動いているらしいです」
「そうなのか!? それは心強いですね」
「では、僕たちはオークの集落を偵察ですねギルドマスター」
「ああ、今いる冒険者で君たちぐらいしか高ランクの冒険者はいないからね」
いや一人いたな、あの人ならなんとかなるか。
ギルドマスターはある一人の人物の顔を思い浮かべて、希望を見出していた。
その頃数基達はというと……
家でまったりとしていた。
「は~まったりするな~」
「そうね昨日からアニメばかり見ているし」
「数基殿次のアニメを見たいでござるですにゃ」
「そうよ早く見せなさいよ数基、次はどれよ」
メイが俺の後ろに張り付いて催促する。
「しかし幽霊ちゃんが仲間になるなんてね」
「私は幽霊ではないです。体の構成物質が魔粒子になっているだけで、一応人間です」
「でも壁とかすり抜けられるんでしょ?」
「まあできますね」
「じゃあ幽霊じゃない」
「違いますご飯も食べますし睡眠もとりますよ」
「変わった幽霊さんですね」
ダクミルさんが呟く。
一部屋がなんか狭いな。
まあみんな楽しんでいるからいいか。
さてもう時刻は午後の三時か……なんかやることないかな……
ちょっと冒険者ギルドに行ってみるか。
「じゃあ俺ちょっと冒険者ギルド行ってくるわついてきたい奴いるか? 依頼でも受けないと体が鈍って仕方ないからな」
「じゃあ私行きたい」
「拙者もでござる」
「じゃあ私も」
「もちろん私も一心同体よ」
結局全員一緒に行くことに。
まあいいかこういうのもいいか。
そして冒険者ギルドに着いた。
すると冒険者ギルドはもぬけの殻だった。
いや一人いた、シルヴィさんがいる。
「数基さん……よかった来てくれたのですね。大変なんです」
「何があったんだ?」
「オークオーバーロードが現れました」
「オークオーバーロード?」
「オークの絶対君主……いうなれば魔王です。とてつもない凶悪なモンスターです。S+++++ランクのモンスターです帝国騎士団も出動しました」
「帝国騎士団と言うのは帝国の軍だよな?」
「そうですね軍とも言いますね。総勢300名弱のエリート騎士団で、戦闘のスペシャリストしかいません。これなら大丈夫だと……いえやはり不安です」
「オークの集落はどちらに?」
その時だった誰かが冒険者ギルドに入ってきた。
「オークの群生が帝都まで押し寄せてきてます!! その数1000はあります!!」
「なんですって!?」
街に出る、すると各地で火が出ていた。
「うわあああああ!! オークが町の中にいるぞ!! みんな逃げろ!!」
「お母さんどこなの……どこ~」
「来るなーー!! 来るなーーーーー!!」
サバリア帝国帝都は動乱と、狂気に震えていた。
しかも火事場泥棒や盗賊などが暗躍していた。
このままでは被害が格段に出てしまう。
一方その頃帝都の西地区では……
オークの群生が所狭しと街の民を蹂躙していた。
剣や槍や斧などを持ったオークが民を襲う。
中には女性などはオークに犯されて、まわされて辱められていた。
オークに敵う一般人はいなかった。
オークを率いるオークジェネラルやオークナイトランサーやオークメイジが帝国民を殺していく。
しかしそこをなんとかして防ごうとする勢力があった。
帝国騎士団だ。
帝国騎士団は様子見でオークの集落を偵察に行っていたが、偵察に戻らないものがいたので危惧していた。
そして現実に悲劇が起きた。
帝都にオークの群生が襲来したのだ。
その数は1000をゆうに超える。
帝国騎士団第三遊撃隊隊長オルドネイス・リンガルナ・アーデルナイトは一人西の防衛を任されていた。
しかし彼の部下は次々とオークの上位種にやられていった。
だが、彼は諦めないでいた。
一人になっても、やられないそんな希望を捨てないでいた。
今もオークの上位種オークバーサーカーとオークウィザード、オークギカントソルジャーを相手にしていた。
オークバーサーカーが狂化して突撃してくる。
オークウィザードが炎の上級魔法を放ってくる。
オークギカントソルジャーが斧をブーメランのように投げ飛ばしてくる。
全てなんとか躱した。
だが、次も躱せるとは思えない、オルドネイスは死を覚悟するが、ここで私が引いては帝国の民をこれ以上被害を出すわけにはいかないと思っていた。
剣を構えて、盾を握り直す、そのままオークどもに突撃していった。
灰色の髪色の少女が母親と逸れて、一人路地裏に逃げ込む。
彼女の名前はマリン・ロンドネル。
年は10歳で泣き虫だ。
マリンは母親の心配をしていたが、なんとかして逃げないとと自分の状況を確認していた。
それとともに周りの人を見捨ててしまった罪悪感に今はどうしようもないと思いながら、逃げることしかあたまになかった。
「はぁはぁはぁ……ここまでくれば大丈夫だよね……?」
しかしマリンを狙う影があった。
「へっへっ嬢ちゃんこんなところに一人かい?」
「ひっ!? 誰??」
「なーにちょっとした隠れ盗賊だよ……まあこういう時だからこっそり美人なかわいい女の子をちょっとばかし味見しようと物色していたんだよね~へっへっ」
「やめてこないで……」
「いいじゃねえか俺がオークどもからお前を守ってやるからその代りに……やらせろよ」
「やだ、こないで変態!」
「いいからおら! おとなしくしろ!!」
盗賊の手がマリンに伸びる。
しかしその時に盗賊の背後から拳骨がとんでくる。
ドカ―――ン! 吹っ飛ぶ盗賊、そのまま伸びてしまう盗賊。
「へっ……あなたは?」
「大丈夫か嬢ちゃん……儂の工房の道具を持って逃げるので精いっぱいだってのに、めんどくさいなぁこりゃほらこい嬢ちゃん逃げるぞ」
謎の筋肉男がマリンを保護して、逃亡を図る。
帝都は動乱していた。




