第二十五話 ワイバーン退治の後処理
俺が冒険者ギルドに戻ると、冒険者ギルドの中は慌ただしいが、職員が普通に仕事をしていた。
そして一人の職員が大声で報告していた。
「ワイバーンの群れが消失してます!」
受付嬢たちが目を点にしていた。
そうです、倒したのは俺ですとは言えない。
流石に今回は報告するのはよした方がいいと思う。
オークの集落を壊滅させたり、レッドドラゴンの幼体を倒したときとはわけが違うのだ。
流石に群れ100体だと大騒ぎになるだろう。
でもこのワイバーンの素材はこのままボックスの肥やしにするのは惜しいな。
俺はシルフィさんがいたな。
あの人なら口は堅そうだと思う。
俺は俺が倒したことを伏せてくれるかを聞いてみることにした。
「シルフィさん」
「あらカズキさんもしかしてお戻りに? ワイバーンの群れが消失したんですって、よかったですね」
「いやその実はですね……あまり口外しないと言うのなら教えますけど」
「なんですか? みんなには黙っておきますから教えてくださいよ」
「実はその消えたワイバーンの群れ……倒しました全部俺一人で」
「………………カズキさん流石にそういう冗談はですねSランク冒険者になってから言うようにしてくださいね」
全然信じてないような眼で俺を見る。
「証拠ならありますよ。アイテムボックスにワイバーン100体ありますから」
「またまたそんなこと言って~」
俺はギルドのカウンターに1体だけワイバーンの死体を置く。
シルフィさんの眼が点になる。
他の人には気づかれないようにすぐにしまう。
「もういいです。やはりあなたは規格外のようですね。私の眼にくるいはなかったようですね。すみませんカズキさんギルドマスターの部屋に行ってもらえませんか?」
「どうしてですか?」
「流石にこの案件は私の胸の内にしまっておけるほど小さいものではありませんからね。だからギルドマスターに会って貰えますか?」
よくわからないがギルドマスターと言う人に会う必要があるみたいだ。
そう言えば会ったことないなそのギルドマスターと言う人には。
俺は二階にあるちょっとだけ立派な部屋に通された。
そこにギルドマスターがいた。
筋肉が張っている強面とかだろうと思っていたら、意外にも華奢な細い男がいた。
ギルドマスターは書類仕事をしているようで、忙しそうだ。
年はまあ結構いっているな……40ぐらいかな。
「ギルドマスターお話があります」
「なんだいシルフィ。今は冒険者ギルド連合の全体会議の書類作りに忙しいのだが。もしかしてワイバーンの件のこと? それなら消失したと報告を受けたからひとまず安心だと思うが」
「そのワイバーンの群れを全て一人で倒した人物がこちらのカズキさんです」
「なんだって? それは本当のことかい?」
そうして俺はギルドマスターと話をすることに。
「それで……本当に君が倒したのかカズキ君とやら」
「はいそうです」
「にわかには信じられないけどね。ワイバーンの群れを一人でね……もはやそれではAランク相当の実力があるとしか思えないね」
「そうなんですか?」
「うむ、個人でならAランク冒険者、4人ほどならBランク冒険者パーティぐらいで上位個体を除けば十分対処出来るレベルだね。上位個体や最上位個体を含むとなると、Aランク冒険者パーティでも難しくなるね」
「しかもカズキさんはまだ冒険者に成り立てで日が浅いにも関わらす、オークの集落の殲滅、レッドドラゴンの討伐、などの功績があります」
シルフィさんが会話に侵入してくる。
まあ仕方ないじゃないか、本当は俺軍人で戦闘経験あるとは言えないし。
「それではまずは彼をD、C……いやBランク冒険者に引き上げようかな」
「本気ですか? 英雄にして祭り上げるんですかねもしかして」
「いやこのくらいの功績なら本来ならAランクにしたいのはやまやまだが、とりあえずBランクとしたほうが具合がいいからですね」
そうして手続きが終わり、俺はBランク冒険者になった。
「それではカズキさんまたお越しください」
「ああ、またなシルフィさん」
「もう、私のことはシルフィと呼び捨てでも構いません」
「ああ、ならそう呼ばせてもらうぞシルフィ」
「ふふ、ありがとうございますカズキさん」
そして帰宅した。
今日はいろいろあったというほどではなかったが、まあ疲れたな。
俺もこれから何をするべきなのだろうかと考えるのだった。




