第二十四話 ワイバーン現る
俺は星くず亭を後にして、一旦修練の箱庭にある家に戻った。
するとみんないた。
時刻は午後三時くらいだ。
「カズキ遅いよ今まで何してたのよ」
「エリー実はな……」
エリーに今までの経緯を話した。
「そんなことが……」
「でもテル殿のお母さんは元気になったのですよね?」
「でも治療師ギルドがそんなことを許せないわね」
「まあ今はいいよそれより。宿屋の経営が悪化しているのは何とかできないだろうかと思う」
「あの辺は宿屋が多いからね。激戦区なのよ」
「拙者たちで泊るというのはどうでござろうか?」
「それじゃあ一過性のものにしかならないわよ」
「そうでござるか……」
ふにゃーんと落ち込むカナン。
俺はそんなカナンを撫でてやる。
「くすぐったいでござるカズキ殿」
とまあそんなことを話していたが、解決策は見当たらないまま、俺は今日の日銭を稼ぐために、冒険者ギルドに一人で行くことに。
カナンが言っていたように俺達が泊りに行くのはまあいいだろう。
そのためには金は入用だし、食材も必要になる。
冒険者ギルドにつくと、何やら慌ただしい雰囲気だった。
職員が色々な人に声をかけている。
しかし冒険者はみんな逃げるように冒険者ギルドを後にする。
するとシルフィさんがいたので声をかける。
「カズキさん! 緊急事態なんです」
「どうしたんだいったい?」
「ここから遥か北の魔族の大陸からワイバーンの群れがこちらに向かっているという情報が寄せられました」
「ワイバーン?」
「翼竜のことです。強さとしては個体だけならBランクの魔物ですが、それらが群れをなしてます」
俺は黙ってシルフィさんの話を聞く。
「しかも中には亜種で上位種のデビルワイバーンやバーストワイバーンにデストロイワイバーンに最上位種のオメガワイバーンまでいます。上位種はAランクの強さで、オメガワイバーンはS+++ランクの強さです」
聞くとプラスが多いSランクは桁違いの強さらしい。
そしてCランク以上の冒険者に召集をかけているが、なかなか人が集まらないそうだ。
4人組のBランク冒険者パーティの『稲妻の竜巻』だけが残ったとか。
他にもCランク程度の冒険者が5人だけいるが。
つまり9人足らずでワイバーンの群れを倒さないといけないわけだ。
俺久々に腕がなるとなった。
それじゃあ一人で行ってきますか。
「わかりました。それで他のメンバーは?」
「もう前線に行ってます。後一時間ほどでワイバーンの群れが到着します。受けてくれるんですかカズキさん?」
「もちろん。さくっとワイバーンの群れを倒してきますよ」
「気を付けてください。ワイバーンの群れは100体ぐらいだと報告を受けてます」
100体か余裕余裕。
俺は急ぎ足で前線に行くことにした。
遥か北の方角に俺はワイバーンの群れを見つけた。
魔力を眼に通してさながら千里眼のように視れる。
俺はそして浮遊術で空を飛ぶ。
念力で肉体を制御して、魔力で風を操る。
これにより時速200キロぐらいの速度で飛べる。
俺は北を目指した。
ワイバーンの群れをついに視認した。
確かに軽く100体はいる。
亜種の上位種のワイバーンは5体はいる。
そして最上位種のオメガワイバーンは1体だけだ。
さてとさくっと倒しますか。
俺は風の魔法を使用する。
ただの風刃だ。
群れに向けて切り裂く風の刃を揮う。
ワイバーンは次々と地面に落ちていく。
回収は後でいいだろう。
そして70体ぐらい倒したところで、ワイバーンのブレスが飛んでくる。
俺はそれをサイキックバリアで防ぐ。
意外と怖かったが、大丈夫だ。
そして残り24体ほど風刃で倒して、後は上位種と最上位種だけだ。
デビルワイバーンが暗黒の炎の塊を放ってくる。
俺はそれを躱す。
そして懐に潜り込み、風刃を放つが、躱される。
ならば、サイガソードを抜いて、接近戦に持ち込む。
斬る、デビルワイバーンは地面に落ちた。
バーストワイバーンがバースト砲を放つ。
俺はそれをサイキックバリアで防ぐ。
「極炎」
極大の炎をバーストワイバーンにぶつける。
燃え尽きて地面に落ちる。
デストロイワイバーンがデストロイバーンを放つ。
俺はなんとか攻撃を避ける。
「暗黒の雷」
何故か黒い雷撃にしたかった、厨二病です完全に。
デストロイワイバーンは黒こげになり、地上に落下する。
残りの二体も炎魔法と雷魔法で処理する。
さあ後はオメガワイバーンただ1体だけだ。
俺はオメガワイバーンに照準を移すと、オメガワイバーンが口を開いた。
「ニンゲンメヨクモワガドウホウヲヤッテクレタナ」
またしても人語を話す魔物か。
「お前たちがこちらに攻めてきたからな」
「ソウダニンゲンナドワレラノエサデシカナイノダ、ダカラダマッテシンデイレバヨイノニ……」
「そうは行くか!」
俺は魔法を放つが、オメガワイバーンの魔力障壁のようなもので防がれた。
ならば、接近戦で……速い! なかなか近づけないな。
停止化を使用するが、何故か効かない。
キルフレイムを使ってみたが、魔力障壁で防がれる。
神速をしようしたが、相手も神速を持っているので、五分だ。
しかしオメガワイバーンが俺に接近してきた。
カウンターの要領でサイコキネシスで動きを停滞させて、サイガソードで斬る。
オメガワイバーンの左翼が落ちる。
そして地上に落下した。
俺はそのまま重力を加えて、地面に押し付けた。
そのままサイガソードで胴体を刺した。
オメガワイバーンは息絶えた。
そして全てのワイバーンたちをテクノロジーボックスに収納した。
そして俺は冒険者ギルドに戻った。




