第12場 ジークフリートの決意
城を飛び出したジークフリートは
森の奥深くにあるロットバルトの城に来た。
「オデット姫」
護衛に見つかる事も厭わず大きな声でオデットを呼び続ける。
「深く…傷つけてしまった。
どのようにわびればいいのか。」
ふらふらと歩きながらオデットの名を呼び続ける
ジークフリート
アルべルトが心配そうに後を追う
いつしか王子は口ずさむ、
オデットと歌ったあの歌を
いつわることのない まことの愛
たとえ明日が 闇に閉ざされても
この手を離さない あなたと共に
白き月の下 交わしたこの誓い
いつしかオデットの声が重なる。
「ジークフリート様…」
ジークフリートの前にオデットが現れた。
その顔は涙で濡れている。
「オデット!赦してもらえるとは思っていない。
だが、直接会って伝えたかった。私の愛は今もあなたのものだ。その気持ちに嘘偽りはない」
「…わかっています。あれはロットバルトと
オディールの魔力によるもの。…ただあなたが他の娘を選んだと知った時、私の胸は張り裂けそうでした。
…ですがあなたは危険を顧みずこうして来てくださった。」
涙を流しながら、微笑むオデット
「微笑んでくれるのか?こんな私に?」
ジークフリートはオデットの顔をまっすぐに見つめ伝える。
「この愛を真実のものとする為にも、オデット…あなた方の呪いを解く為にも、私はこの命を賭してもロットバルトを倒す!!」
拳を握りしめ決意を伝える王子。
オデットは目を見開き、首を横に降る。
「…いいえ。この身は呪われたままでも、あなたが生きてさえいてくれれば…私は。」
「あなたが諦めても、私は諦めない。」
オデットの叫びを聞きながら
新たな誓いを胸にジークフリートは森の中に消えた。




