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誰がために神は在る?  作者: tatibana nozomu
2章 幸せとは何か?

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天国と地獄と楽園の違い

 天国と地獄は同じものである。テンゴクとジゴクは極である。つまり、両極端なのだ。規律が極まった世界が天国で、自由が極まった世界が地獄なのだ。さて、あなたはどちらに住みたいですか?


 まずは、聖書に書かれている天国の紹介だ。この世界では他人を害したり傷つけたり殺したり盗んだりすることは禁止されている。嫉妬、不安、羞恥、傲慢、強欲、虚勢、虚栄、嘘、恐怖、憤怒が禁止されている。これらは全て悪なのだ。争いの無い天国を維持するために、これらの感情は禁止される。

 全知全能唯一無二の神が頂点に君臨し、疑う事を許されず。背いた者は地獄に堕とし、神のいう事は全て正しく逆らう事が許されない世界だ。信徒は全てロボットの様に神の言う事を聞き、絶対に逆らわないし、嘘を言う事もない。

 そして、完全な神が作った完全な世界だから不幸な人間は居るはずが無く、不幸な人間も地獄に堕とされる。


 どんな事情が有ろうと神が違うと言えば地獄に堕ちる世界だ。


 全知全能で唯一無二の神が間違う事が無いので、その世界で悪とされる行いの全ては否定され、拒絶され裁かれる。人間は不完全な存在であるので、この世界で天国に存在できる人間は存在しなくなる。必ず失敗するからだ。

 よって天国とは全知全能唯一無二の神が創った完全な存在しか生存できないデストピアに成り下がる。結果、全知全能唯一無二の神は孤独になるのだ。天使ですら自分の劣化版なので完全ではなく堕天する。なぜだろう?天国のはずなのに地獄のようだ……。


 さて次は、地獄の紹介だ。この世界では全てが許される。なので、基本的に弱肉強食、弱い者は死ぬ。頭の悪い者も死ぬ。神、契約、法律、マナー、暗黙のルール、文化、嘘、詐欺、人権、そんなものは存在しない。


 強い者だけが勝つ世界。


 地獄には慈悲が無い。弱い者は一方的に搾取され一方的に殺される世界、そこで生き残るのは最強の一人だけ、弱者は存在できない。なんだろう地獄なのに天国の様に孤独な世界になってしまった……。


 という訳で、天国と地獄は全知全能唯一無二の神と悪魔の王が孤独に生きる世界に成ってしまった……。つまり、聖書の天国と地獄は同じ世界だったのだ。そんな世界で人間は生きる事なんて出来ない。なので、天国も地獄も目指してはいけないのだ。


 ちなみに、不滅の魂を持っていたと仮定した場合、霊界が天国と地獄しかなかった場合は、全知全能唯一無二の神以外は全員地獄に堕ちて永遠に苦しむ定めとなる。そんな救いのない世界は嫌だ。


 なので、最後に楽園を考える。楽園はラクエンであり円である。


 何も極まっていない世界、ルールや規律は有るが破っても許されて、自由は有るが、他人を傷付けたら自由が制限される。そんな緩い世界だ。さて、みなさん、そんな緩い世界をご存じでは無いですか?

 私は知っています。というかすでに居ます。そう、この世界こそが楽園だったのです。と言っても労働は有るし寿命も有るし病気も怪我もするし嫌な事もいっぱいある。


 この世界から何を引けば本当の楽園になると思いますか?


 嫌な事の全ては肉体が有るから発生しているのです。肉体を捨てれば本当の幸せな楽園に至れるのです。「という訳でみんな自殺しましょう」とはならない。精神体に戻って楽園で暮らすための条件が存在しているのだ。

 精神体はテレパシーでしか会話ができない。そして、テレパシーは精神汚染を引き起こす。楽園に存在できる精神体は、他人との会話を必要としない孤独を苦にしない精神性の持ち主か、同じ精神性を持つ者同士のコミュニティーでしか存在できない。


 つまり、死んだ後、どんな世界に所属するのかは自分の精神性によって決まるのだ。


 ちなみに、自分の価値観を他人に押し付ける者は霊界では嫌われる。精神汚染を撒き散らす病原菌の様な存在だからだ。なので、私の推測ではそういった者は力を封じるために肉体に拘束されると思っている。

 肉体が有るという事は強制的に輪廻転生させられるという事になる。つまり、私たちが居る世界は精神世界で迷惑な存在を閉じ込める檻でもあるのだ。なので、こんなにも嫌な人間で溢れている。

 とはいえ、囚人だけだと改心する事もなく争い続けるだろうから、教えを説くために高潔な魂も降りてきている。そう言った存在は霊能力が使えたりする。


 楽園に行くための第一条件は価値観を他人に押し付けない事だ。


 これが出来ないとそもそも精神世界に行けない。物質世界に閉じ込められ続ける。自殺だろうが他殺だろうが寿命だろうが事故死や病死だろうが、楽園に行くための条件を満たさない限り、苦痛の有る物質世界からは解放されないのだ。


 そして、もう一つの条件が自己矛盾が無い事だ。


 自己矛盾は精神汚染状態なのだ。違う価値観が自分の中に存在していること自体が異常である。自分は殺しても良いが他人に殺されるのは嫌だという状態は、精神世界では両方の価値観を他者に撒き散らすことになる。

 精神世界のコミュニティーは統一された価値観を持つ魂が集まって維持されている。異なった価値観を持つ者は、どちらのコミュニティーにも所属できないのだ。だから、ダブスタ、二律背反は嫌悪される。


 なので、楽園に行きたいのなら自己矛盾を無くして自分の価値観を誰にも押し付けない人間に成る事が必要となっている。


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