13:主役?何ソレおいしいの?
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その名前を聞いた途端、いきなりテーブルに突っ伏した俺に何事かと心配する皆の声が聞こえる。だが、既に俺の脳内は次の回避すべきフラグ、ガイ王子について考え出していた。
いや…落ち着け俺。
腹黒王子のカルロスやツンドラ1匹狼ランスだって、今はこうやって俺を心配してくれる超良い子じゃないか。
もしかしたら、あの不良っぷりからもかなりかけ離れた、めっちゃんこ良い子かもしれない!
そんな子なら、もし今の内から仲良くなっていれば、クリスの不良化を止める良い切っ掛けとなるだろう。
正直今のクリスにそんな様子は見えないが、若気の至りという可能性もある。
何が起爆剤となるのか、分かりはしないのだ。
未来のフラグ、その日のウチに!
そう考えた俺は、突っ伏していた顔をガバッと勢いよく上げると、それにビックリした様子のカルロスに構わず情報収集をする為口を開いた。
「や、やっぱカルロスって他の王子とも交流あるんだなぁ~。めっちゃビックリしたわー。」
「あ、あぁ。ゴメンね。そんなに驚くとは思わなかったから…」
驚いたのは、別の理由なんだが。
まぁそういう事にしといてくれ。
「ちなみに…その…ガイ王子とルーファス王子に会った切っ掛けって何だったんだ?」
「切っ掛けというか…この大陸で僕達王族は、セントラルで行われている顔合わせのような食事会に、半年に一度は必ず参加する事になっているんだ。」
「王族同士の食事会?」
「うーん、と何いうか、定期報告会とでも言うのかな?各国の情勢を世間話程度にし合うんだ。」
「世間話程度なのかよ…」
各国情勢を世間話ですませるのか。恐ろしいな、王族。
「流石に重要度の高い内容は、各国王や大臣達とまた別の席が用意されるからね。この食事会は本来各王族同士に謀反といった不穏な動きが無いか、互いに牽制するために行われ始めたのが切っ掛けらしいんだよ。」
「えー…なんか理由が不穏…」
「まぁ今では、ただの親戚の集まりみたいな感じになってるよ。表面上なるべく出席するようにとは言われるけど、中には理由つけて出席しない人も居たりするし…」
「…ボクも、今まで参加はしたことないよ…。そろそろ力のコントロールも安定してきたから、様子を見て10歳になってから参加しようって事になってる…」
まぁランスはそうだよなぁ…参加したら食事会氷付け必至だったろうし。
しかしなるほど、ランス以外の王子達が何で幼馴染なのか、そこは小説では説明がほとんど無かった。
俺が読んだ巻までだと、王子達全員険悪ムードだから昔話を積極的にしてくれるような雰囲気では無かったし、ヒロインにも『ただの腐れ縁』と口を揃えてそれ以上の情報は伝えられていなかった。
つまり、王族の食事会で3人は知り合ってたのか。
そういう小説の裏事情を知れるってのは、こうやって転生出来た特権だな。
「王族の血縁でも、結婚等の理由で籍から離れてしまったら参加しなくてもよくなったり、なんかあんまり拘束力も強い訳ではなさそうだしねぇ…」
カルロスは、肩を竦めながらも説明してくれる。
そういえば、サラは現土の国の王の妹君の娘だから王族の血縁だけど、その妹君はとある公爵家に嫁いでいるから籍は抜けている。
なるほど、その理由なら他の王子とも会う可能性もほぼ無いのか。
案外その食事会で、うっかりニアミスとかありそうって思ったんだけどな。
「あら…そんな集まりがあるんですね…大変そうですわ…」
「…アリス…他人事のように聞いているけど、お前も行くようになるかもしれないんだぞ…」
「あらクリス。それは無いと思いますわよ。だって私、嫁入り予定ありませんし…」
「そうだね。もし僕達がそうなるなら僕は婿入り希望だから、寧ろ今後参加しなくなる予定になるかなぁ…」
「ですわね、それに、私もそうなるとしても王族入りは遠慮したいですわ。王族になると義兄さまに簡単に会えなくなるかもしれませんし…」
「そうだね。それに、将来なんて分からないし、必ずそうなるとは限らないしねぇ。」
「ええ…そうなるとは限りませんわよね。」
カルロスとアリスは、互いに笑顔で会話している。
しかし気のせいか、2人が互いにフフフ…という笑うと共に辺りの気温が下がっていく気がした。
一瞬ランスの魔法かと思いそちらに視線を移したが、ランスはキョトンとした表情を浮かべながら2人の様子を見詰めていただけだった。
気のせいかとも考えたのだが、クリスの顔色もなんだか良くない気がするので、どうやら完全に気のせいではなさそうだ。
…こんなに良い陽気なのに、一体何がこんなにも寒気を起こしているのだろうか。
「まぁそんな訳で、結構小さい頃から他の国の王子王女達とは顔見知りなんだよ。けどランスは名前だけしか知らなかったから、初対面の時は本当に居たんだって驚いたなぁ。」
そんな空気を断ち切るように、カルロスは俺に顔を向けると明るい声色で話題を戻してきた。
「…ボクも、他の国の王子に会ったの、カルロスが初めてだったから…王子って紹介された時、ギルって何者?ってちょっと驚いた…」
「ハハッ僕もそれ思ったよ~。」
「それだけ義兄さまは凄いという事ですわね。」
「凄いというか…義兄さんは色々規格外だから…」
「「「あ~。」」」
俺以外の全員が、うんうんと同時に頷いた。
ハモんな。納得すんな。規格外ってなんだよ。大きさか?デブの事言ってんのか?やんのか?お?
というか俺だってなぁ、カルロスはアリスの婚約者だから置いておくとして、小説の王子2人と友人になるとか流石に予想外だわ。
更にこれから王子2人と会う事もな!
「とりあえず誕生日会にはその2人も呼んでみるからさ。けど本当に気負う事ないからね?良い子達だし…うん。むしろ、この場があの2人にも良い経験になればなっていうか…」
カルロスは話ながらも、 徐々に視線を泳がせていった。
何だその含みのある言い方は。
こっちはなるべくボジティブに考えようとしてたって言うのに、まるで何か奴らが問題を抱えているようじゃないか。
…え?これってフラグじゃないよな?
…それから約二ヶ月間。
カルロスP主催による、俺の誕生会の準備が着々と進められた。
父さんからの許可も貰い(当初王子主催と聞いた父さんは(∵)顔をしていた)誕生会を主催すると決めてからのカルロスは、この日まで様々な準備に追われているようだった。
その為会って遊ぶ回数は少し減ってしまったのだが、それでも会う度に物凄く爽やかな笑顔を浮かべていたので、俺は深く追求する事は止める事にした。
恐らく参加する為の子役選び等をしているのだろうが、友人の誕生会の準備にこれ程力を入れ楽しむなんて、カルロスは案外仕切り屋なんだなぁと関心した。
しかもそれに即発されたのかクリスとアリス、それにランスまで俺の誕生日プレゼント探しに力を入れ始めてしまい、主役である筈の俺は当日まで妙な疎外感を感じる羽目になってしまった。
というか、別にそんな重要行事でも何でもないのに、ただの誕生日会にこんなに手を入れられてしまうとは思わなかったので、何だか妙に申し訳なさが込み上げてくる。
簡単にOK出すんじゃなかった、と今さら後悔し始めていた。
そんなこんなで迎えた俺の誕生会は、カルロスの指示のもと我が家の飾り付けも行われ、何も知らない周りからすれば何事だと言わんばかりの状況になった。
…すいません、ただの俺の誕生会です…大したことじゃなくてすいません…。
妙にキラキラと楽しそうな周りに対して、俺は大きな身体の割には大分身を縮こませる事となった。
…あれ?今日俺の誕生会だよね?
「ギルはこっちだよー。主役なんだからしっかり身なり整えなきゃ。」
すると、目茶苦茶張り切っているカルロスに首根っこ掴まれながら、俺はそのまま引き摺られていく。
オイコラ、主役と思ってんなら引き摺るな。
「この日の為に、他の準備の合間に用意したんだー。気に入ってくれるといいんだけど…」
張り切るカルロスに衣装部屋まで連れていかれた俺は、このテンションの高い様子からどんな凄い衣装着せられるのかと心配していたが、特にキラキラ光る電球や大きな羽などが付いた某ラスボス的衣装…等ではなく、キチンとした礼服を着せられた。
藍色を基調としたその服は目立った派手さもなく、肌に触れる布の感覚も中々に着心地が良い。
「うん。やっぱりよく似合ってる。ギルの瞳の色と同じだったから、絶対よく似合うって思ったんだ。」
あー、そういや俺の目の色って今は藍色だったっけ。
前世の感覚が未だに抜けてないのか時々自分の容姿を忘れがちだ。
てか、似合うって言われても、藍色って基本的に万人に合う馴染みの色だと思うのって俺だけ?
だってスーツって大抵黒とかそういった色じゃん?日本人感覚だけどさ。
まぁこれはちょっと明るめの紺色って感じではあるが、この世界の感覚まだ良く分からんなぁ。
「生地からオーダーメイドしてもらっただけあって、質感もサイズもいい感じだし。うん、作って正解。」
「おい、作ったって、これ売ってたもんじゃねぇの?」
「フフフ…僕が用意した誕生日プレゼントだよ?僕が普通のものあげる訳ないでしょ?」
いや、普通でいいわ。どこに力入れてんだ。無駄遣いすんな。
「…でも、俺今ダイエット中だし、これから身長も伸びるだろうから、すぐ着れなくなるぞ?」
「いいんだよ。毎年あげるから。」
い ら ん わ 。
毎年オーダーメイドの服を友人にプレゼントするって、ブルジョワか。
あ、王族でしたね。失敬失敬。
てかどうした、今までプレゼントっていえば花束とかそういったものだったじゃないか。
いや、男に花束ってのもどうかとは思ってはいたが、いきなり服とかグレード上がりすぎじゃね?
ん?待て、もし本当に毎年服を贈られたら、服代として国民の税金が毎年ドブに捨られるようなものじゃないか?
やっぱり丁重にお断りするべきだ。
よし、国税の為にも心を鬼にしよう。
「いやー、毎年服とか…流石に申し訳ないから…」
「いいの、僕がプレゼントした服を着た、素敵なギルを見せてくれれば、僕は満足なんだから。」
然り気無く俺の頬に手を触れながら、とびきりの笑顔を俺に向けてくる。
うわ~…超☆王子。トップオブ王子。
俺の目にはカルロスの周りだけ、少女漫画で描写されるあのキラキラトーンが浮かんで見える。
これが王子のオーラってやつか、女はきっとイチコロだ。
後で控えてるウチのメイド達なんか、顔真っ赤にしてカルロスに熱い視線を送ってるようだ。
落ち着けメイド達よ。いくら美形の王子といえどまだ9歳の少年だ。犯罪だぞ。
しかし、友人にこんなに良くしてくれるなんて、カルロスは本当に良い奴なんだけど、やってること超バカだな~と俺は思わず微笑ましく思ってしまった。
案外、毎年あげるもの考えるの面倒なのかもしれないな、とまで考えついた。
これはまさかの、腹黒フラグか?
俺を上手く丸め込むつもりか?やるな、カルロス。
まぁ仕方ない、誕生会主催してくれたし、これ以上困らせるのも悪いな。
「うーん、じゃあありがたく貰っておくよ。ありがとう、カルロス。」
「ううん気にしないで。フフフ、おめでとう。ギル。」
俺にお祝いの言葉を告げてくるその表情からは、本当に満足そうな雰囲気を感じたので、俺はとりあえず笑みを浮かべるしかなかった。
まぁせっかく良い物を貰ったのだし、仕立屋に相談してちゃんと長持ちするようにしてもらおう。
いくら今は貴族の坊ちゃんでも、前世は完璧庶民なんでな。物は大事にするのだ。
だが、もし本当に毎年くれるつもりならやはり無駄遣いだと思うので、来年からは適度な物を前もって希望しようと思う。
これで風の国の税金は守られるハズだ。うん、俺天才。
「よし、ギルも男前になったし、早く会場に行こうよ。」
「おー。あ、ハンカチとか入れ直さねぇと。ちょっと待ってな。」
俺は着ていた服から小物類を入れ替えると、カルロスに促され一緒に会場へと急ぐのだった。
会場に入った俺は、その光景に思わず目を見開いた。
何席か用意されたお茶菓子のテーブルの周りには、派手さは無いものの良いドレスに身を包んだ少女達が何人か佇んでいた。
その中に、数人ほど少年の姿もチラホラ見えるが、どれも身なりを整え所作も違和感を感じさせないものだった。
えー…この子達ホントに一般の子?普通に良いとこの坊ちゃんお嬢にしか見えないんだけど…
俺が若干物怖じしていると、後ろからカルロスがこっそり耳打ちしてきた。
「こっちから話しかけない限りは適当に過ごすように言ってるから。今は気にしないで良いからね。」
「お、おぉ…」
成る程、それでこちらをチラチラは見るが、話しかけて来ないのか。
よく耳を済ませば、話してる内容は最近の遊びの話や、学校の話などをしているようだ。
貴族は、よっぽどの希望がない限り学校へは通わない、というか普通は家庭教師を付ける為、学校の話をするのは一般の子ぐらいだろう。
すると、俺達の後からクリス達も準備を済まして入り口からこちらにやって来た。
「義兄さん。改めてお誕生日おめでとうございます。」
「義兄さま、おめでとうございます。私達からのプレゼントですわ。」
「…ギル、おめでとう。これ、気に入れば良いけど…」
そう各々が告げながら、プレゼントを渡してくれる。
「ありがとう、えーっと、開けても良いか?」
「「「もちろん。」」」
笑顔で応える3人に、俺はなるべく高い物でない事を祈りながら開封した。
「おぉ…何これ?すっげーキレイ…」
まず一つ目の箱には、シルバーの鳥が二羽寄り添っているような装飾されたネックレスが入っていた。
その鳥の目にはどちらも翡翠色の石が嵌められており、なんだかクリスとアリスの様だと思った。
「何か2人みたいだな!この鳥、目も同じ色だし。」
「義兄さん、僕達の目の色よく誉めてくれるから…」
「私達が、これからもずっと義兄さまのお側に居られるようにと、願いをこめてますの。」
クリスは照れながら、アリスは頬を染めながらも満面の笑みで語ってくれた。
「ギル…送り主の纏う色を贈るのは…この国では相手への守護を祈る御守りなんだよ。」
ランスがそう説明すると、2人は焦った様にランスに詰め寄った。
当のランスは、キョトンとした様子で2人を見ていた。
「へぇーそうなのか!ありがとな、2人供!」
俺が礼を告げると、2人は照れながらお互いに顔を合わせていた。
そして俺は次に、ランスがくれた物を開封する。
その中にはガラスのように透明な、けれど光に当てると表面が僅かにキラキラと光る腕輪が入っていた。
「これもキレイだなー…ん?この色合い…それに、これって魔力…?」
「…さすがギル、だね。これ、ボクの魔力を込めて作った、バングルだよ。」
どこかで見た色だと思ったら、そういえば初めてランスと協調魔法を使った際に生まれたあの花と同じ色をしていた。
「ギル…よく無茶するから…何かあったら、そのバングルがギルを守ってくれるように、頑張って作った…」
照れた様子で告げるランスの言葉に、俺は嬉しさを感じながらも思わず気まずくなる。
「ご心配お掛けしてすいませんね…でも、よくこんなに凄そうなの作れたな?」
ランスは力を封印で抑えているが、感情発動型なのでやはり魔力のコントロールは普通より難しい筈だ。
「…城の魔術師に手伝って貰った…何回も爆発して…形になるまで、時間かかった…」
「爆発って、え?爆ぜたの?バングルが?」
「…魔力を小さくまとめるの…すごく集中力いるから、気を抜くと…せっかくまとめた魔力が、パンッって爆発するんだ…」
「危ないのランスじゃんっ!怪我するような事止めなさい!」
「自分の魔力では、怪我しない…その代わり、魔術訓練室が…摩擦で焦げた…」
焦げたのか。
高速で水が爆ぜると、床は焦げるのか。
王属魔術師さん、お疲れ様です。
「そうか…でもキレイなバングルありがとう。効果は、使ってからのお楽しみにするわ。」
「ん…」
ランスは頬を染めながら、嬉しそうに微笑んだ。
そんなランスを改めて見るが、本当に怪我は無さそうでホッとした。
確かに、この世界では自分の魔力で自分の身体を傷つける事は出来ない。
ランスの溢れていた魔力で自分自身が凍らなかったように、魔法で火を出しても本人は触っても火傷しないし、土のゴーレムは過って当たりそうになる前に止まるか崩れる。
風で自分を浮かす事は出来ても、カマイタチみたいな攻撃魔法で自分が切れる事はない。
なんとも安全性の高い魔法の世界である。
だが、他人には当てはまらないので普通に喰らう。
なので皆さん、攻撃魔法を使うときには注意が必要なんですよ。
周りに人がいない事を確認してから、魔法を使いましょう。
俺は、アリスの訓練中に気付かず立ち入ってしまい、危うく上半身と下半身が真っ二つ案件でした。
ブリッジが俺を救った。
「そういえば、カルロス様がお呼びした王子様達は来てないんですか?」
クリスは辺りをキョロキョロと見渡しながら問いかける。
因みにクリスとアリスは、何故かカルロスやランスに対しては敬語を使うのだが、理由として「やっぱり王族に気軽には話しかけづらい」らしい。
…なんか俺が無神経みたいじゃないか。
いいんだ、本人達から許可出てるし。
「うーん、何か乗り気じゃ無かったみたいだしねぇ…少し遅れるとは聞いたけど…」
「乗り気じゃ無いって…そんな王子を呼ぶとか、本当に大丈夫なのかよ…」
そんな状態の王子に、俺が失礼働いたらヤバくね?と心配したのだが、カルロスは特に気にした様子もなく軽く応えた。
「いや、ガイもルーファスも、あんまり積極的に人と仲良くするタイプじゃなくてさ。けど、僕がギルの事をよく話題にしてたら、ガイの方から『そいつに会わせろ!』って言い出して…ガイが他人に興味を持つなんてなんか珍しいなって。」
え?その様子だと、なんかあんまり俺の事好意的に見てなくない?
むしろ小説のガイを知ってる身からすると、確実にケンカ売られる気がするんだけど。
「ガイが『もし行くならルーファスも付いて来い!』って事で、ルーファスも誘う事になったんだけど…ルーファスってちょっと人見知りぎみだから、優しく声かけてあげてね。」
カルロスの説明に、俺は少々驚いた。
ルーファスが人見知りするというのは初耳だったからだ。
小説では、真面目かつ超紳士的にサラに接していたのに。
人見知りというより、礼儀正しさと優しい態度の中にどこか食えない雰囲気を漂わせる印象だった気がする。
というかその話が本当だとすると、今のルーファスってガイの子分というか舎弟みたいな立ち位置なんじゃないかと思えた。
小説では学園に入学し、サラと会ってから再び関わるようになった2人は、不良であるガイを真面目なルーファスが嗜めるという、まさに不良と委員長のような関係性だった筈だ。
幼馴染の2人が、そんな仲違いするようになったのは、『ルーファス誘拐事件』が関係しているのだが、まだ事件が起きていなかった以前の2人はこんな関係性だったのだろうか。
と、そこまで考えた所で、カルロスが俺の手を引き現実に戻された。
「とりあえず、プレゼントも渡した事だし、ギルの練習が目的なんだから早く『挨拶周り』しようよ。」
「うー…やっぱやりますか…」
プレゼントが嬉しくて、思わず考えないようにしていたが、やはり練習とやらは逃げられはしないようだ。
俺は、とりあえず先程の事は後回しにして、襟を正すとカルロスに連れられながら『挨拶周り』を始めるのだった。
毎度の遅筆申し訳ありません((^^;)
希望としては、新年開ける前には2人の王子を出してあげたいと思います。




