2 主人公視点3
「と、まぁここまでが”リリアがまだ探索者にならない方が良い”理由かな?」
おや、他にもあるんだね、理由。なんだろ・・・思いつかないな。
「ここからは”急いで探索者になる必要が無い”理由。これもいくつかあるよ。
まずは、そうだなぁ。探索者に必須技能で見習いとして一番最初に教わって、才能無い場合は年単位の時間がかかる技能って何かわかるでしょ?」
「肉体活性か、体内マナの纏化あたり?」
「なんだ、分かってるじゃない。リリアって結構前に習得済みでしょ?その2つ。」
この2つの技法を習得していなければ、レベルが上がろうと様々な恩恵が受けられず、意味が無いとまで言われる基本技能なんだけど、才能無ければ習得に年単位の時間がかかることがある。早ければ1月程で十分だが。体内のマナを活用する技能だ。
肉体活性。 文字道理、身体能力の向上や耐毒性強化などの効果がある。こっちの効果はレベルアップの恩恵が分かりやすく表れる。
マナの纏化。 攻撃を防ぐ等といった機能を持つ薄い膜というかフィールドを全身に展開する技能で、攻撃を受けるたび耐久値が下がっていく。分かりやすく言うと、ゲームのHPかな。ただし、局所的に攻撃が集中すると肉体に攻撃が届いてしまうので、防具は必須だ。
そして、当然の如くリリアちゃんは習得済みであり、それどころかより上位の技能すら・・・
「必須技能の習得を終わってるなら、急ぐ必要は無いでしょ?親が探索者なら子どもに教えることが出来ないわけじゃないけど、親から教わるのとギルドの人から教わるのとじゃ、受ける子どもの側の気合が違うみたいで、見習いになる前に習得してる子なんてわずからしいわよ?」
「そんなに少ないんだ?」
「まぁ、私も受付の姐さんに聞いた話だし、確認はしてないけどね。」
ああ、あの人から・・・ベテラ、、、、、、うん、これ以上は何か考えてはいけない気がする。
「あと、急がなくていい理由は、単純にお金の問題。義姉さんの今の状況考えれば、リリアの出立費用くらい軽く賄えるし、あんたも色々やるでしょ?装備とかさ」
「当然。」
「探索者で一番かかる経費が装備費用なの。特に防具は自分に合った物じゃないといけないから、ある程度は調整できるとしても、やっぱりお金はかかるの。でも、逆にそこを無視できるなら必要経費はぐっと下がるの。・・・ここ数年はさ、この村で作られるようになったアレもあるからね・・・」
アレ・・・?
「???何???」
「ほら、魔導装飾の一部だけど解析出来たおかげで、ただの服が革の軽装鎧くらいの強度になったりしてるじゃない。そうするとさ、最初期は鎧とか要らなくなるのよ。」
ああ、以前あの防汚とか耐久性向上とかの機能付けて広めようとしたやつですね。
上手く行き過ぎて、この村の特産品?になりましたw
さすがに、リリアちゃんの服ほどの機能はありませんが・・・それにしても教えたモノはそこまで強度は無かったと思ったけど、やっぱり人間侮れませんね。短期間に強化してきました。・・・魔改造レベルでは無いようですけど。
「ま、お金の心配は無用ってことね。で、次に友達・仲間・パーティーメンバーの問題かな。」
うん、リリアちゃんの友だちが登録したっていうことで、また騒ぎ出したんだし、結構中心になる問題かな?
「まず、この村はマナ泉のあったおかげでギルドの出張所があるけど、無い村もあるの。近隣の村って言ってもそこそこ距離あるし、一々帰ってられないから大体この村か領都に住むわ。」
まぁ、そうなるだろうね。
「でも、見習いって報酬額は子どものお小遣い程度よ?じゃあ生活どうするか?そこで、同じ村の友だちと一緒に共同生活よ。まぁ、そのままパーティー組むことも多いみたいね。私たちもそうだったし。でも、同じ依頼を一緒に受けることは無いわ。別々の仕事を受ければその分お金も入ってくるしね。」
うん、その辺りマルグリアさんから聞いてます。
「それで、リリアの場合を考えるとこの村のギルドで登録して義姉さんと一緒に暮らすわよね?たぶんその友だちの子も同じ感じになるわ。生活環境変わらない上、拘束される時間はお互い違うから・・・全く会えないなんてことはないでしょうけどね。」
「つまり、リリアちゃんも登録した方が、さらに一緒に遊んだり、行動しにくくなる?」
「そういうこと」
うん、これ伝えれば少なくとも今回は大人しくなってくれるかな?
「あと、蛇足かな?この村で簡単な、見習いでもできるレベルの依頼って何だと思う?」
はて?なんだろ? 「村のなかの掃除・・・・?」
「残念。薬草摘みとマナ水回収よ。あとは畑関係。」
「それって・・・」
「そっ、大抵義姉さんが依頼人。畑関係は村の皆さんだけどね。この村で常時確実に依頼出してるのは義姉さんぐらいかしら? リリアにしてみれば、いつものお手伝い&お駄賃ね。違いはお金を直接渡してくれる人と、ギルド実績の有無くらい?」
つまり、いままでと変わらぬ日常と・・・
「もしかしたら、あの娘も探索者になれば何か変わるって考えてるかもしれないけどね。少なくともこの村に居るうちは変わらないかな?あんたが余計なことしなければね。
それじゃ、義姉さんに用があるから。」
おおぅ、ぶっとい釘さされちまった。と、反応してる間にそう言ってカイナさんは家の中に入っていきましたよ。まだケンカ続いてるっぽいんだけど・・・




