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拘束
我は海の魔王。
勇者に倒されたあとどうやら陸に転生してきたようである。
そこまではなんとなく理解したが、今はそれどころではない。
我は今、陸の重力に晒され、息をするので精一杯なのである。
なのに。
陸の大きなる生き物は我を何かで包むのだ!
……重い!!
息をするのも精一杯なのに、腹に何かを乗せるんじゃない!
これは何だ、海藻か? 深海クラゲかメンダコか? 奴ら、前世でもよく海流に流されてきて我に絡まっていたものだが、地上では重いのだ、纏わりつくな、どけ!
くう、触手が動かせぬ。ただでさえ動かしにくいのに、絡みつく海藻のせいで余計に動かぬ。
「ウゴウゴしてるー、かわいいー」
「初肌着、気持ち悪いのかなぁ」
「初めての感触だろうしねえ」
「それにしてもかわいいわー」
ふしゃふしゃとうるさい!
待っておれ、いつか必ず貴様らを平伏させてみせようぞ。
「なんか難しい顔してるー」
「偉そうだねぇ、大物になるかな」
いいからまずはコレを取らんか。この……コレ……。
……重……。……疲れた……寝る。
* * *
息をするのも精一杯の生まれたての赤子、布一枚すら重そう。そしてただひたすら寝てる。可愛い。がんばれ。




