表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の者の罪  作者: やきとり
一章 未知の言
4/9

四話 幕開け








「いや〜見苦しいとこ見せちまったな〜」




股間に大きい腫れがあるけど、大丈夫なのだろうか。





「…それで、貴方は誰?」



さっきまでは何か着ていると思ってたけど、近くで見ると、この白い肌は地肌…もしかしてこの人も…


「俺はクロイジア。見ての通り魔人さ。趣味は釣り。っても、ここじゃあ何もできねぇけどな〜」






…この機会に聞いておこうか


「ねぇシャクヤ、魔人って結局なんなの?」


「おいおい〜嬢ちゃん!そんなんも知らんってのはーーー」


「うっさい」


「あだ!」


シャクヤの拳骨がクロイジアの頭に入った。





さっきよりもタンコブがでかい。


痛そう。





「…魔人とは何か…ソレを語るには、『天恵』の説明がいるが…まぁ…アンタはどうせ知らないだろうから、このサイ一緒に教えとくよ」



「まず、天恵ってのは、コノ世の中の全てのモノに存在する力だ」


「力…?」


「説明が難しいんだが……オレたちの体には血液が樹幹してるだろ?血液がなかったらオレらは今頃、干しガキになっちまう。ようは、天恵はその上位互換。生命維持には必要不可欠だし、強靭な武器としても使える。岩を割るのも、空を飛ぶのも可能だ」


「…それは誰でも出来るの?」


「一定以上の強者じゃないとムリだろう。さっき、天恵は血液みたいなモノっていっただろ?オレ達が、全身の血液を知覚し、操作するのは到底ムリ。それと同じで、天恵もあやふやなモノなんだよ。天恵は血液とは違って、他者や自分の天恵を知覚は出来るが、操作は難しい。言ってしまえば力加減が難しいんだよ」



「ふーん…」







「そして、その人の基礎的な身体能力は、その人の最大天恵量に依存する。ですよね?」



この声はーーー



「エルス!もう起きて大丈夫?」


「はい!ティア様が近くにいてくれたお陰です!」


「…よかった、無事で」


見た感じ、傷はもう完全に塞がってるみたい。




横を見ると、一瞬シャクヤが眉を顰めたように見えた。


「…アンタに聞きたいことは山ほどあるが、まぁイマはいい。」


「話の続きだ。さっきエルスが言った通り、身体能力は天恵量に依存する。天恵量が多いほど、力は上がるし、体力も増える。逆に言えば、天恵量が少なくなった時、それは生命維持に関わるということだ」


「そして魔人という存在…それは人外の天恵が、ある一定量に達したときに起こる。体が限りなく人間に近くなり、知能も上がる。これを『人化』と呼ぶ。そうなった存在が魔人だ」


「…エルスも元は狼だったの?」


「いえ、人化はあくまでも種族単位で行われるものです。なので、本質的には生物の進化となんら変わりません。……エルスの祖先様は、狼だったかも知れませんが」





「まぁ…今すぐ覚えておく必要はナイけど、この世界で生きていくなら、まず知っておく常識だな」









「なんだか盛り上がってるなァ」


「…なんともまぁ馴れ馴れしく接してるじゃないか」





「…ッ」


「…ティア様、後ろに」



この2人は、さっきの…




「お〜す、皆々様〜男が少なくて味気なかったから連れて来たぜぃ〜」




クロイジア…いつの間に




「はぁ…クロイジア、その2人は連れてくるな。メンドクサクなる」



「いいじゃねぇ〜か、シャクヤ、お前〜ガールズに何かしたいってぼやいてたじゃねぇ〜か。俺にもなにか出来ねぇかな〜って思って2人を呼んだってわけよ」




「まァそういうこったァ…俺らも多少は申し訳なく思ってるからさァ…ちと考えたんだよォ」


「…紫坊主、1つ頼み事がある」



シャクヤが居心地悪そうに、頭を掻く。



「んだよ、バンじぃ」



「2人を、儂等の隊に加えんか?」





「…話になんねぇ、オレらが迷惑かけた相手を隊に加えろだと?…ふざけてんのか?」






「…っ」


シャクヤから、強い強い圧を感じた。


「…人手は多い方が良いだろう」


「理由になってねぇ、今すぐにでも詫びして、街に返すべきだろうが」



シャクヤがバンじぃ、と呼んだ人が立ち上がる。


「なら問おう…今現在、儂等がいるのはオルト大砂漠の中央部。数々の強力な魔物が跋扈する魔境だ。そんな中で、此奴らを街に返す?その方がふざけてはいないのか?」


「…あぁ゛?」


シャクヤがバンじぃの目の前に近づく。


「…いつも言っておるだろう。いい加減、無駄な正義を語ろうとするのはやめろ、と。その心はいずれ、多くの人を滅す」


「オマエがソレを言うのか?最初に、2人を襲ったのはテメェらじゃねぇか!どの立場でモノを言ってだ!」



「…誰のおかげで、こんな悠長な会話を、この魔境で出来ていると思っておる…儂の力のお陰だろう?お前こそどの立場でものを言っておるのだ」


「…チ」




「…もし、此奴らが普通の少女だったら、儂もこんなことは言わんよ。ただ、此奴らは普通の人間ではない。片方は魔人の中でも、屈指の実力を持つ黒狼種。そして、片方は…未種の魔人」


「儂らが最初に此奴らを襲ったのは、漠然とした『恐れ』を感じたからだ」





「…これらを踏まえてもう一度聞く。此奴らを儂等の隊に加えんか?」



「…分かったよ、入れればいいんだろ入れれば」





「あ〜あ、シャクヤ拗ねちゃったじゃねぇ〜か。じいちゃん〜もう少し言い方ってもんが…」


「…最初にこれを持ち掛けたのはお前だろうが…白坊主」




「バラすんじゃねぇ〜俺はこうした方が面白くなるって思っただけだし〜」











「誰が一番悪かったんでしょうか…」


「…全員じゃない?」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ