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[現代語訳]夢酔独言  作者: 雪邑基
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四ヶ月ぶりの帰宅

 自宅を周辺をうろつくこと三日、こうしていても仕方がないので、朝早く起きて家に帰った。

「小吉が帰った!」

 そう言って家中が大騒ぎしていたが、おれは気にせず部屋に入って寝た。十日ばかりは寝通しだった。


 おれがいない間、家では加持祈祷など色々したらしい。従姉妹の恵山という比丘(注1)などは、上方まで尋ねて登ったと話してくれた。


 それから医者がやって来て、「腰下に、何かおかしい所があるんじゃないか?」と色々と言ってきた。

 その時はまだ金玉が痛んでいたが、強情に「ない!」と隠してしまった。

 三月ばかり時が立つと、湿瘡(注2)が出てきて、段々と大層なものになった。まともに立つこともできなくなって、二年ばかりは外へも行かずに、家住まいをしたよ。


 親父はおれが帰ったことを、おれの頭である石川右近将監に伝えた。

「いかにも恐れ入る事故を起こしてしまいました。小吉は隠居させ、他からまた養子を貰うべきでしょう」

「それには及ばぬ。今月帰らなければ月切れ(注3)でお家断絶だったが、まずまず帰ってきて目出度い。歳を取れば改心もするだろうし、そうなればお役にもつける。よくよく手当てしてやるがいい」

 親父は厳しく意見具申したが、頭は寛大な言葉をかけてくれた。それで一同安心できた、とみんなが話していた。


【注釈】

注1 … 尼僧のこと。

注2 … 皮膚疾患の症状。

注3 … 質屋や借金などの期限が過ぎること。


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