【第3話 覚醒の反動で三歳児になった俺を、仲間が甘やかしてきます】
訓練を続けて数日。
俺とミナは森で、黒い牙を持つ巨大な狼と遭遇した。
以前の狼とは明らかに違う。
ミナが剣を構える。
「レン、下がって!」
しかし狼はミナへ飛びかかった。
俺は迷わず覚醒を使った。
「ミナに手を出すな!」
身体が熱くなる。
魔力が溢れる。
俺は狼を地面に叩きつけ、最後の一撃で倒した。
だが、力が切れると同時に幼児化が始まった。
「……う?」
さっきまでの戦いが遠くなる。
ミナの顔を見ても、どうしてここにいるのか、うまく理解できない。
「レン? 大丈夫?」
知らない場所。
怖い。
大きな音。
俺は泣きながらミナにしがみついた。
「いやあああ! こわい!」
「大丈夫、大丈夫。もう敵はいないわ」
ミナは俺を抱き上げ、優しく背中を撫でた。
「よく頑張ったわね」
その声を聞いていると、少しずつ安心できた。
俺は彼女の肩に顔を埋めた。
「……いかないで」
「行かないわ。ここにいるから」
その約束を聞き、俺は眠ってしまった。
翌朝、元の姿に戻った俺は、ミナから昨日の様子を聞かされた。
「……俺、そんなこと言ったの?」
「ええ。かわいかったわよ」
「忘れてくれ!」
「記録に残しておこうかしら」
「やめろ!」
ミナは笑った。
そして、少し真面目な顔になった。
「レン。あなたは強いけれど、いつも一人で頑張らなくていいのよ」
その言葉は、俺の心に残った。
俺は強くなりたい。
誰かを守れる人間になりたい。
でも、誰かに助けられることも、悪いことではないのかもしれない。
戦闘描写は最後のおまけで描きます




