【第2話 美少女冒険者が俺の保護者になろうとしています】
目を覚ますと、俺は宿屋のベッドにいた。
隣にはミナが座っている。
「おはよう、レン」
「……昨日のこと、覚えてる?」
「もちろん。森で狼を倒したあと、赤ちゃんになって泣いていたわね」
「忘れてくれええええ!」
ミナは楽しそうに笑った。
俺は女神からもらった能力について説明した。一日一回、圧倒的な力を得られる代わりに、身体と精神が幼児化する。
ミナは真剣に聞いてくれた。
「危険な能力ね」
「だろ? できれば使いたくない」
「でも、あなたは昨日、私が知らない女の子を助けたのよね」
「……まあ」
「それなら、使うかどうかはあなたが決めればいい。私は、あなたがどんな姿になっても、あなた自身を否定しないわ」
その言葉に、少しだけ救われた。
とはいえ、いつまでも彼女に世話になるわけにはいかない。
俺は冒険者になることを決めた。
登録したランクはF。
最下位だった。
「最強のスキル持ちなのにFランクか……」
「実力を証明していないから当然よ」
「正論が痛い!」
最初の依頼は薬草採取だった。
二十本集めて報酬は銅貨十枚。
異世界生活は甘くない。
薬草と雑草を間違え、毒草を拾いかけ、ミナに何度も注意された。
その途中でゴブリンに遭遇した。
俺は覚醒を使わず、短剣だけで戦った。
何度も攻撃をかわし、最後はゴブリンの足を払って追い払う。
勝った。
小さな勝利だった。
だが、自分の力で勝てたことが嬉しかった。
「やった……!」
「おめでとう、レン」
ミナが笑う。
俺も笑った。
覚醒がなくても、少しずつ強くなれる。
そう信じ始めた一日だった。
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