讃良は恵方巻を食べない
今日は節分、只それだけです
最初に謝っておきます
恵方巻については本当に諸説あります
そして私も食べますm(_ _)m
ポンッ、ポンと花火の音がするなか、ご機嫌で家路についている黒崎讃良に月見里千尋は後ろから声をかけた。 何時もの長閑な下校風景である。
「讃良、何で今日はそんなに急いで帰るの?」
「やぁちーちゃん、あの花火の音が聞こえないの? 節分祭に来いって神様が呼んでるじゃない」
声をかけられた讃良は立ち止まって振り向きコテン、と首を傾げる。
今日は節分なので近くの神社で豆撒きがあり、時間毎に花火で合図があるのだ。
「豆撒きねぇ、私は今年は行かないな。 もうすぐ受験だから、人混みでインフルとか貰ったら大変だしね。 まぁ讃良は昨日都立高校の推薦入試の合格発表があったから大丈夫だよね」
帰宅を急いでいる讃良に併せて何時もよりも早足で歩きながら二人は話を続けている。
「今日の節分祭の豆撒き18時からの回はお祖母ちゃんの大好きなスーパーアイドルグループなのよ。 だから一緒に行くんだ」
「讃良のお祖母様ってアイドル何かに興味あったっけ?」
讃良の祖母は合気道の師範だけあってキリリとした雰囲気なので、アイドルグループが大好きと言われて千尋はピンとこなかった。
「アイドルっていってもスーパー銭湯の方だヨん」
千尋の頭に背の高い4人の(中学生にとっては)おじ様がの姿が浮かんだ。
「あぁ我が市の親善大使だもんね、応援しているとか以前仰ってたわね」
「そうなのよ、だから急いで帰ってお八つ食べて晩ご飯の支度をして出掛けなきゃなのよ」
晩ご飯の支度と聞いて千尋は黒崎家は恵方巻を買うのか作るのか気になった。
「晩ご飯は恵方巻だよね、讃良が作るの? 神社に行くのなら帰りに買って帰ればいいんじゃないの」
千尋の言葉に讃良の鼻は少し膨らんだが、急いでいるので足は止めなかった。
「ちーちゃん、恵方巻は関西の習慣だよ。 諸説あるけど、関西の花街で遊女に男性器に見立てた巻き寿司を咥えさせたって云う説もあるから我が家では食べない事になっているのよ」
中学生女子、しかも見た目だけは美少女の口から『男性器』という言葉が出たのも衝撃的だが、千尋の家では毎年恵方を向いて家族揃って黙々と食べていたので諸説あるとは言え、結構ショックだった。
「え~、そんな話を聞いたら今夜どんな顔をして食べたらいいのよ…、、ってなっているって何なの?」
讃良は急いでいる足を止めて悪戯っぽく微笑って答えた。
「お母さんにばれなきゃいいのよ。 お八つは玉子焼き器を使って、小さいロールケーキ焼いて恵方を向いて食べるんだ」
結局食べるんじゃないか!と千尋は思ったが、玉子焼き器を使ってロールケーキを焼くと言う讃良の発想に感心した。
18時に間に合わなかった
。・゜゜(ノД`)




