表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚された少女は何もしたくない。  作者: シルクティー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

聖女の役割

「ところで、ずっと気になっていたんですけど、なぜ私たちは召喚されたのでしょうか。」


これ以上は、気になりすぎて無理だ。


今の所、面倒ごとの話は一切されていない。だが、いつかは必ず直面する問題のはず。


「それは、私から説明させていただこう。」


皇帝陛下から聞かされた話は、やっぱり面倒ごとだった。


今この帝国は、瘴気という環境に害をなす空気が溢れ出しているらしい。

動物が瘴気に侵されれば、魔物と化し、森に瘴気が発生すれば、森は枯れゆく一途を辿る。今までは、なんとか魔物討伐や光魔法で食い止めていたものの、瘴気の発生量が増え始め、手に負えなくなり、伝承に倣い、聖女召喚の儀を執り行ったらしい。


そして、召喚されたのが、私たち、三人というわけだ。


聖女には、魔物を退け、瘴気を消し去る力があるとされている。


しかし、想定外だったのは、三人も召喚されてしまったことだ。


本来、聖女召喚の儀で召喚される聖女は一人だけのはず。なのになぜか三人も召喚されてしまった。

複数人が同時に召喚された前例はなく、この中の一人が聖女なのか、はたまた、全員に聖女の素質があるのかはわからないが、召喚されたということは、何かしらの理由があるのだろうと国としては考えているらしい。


(全力で辞退させていただきたい。)


ブラック企業から解放されたのはいいが、こんな面倒ごとには首を突っ込みたくないのが、遥の本心だった。


「聖女の皆様には、まず、魔法の操作を学んでいただきたく、もしよろしければ、来週から、教師をつける。」


「私たちでも、魔法が使えるんですか?」


よその世界から来た私たちも、魔法が使えるのか?

私たちの世界じゃ、魔法は空想上の夢物語。確かに使えたら楽しそうではあるが、使えるという保証はどこにもない。


「今までの聖女様たちも、使えなかったものの記録はないので、おそらく、問題なく使えるはずだ。」


ああ、いらない召喚特典だ。

魔法が使えなかったら聖女としての役割は果たせない。お役御免で即退場できるかと思ったのに。


でも、この世界にはスマホもパソコンもテレビもない。今までやってきた仕事は、この世界では通用しない。ここでもし何もできなければ、野垂れ死ぬ一途を辿る羽目になるのか。


「やるしかない、か」


きっと私の呟きは誰にも届いていないはず。


魔法が使えるかもしれないと知って、ウキウキしている二人とは対照的に黙りこくってしまう私。

(生活保障をしてもらっているうちは、その分は働きますか)


もらっている分は返さなきゃ精神。断じて相手に借りは残したくない性格はここでも災いしてしまうらしい。




その後、いい時間ということもあって、晩餐会は無事終了。


各々部屋に戻っていった。




「メイリ、メイリは聖女についてどう思う?」


お風呂を終えて髪を梳かしてくれているメイリに問いかける。


初めはさん付けの上に敬語で話していたけど、メイリにやめてくれと懇願されてしまってはやめるしかなかった。


「聖女様について、私は伝承を元にしたおとぎ話程度のことしかわかりませんが、この国は現在、深刻な瘴気に悩まされているは事実です。そして、もし聖女様がこの事態をどうにかできるのであれば、一抹の願いを懸けてしまうのも、また事実なのです。」


メイリの実家がある村の近くでも最近瘴気が確認されたらしく、心配で仕方ないのだろう。


「決して、ハルカ様に負担をかけたいわけではないのです。そこだけは信じてください。」

「大丈夫。わかってるから。変なことを聞いてごめんね。」


そして、メイリは部屋を後にして私はベッドに入る。


めんどくさがり屋で、これといった特技も無い。そんな私が、聖女なわけない。

私に世界を助けるなんて無理よ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ