伊成琴美のアバター作成 1
正直、執筆と日常生活の両立の大変さを舐めてました..手抜きみたいになってしまった。
久々の更新でこんなクオリティになってすみません
「それじゃ、原案の資料とキャラの設定を見せてくれるか?」
放課後、俺と伊成さんは一緒に下校し、駅にほど近い場所にあるカフェで向き合って座っていた。もちろん逢瀬などではなく、仕事だ。
「はい、この子です」
伊成さんは若干声を震わせつつ、アバターの原案を手渡してくれた。
「.....」
「どう、ですか?」
少しの間無言だったからか、伊成さんから評価を求める声が上がる。....それにしても...
「いや、別に俺はプロデューサーでもないから敬語にならなくてもいいと思うんだけど...まぁ、大まかに見たから質問しても?」
「あ...えと...ごめん、なさい」
「まぁ良いや。まず、この子の名前『御狐神ミコト』であってるよね、これは自分の名前から?」
どこか壁を作られているように感じたから言ったが、逆効果だったようだ。
気を取り直して質問をする。
「ええ、名字が伊成でしたから。連想ゲーム方式でつけました、名前のほうは私がネットで使ってたものの転用ですね」
「だから格好も巫女服にしたと...うん、いいと思う」
長らく俺を推しとして追っていたおかげか、渡された原案はとてもわかりやすく、アバターの作成がしやすいように動かす部分などのことも書かれていた。
「これなら俺の縁者として出しても違和感持たれないだろうから、全部このまま作っちゃおう。ここまでの原案があれば1週間くらいあればいろいろ終わるからさ、SNSアカウントとかも用意して、御狐神ミコトとしてファンを集められるようにしておいて」
自分でも気付かないうちにテンションが上がっていたのか、普段は抑えている配信者としての勢いのようなものが飛び出てしまい、早口で全て喋ってしまっていた。
「えぁ、はい!」
「....ごめん、いきなり色々言っても困るよな...」
「いえ、そんなこと無いです。私の夢のためですから」
過去にこの相槌を打たせない早口で相手を困らせた経験もあったため、すぐに気づいて謝ったが、伊成さんはただ笑顔でそう返してくれた。
「そうか....なら、次は....この子の売りにする部分を詰めていこう。平たく言えば、設定や背景を作る作業だ」
伊成さんは自分のありのままを受け入れてくれる。そんな漠然とした初めて屋上で話した時から持っていたものが確信に変わり始め、俺自信も心に壁を作るのをやめるべきだと思い立った。
「.......わかりました」
「伊成さん」
「はい?」
「敬語、やめてくれない?」
距離を縮める上で1番難しいのが、言葉遣い...早い話が敬語の有無だ。自分のことながらチョロいものだと思うが、屋上での告白と今回の作業で伊成さんの大まかな人となり、性格の一部を見て俺は彼女に好感を抱いた。だからこそ、伊成さんの敬語の口調が気になった。
「えっと...なんでいきなり...?」
「伊成さんにとって俺が憧れだっていうのは知ってる。でもさ、普段の俺はただのクラスメイトだ。クラスメイト相手に丁寧な対応する人は居るけど、ここまで敬語を使う人も居ないだろ?」
「えと...神崎君として接する時はここまで敬語を使うことは無いですよ?」
伊成さんの疑問は当たり前のことだったので、自分の考えをきちんと伝えて、聞き入れてもらうことにする。
「確かにそうだけど...やっぱり俺としてはそんなに畏まられるとむず痒いからさ、どうせ同業者になるんだし...少しくらい崩してくれると助かる。プライベートでは...その...」
ここまで言ったところで、俺は伊成さんへの気持ちをどう表現しようか迷い、言葉が止まる。
.....良いや、思った通りに言う。それが最善だろう。
「その?」
「もう、友達だと思ってるし、一応...その、告白の返事を待ってもらってる...わけだし?」
配信を行う上で鍛えてきた表情を変えずにセリフを口に出す技術を応用し、俺はものすごく自分で恥ずかしくなる一言を伝えた。正直、もう逃げ出したいが、それでは格好がつかない。
「........」
「...ごめん、気を悪くさせるつもりじゃ....「なんで..」?」
表情を固めて、動かなくなってしまった彼女を見て、俺は自分が特大の失敗をしてしまったと思い、弱い口調で謝罪の言葉を口にしようとしたところで、伊成さんの口が動いた。
「神崎君...貴方はなんでそんなに私のことをときめかせる言葉と仕草をするんですか?狙ってるんですか?」
彼女の頬は...いや、顔全体は、誰でもわかるほどに真っ赤になり、俺を睨みつけるように潤んだ目でそんな言葉を言ってくる。
ちょっと待とうか、伊成さんからしたら抗議のつもりなんだろうが、俺にはただただとても可愛い美少女が威圧感なく文句を言っているようにしか見えないのだが....それを言うとまた赤くなりそうだからやめておくか
「え....と、別にそんなつもりはないけど」
「ふふ、わかってます。でも、まだ簡単に変えられそうもないからこのままでお願いしますね?」
「変えてくれる気があるならそれで良いよ」
「でも....敬語彼女って、結構良い属性だとおもいません?」
「.........ノーコメントで」
ここで、俺の密かな自慢であった鉄面皮の技術は消え去ることとなった。
最近、細々と評価とブクマ件数が増えてとても励みになります。
正直なところ、この作品がどこまで続けられるか不安ですが、これからも応援お願い致します。
作者のモチベーションが向上するので
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休みが明け、リアルが忙しくなってしまった影響で更新まで間隔が空いてしまうことが確定となってしまいましたが、これからも拙作をよろしくお願いします




