急な連絡
お久しぶりです。一度プロットを破棄して進め方を考えていたらとてつもなく時間が空いてしまいました。試験を控えている身の上なので不定期ではありますが、これからも応援していただければ幸いです
「それじゃあ、キャラクターの原案とかあれば、見せて」
俺と伊成さんは学校が終わった後に近くのカフェに入り、配信で使うキャラクターのデザインについて話し合うことにした。
「あぁ、持ってきてます。これですね」
やはり前から考えていたためか、デジタル絵の資料を渡された。
「へぇ...よく考えられてるね。狐の獣人ぽいのは名前から?」
容姿は白い狐の獣人らしく、紅い眼で巫女服を着ていて名前は御狐神ミコトだった。
「ええ、少しでも自分に近くて、でも全然違うキャラクターって言うのをコンセプトにしてます」
「良いね。そういうの好きだよ」
「えっと...あと、神凪さんの影響で神社関連のキャラデザにしてしまってごめんなさい」
「いや、俺に憧れて目指したなら仕方ない部分あるし...キャラデザなんて沢山モチーフが被ってる人居るし今更だよ」
キャラクターのモチーフが似てしまうことなんて、そう珍しいことでは無い。あとは立ち絵というか、動かす体を描いてくれる絵師さん次第なのだ。
「ホントですか?なら、このままでもう少し考えていく感じですかね」
「そうだね、それと....っと、ごめん電話が」
デザインの修正が無くなったので次は設定だ..,と思った時にスマホが鳴った。
「構いませんよ。どんなお話だったのかだけ教えてください」
「ありがとう。.....もしもし、どうしたんですか谷崎さん。メールじゃなくて電話で連絡をしてくるなんて」
電話の相手は谷崎裕也という人で、俺に配信という世界を進めてくれた張本人だった。
『ああ神崎君。いきなりの電話連絡は悪いと思ってるよ。でも君とすぐに話したいことがあってね』
「わかりました。要件はなんでしょう?」
本質的に気さくな人なので、連絡をくれることは珍しいわけでは無いが、こうした電話連絡は少ないので重要なことなのだろうか?
『.....本格的な交渉がしたい。私が二年前君に配信者の道を示した時からの約束を覚えているかい?』
思っても居なかった、否、今までほとんど忘れていた約束のことを理由に呼び出された。
「.....大体わかりました。あの日貰った名刺の事務所に行けば良いですか?」
『話が早くて助かるよ。大丈夫だ。たいして時間は取らせない』
「.....あの、谷崎さん。俺の予想通りの要件だった場合、絶対にその申し出を受けます。なので、代わりに俺の我儘を聞いてもらっても良いですか?」
横に居る伊成さんの事を見ながら、条件をつける。今までのキャリアを不意にするかもしれないんだ、このくらい良いだろ
『構わないよ、君は私が考えていた以上に成長したからね。どんなものなんだい?』
「磨けば光るであろう原石を一人、紹介したいです」
『それは楽しみだ。会うのはいつが良いかな?」
やはり人材は欲しいのか、否定的な意見は出されなかった。
「....伊成さん、今から時間ある?」
「え、えぇ、大丈夫ですけど」
「いきなりですみませんが、今から行きます」
例外はあるが、こういう場合は即断即決。思い立ったが吉日の精神で動くことにする。
『即断か....そういうところは変わらないね』
何処か楽しんでいるような声音で反応されるが、この人は俺が配信を始める前から知っているから変わった部分や変わらない部分がわかりやすいのだろうか?
「一時間くらいで行けますから、16時頃にはそちらに伺います」
『二人分の席を用意して待ってるよ』
「それじゃあまた」
「....ふぅ、忙しくなりそうだ」
俺はもちろんだが、伊成さんにとっての転機になるか否かは交渉次第だな




