#13話 ~試験の結果~
冒険家になろうとするコヨリのお話
変な女の人に絡まれます
「着きました、ここがこの王都の"ギルド"になります。一応、依頼の受けられる支部と呼ばれる場所は各所にありますが、申請からとなるとここ来ないといけません」
「ふーんここが。意外と立派な建物だね」
ハルに連れられギルドの前に来た私は率直な感想を口にする
まだこの王都をよく見て回った訳ではないが、特に大きな建物だろう
非常によく目立つ
「そうですね。ここシルバーの王都は近辺の国々の中でも、優秀な冒険家を輩出することに力を入れているようです。この国に流れてくる依頼は難しいものが多いですが、その分得られる報酬も他と比べると豪華です」
「まぁ、王自身がかなり武闘派な方ですからね」
ハルがそう言う
「それにしても物知りなのね?いろんなこと教えてくれるけど」
「も、もちろん!今まで一人でやってきましたから!必要最低限のことぐらいは!」
「そっか、頼りにしてるからよろしくね」
「頑張ります!」
「それじゃ、行こっか」
ハルと共に建物の中へ
「わあ」
広い、そして人が多い
ここに居る人全員が冒険家なのだろうか
なんだか緊張してしまう
「し、師匠。そんな辺りを見回さなくても…」
「恥ずかしいの?」
「田舎者みたいじゃないですか…」
「私は本当の田舎者ですけどね〜」
内装はそこまできらびやかと言う訳ではないが、装飾は素人目に見ても綺麗だと思う
建物の中には食事を取れるような場所もあり、どこの施設も賑わっている
「で、その冒険家の申請ってどこで出来るの?」
「師匠は初めてですよね?」
「うん」
「じゃああそこの初級窓口です」
「初級?」
なんでも、冒険家にもランクと呼ばれるものがあるようでそれに見合った依頼しか受けることは出来ないみたい
低いランクの依頼は危険度も低く達成しやすいが、報酬は少なめ
基本、個人からの依頼になるから人によっては本当に少ない報酬で依頼をかけてくるらしい
「それなら私は初級だね、あんまり難しい依頼もしたくないし」
「師匠なら上級も楽勝だと思いますけどね。それから、窓口に行ったら軽い質疑応答の後に適正試験があります。ここどんな依頼が向いているか、どんな事が出来るかを判断します」
「えぇ〜!試験?私そこら辺ものすごく弱いんですけど…」
「問題の内容は決まりになってるので言えないですが、絶対大丈夫です!直感ですよ!」
「てきとーだね、じゃあ行ってくる」
「はい、ご健闘を。僕は依頼を見て回って来ます」
あっ、やっぱり一人称『僕』なんだ
使い分けてるのかな?
今はプライベートというか、リラックスしてるのかな
「うん、また後で」
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とりあえずそれっぽい窓口へ
受付の女性に声をかける
「ここかな?すみません、冒険家の申請をしたいんですけど」
「あっ、はい!初めての方ですね?では、こちらの申請書の内容をよく確認して、必要事項を記入の上また起こし下さい」
「あっ、ハイ…」
なんと手際のいい、たいぶ手馴れている
そんなに冒険家の申請はくるのもなのか?
確かに数は多い気がするけどさ
「えーと、なになに」
・登録名称
・年齢
・出身地
・動機
・得意分野(主に魔法)
・得意分野(雑務)
・受けたい依頼の分野
・希望するランク
「へぇ、意外と普通。普通なのかな?わかんないや。とりあえず書ける所だけ書いちゃおう…って、ん?」
よく見ると紙の右下に小さく
※尚、記述する内容の真偽は問わない
と書かれている
「何それ、嘘書いて良いってこと?変なの」
「まぁ、ここは正直に書きますかね」
・コヨリ
・17
・砂漠の家
・お金が欲しい
・強化
・料理、洗濯
・危険じゃないもの、簡単なもの
・初級
「これでいっか」
適当過ぎたかな
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「はい、書けました」
「お疲れ様です〜♪じゃあ軽く適正試験と質疑応答を〜…」
「ん?」
申請書に目を通した受付の女性の空気が変わる
ほんの僅かな変化
なんだろう、多分だけど
これは『探り』
「【コヨリ】さん、ですね~。お得意な魔法は【強化】で、雑務系は軽い家事」
「えぇ、そうです」
悪い気分はしない『詮索』であるが少し不気味だ
私の何を見ているのだろう
「じゃあ、この棒を持って下さい。なるべく端の方をお願いします」
「あ、はい」
突拍子も無く木の棒を持たされる
これが試験?不思議だ、冒険家
「じゃあ、この棒に【増幅】の魔力を流して下さい。直接【強化】してしまっても構いません。強すぎてもアレですけど8割ぐらいの力をは込めてみて下さい」
なるほど、魔力の試験か
何となく適正試験っぽくなって来た気がする
「わかりました、じゃあ強化します。なるべく本気で」
「はい、お願いします」
この女性も魔法使いだろう
上手く隠しているが魔力の流れを感じる
感覚を強化しないと感じられないレベルだが
「・・・。」
「・・・・・・。」
「はい、しました」
「えっ、もう?」
「はい」
「うーん…」
な、何を言われるのか
この試験で不適正と言われたらどうなるのだ?
やり直し?
「すごい完成度の【強化】だ・・・物体に流した魔力の量も質も一般的な人とかけ離れている・・・」
「ど、どうですか・・・?」
一瞬の静寂
「わかりました!【コヨリ】さん、貴女に中級のランクを与えます。本来初心者の方は初級から何ですけど、貴女の様な逸材は1人でも上に上げよとの王のご命令なので!」
「あ、ありがとうございます?」
「それじゃあ、最後にこの本に手を置いて下さい。それで申請は終了になります」
「わかりました」
言われた通りに不思議な本に手を置く
あったかい、魔力の流れを感じる・・・
「目を瞑って下さい、そっちの方が雰囲気出ますよ♪」
「ははは・・・」
「じゃあ、登録します」
「はい、お願いします」
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「じゃあ、本に魔力を流しながら自分の名前を頭の中で唱えて下さい」
(こうかな?間違えて強化しないようにしないと)
「ほんとに目瞑ってます~?私がいいと言うまで開けないで下さいね」
(変なの、雰囲気作りじゃないの?)
「はーい、いいですよ~」
本から手を放し目を開ける
「ありがとうございました。どうですか?」
「どうって、特に何も?」
「ですよね~」
「・・・。(じゃあ聞かないでよ)」
「じゃあ聞かないでよって?」
「・・・、心読まないで下さい」
「ごめんなさい、性分でして」
「まぁ、いいですけど」
終わり方迷いました




