#10話 ~またもやピンチ~
王都へ入ったコヨリ
しかし、彼女は世間知らず
まだまだ困難が続きます
とは言ったものの
まだ街に来て間もないしお金もあまりない
「さて、どこで何を食べよう」
武器屋、雑貨屋、ご飯屋、野菜果物を売る出店などが所狭しと並び、とても賑わっている
街を歩く人々の見た目も多種多様で、色々な場所からこの王都に足を運んでいることが伺える
「なるべく安くてお腹いっぱい食べれるものがいいなぁ、こんなことならさっきの門番にでも名物を聞いておくんだった」
「ふらふらしてても始まらないし、街の人たちに聞いてみますか」
人を頼れ、人に聞け
家を出る前に母から言われたことを思い出し実行に移す
雑貨屋の店番をしている優しそうなおじいさんに聞いてみる
「あの、すみません。ちょっと聞きたいことが・・・」
あとちょっとでおじいさんに触れようという時に、いきなり横から伸びて来た手に行く手を遮られる
「お姉さん、何か困りごと?俺たちで良かったら話聞くぜ?」
横を見ると男たちが4人立っていた
年齢は40過ぎだろうか、手は傷だらけで戦いの経験があるように見える
だが、あまり優しそうではない
こんな人たちに話かけたくはないが、向こうから来られてしまったので仕方なく相手をする
「その、私この街に来るのが初めてでどこで何をしたらいいのかわかんないんです。できれば、ご飯を食べたいと思っていたところなんですが・・・」
なぜだかすごい顔を見られる
反射的に目を逸らしてしまう
「おうおう、伏目がちなその顔も可愛いじゃねか」
「馬鹿野郎、黙ってろ!」
「なるほど、それで聞き込みをしていたってわけかい。それなら俺たちに任せな。俺たちは冒険家やりながらこの街に住んでてな、何から何まで知ってんだぜ」
「裏通りに入りゃちょっと汚ねぇが安くてうめぇもん出してくれる店があんのよ。一緒にどうだいお嬢さん?」
(安くて美味しいだと?)
「それが本当ならとても助かります、ぜひ案内して欲しいです」
手持ちもあまり無い今この人たちが言うことにはとても興味がある
「任せな」
「後について来な、お嬢さん」
「そのローブの下はどうなってんだぁ?」
「だから黙ってろ!」
「あはは・・・」
人は見かけに寄らない、愉快な人たちだ
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「・・・。怪しい」
「あの女の人、危ないかもしれない」
「大丈夫、僕ならやれる。この剣があれば・・・」
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愉快な4人組の後を追い裏路地をひたすら歩く
本当にこんな場所に穴場があるのだろうか
「なんか、こんなことさっきも無かったっけ?」
「ん?どうしたお嬢さん?まさか、本当にこんな場所に飯屋があるのかって考えてんだろ?」
(私の心を読めるのだろうか?)
「まぁ、そう思うのも無理はねぇ。なんせ今から行くのは宿屋だからな」
「宿屋?なぜ?」
「泊まる場所と飯を食う場所ってのは切り離せないもんさ、宿は低級だが飯は上手いってのがあるのさ」
「ほんと、駆け出しの頃はお世話になったよな」
「今からもお世話されに行くんだけどな」
「もう何も言わんぞ」
「なるほど、そう言うことだったのか」
さすが長く住んでいると言うことだけはある
「あともうちょっとだから腹空かして待ってな」
「えぇ、お願いします」
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「一体どこまで行くんだ?」
「こんな裏路地まで女の人を連れ込んで何をする気なんだ・・・?」
(なんか着けられてるな、誰だろ?この人たちに用なのかな?)
「・・・!女の人が今こっち見た!?なわけないか、こんなに離れてるのに気づかれるわけ・・・」
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「さて、着いたぜお嬢さん」
「ここが貴方たちの言っていた宿屋?結構歩きましたね」
「あぁ、そりゃ人目につかれたら嫌だからなぁ?」
「・・・!」
身の危険を感じ後ろに飛びのく
この感じ、さっきの門番と同じ!
でも明らかに違うのは、こっちの方が不快感がすごい!
「おうお嬢さん、どこに行こうってんだ?」
「逃げようとしても無駄だぜ?周りを見てみな」
急いで周りを確認する
建物に囲まれていて薄暗く、この広場に通じる道は後ろにある1本のみ
そして、いつの間にか4人の内の2人がその道を塞ぐように立っていた
「一体なんのつもり?言っておくけど、手を出すんなら容赦しないよ」
「その威勢のいい感じもたまんねぇなぁ!」
「俺もコイツがどんな声で鳴くのか楽しみになって来たぜ」
「「「「ふふふふふふふ・・・」」」」
まんまと騙されたってこと
雰囲気としてはそんなに強くはなさそうだけど4人同時か
なんにせよこっちからは絶対に手を出さない
あくまでもこの力は【自分を守るため】!
「なーに、簡単なことだ。この宿屋で一発、いや四発か?とにかく俺らに付き合ってくれりゃいい」
「あんま手粗なことはしたくねぇ、おとなしくしててくれよ?」
「暴れられても俺はいいけどな!!」
「まったくてめえらは、俺も同じだ」
1日でこんなことに二度も遭うとは
なんて警戒心の薄い女なのだろうか
「やる気?いいよ、後悔させてあげる」
ローブを脱ぎ気合を入れる
目は前へ、耳は後ろへ注意を向け基本的な構えを取る
「ヒュー、こりゃ上玉だ」
「なんて恰好だ」
「顔だけじゃなく身体もってか!」
「たまらんな」
「いつでも来て、私からは行かないよ?それとも、そんな女は嫌い?」
「いーや、最高だ!」
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「あわわ、やっぱりあいつらよからぬことを考えてたんだ・・・」
「助けなきゃ!僕があの人を・・・」
「でも、大丈夫かな?できるかな?」
「大丈夫かな、お母さん、お父さん・・・」
「いつでも来て、私からは行かないよ?」
「・・・!呼ばれてる!行かなきゃ!」
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ー残り739日ー




