第14話:初デートは戦場!? ――策士たちの遠隔操作
いつも応援ありがとうございます!めびうすワークス代表のまりもちゃんです。
いよいよ物語は第2クール「恋人編」へ突入いたしました!
第14話は、読者の皆様もお待ちかねの「初デート」回です。
「完璧な彼女」でありたいほむらと、不器用ながらも精一杯オシャレをしてきた悠真。
二人の初々しい姿……の裏で、いつもの「あの二人」が黙っているはずもありません。
ショッピングモールを舞台に繰り広げられる、甘くて、重くて、少し騒がしい特別な一日をお楽しみください!
「……ダメ、これじゃ普通すぎる。もっと、悠真が一生私のことしか考えられなくなるような服じゃないと」
土曜日の午前九時。私の部屋のベッドの上は、さながら服の墓場のようになっていた。
今日は悠真との初デート。行き先は、最近オープンしたばかりの大型ショッピングモールだ。
完璧な私を見せたい。でも、かれんが言っていた「隙」も必要。……考えれば考えるほど、正解がわからなくなる。
その時、スマホが震えた。あおばとみもりからのグループLINEだ。
あおば:「ほむら姉さま、準備進んでる? ちなみに兄貴は、昨日から服選びに失敗して、結局いつものパーカーで行こうとしてるよ。ダサいから止めておいたけど」
みもり:「ほむら、あんまり気合入れすぎてドレスとかで行くなよ? モールなんだから『親しみやすさ』が大事。今日は私たちが遠隔で指示出すから」
「……余計なお世話よ」
そう打ち返しながらも、私は彼女たちが事前に送ってきた『初デート・成功ガイドライン』を必死に読み返していた。
*
「……あ、ほむら! 待ったか?」
駅の改札前。少しだけオシャレに気を遣った(おそらくあおばに強制された)悠真が、緊張した面持ちで立っていた。
私は、みもりのアドバイス通り、いつもより少しだけゆるく巻いた髪と、淡い色のワンピースで彼に向き合う。
「……いいえ。今来たところよ。……今日の悠真、素敵ね」
「……お前こそ。……なんか、直視できないくらい可愛い」
悠真が照れ臭そうに視線を逸らす。その反応だけで、私の「好き」という感情が限界を突破し、独占欲がうずき出す。
(……可愛い。この照れた顔、他の女の子には絶対に見せたくない。私だけのものよ)
*
その頃、モールのフードコートの隅。
「……よし、ターゲット捕捉。お兄ちゃん、ガチガチだねー」
あおばが望遠レンズを構え、みもりがタブレットで店内の状況をチェックしている。
「あおば、今のうちに『偶然』を装って、あのアイスクリーム屋のクーポンを悠真のスマホに送りなよ。あそこのベンチ、二人の距離が近くなるように設計されてるから」
「了解。……あ、ほむら姉さま、また兄貴の袖を掴んでる。執念レベルが上昇中だね」
二人はコーラを飲みながら、インカムで連絡を取り合う。
「作戦名:『ファースト・デート・リモート・コントロール』。……さあ、次は映画館の暗闇で、どれだけ二人の距離を詰めさせられるかだね」
*
「……悠真、これ、美味しいわ」
あおばたちの策略とは知らず、私たちは差し出されたクーポンで買ったダブルのアイスを分け合っていた。
「……そうか? なら良かった。……なあ、ほむら」
悠真が不意に、真面目な顔で私の目を見つめた。
「……俺、昨日全然眠れなかったんだ。……お前が可愛すぎて、今日が楽しみすぎて。……今、こうして隣にいるのが、まだ信じられないっていうか」
「……悠真」
彼の真っ直ぐな言葉が、私の「完璧主義」の壁を簡単に壊していく。
私は自分でも驚くほど素直な気持ちで、彼の肩に頭を預けた。
「……私もよ。……世界中の誰よりも、私は今、幸せだわ。……だから、お願い。……一生、この手を離さないでね」
周囲の喧騒も、策士たちの監視も、今の私には関係ない。
ただ、この温もりを独占していたい。
ショッピングモールの雑踏の中で、私たちの初めてのデートは、甘くて重い、特別な時間へと変わっていった。
(第14話・完)
第14話をお読みいただきありがとうございました!
ついに実現した初デート。
ほむらの「服の墓場」エピソードは、彼女がどれだけ悠真との時間を大切に(そして重く)考えているかの表れですね。
そんな彼女の「完璧」を、悠真の真っ直ぐな言葉があっさりと崩してしまうシーンは、書いていてもニヤニヤしてしまいました。
そして、やっぱり出てきたあおばとみもり!
フードコートからインカムで指示を出す姿は、もはやデートの付き添いというよりは特殊部隊のオペレーターのようです。
作戦名「恋人生活・ソフトランディング」は、果たして成功するのでしょうか?
次回、第15話は「暗闇の映画館。ポップコーンが触れ合う指先」。
密閉された暗闇の中で、二人の距離はさらに……!?
引き続き、第2クールの展開も応援よろしくお願いいたします!




