舞の予備校の高等部
舞は、おれの妹。
おれの妹が通う予備校には、高等部がある。
おれは、そこに顔を出してみた。
そこでは、中学生がたくさんいる中に、3人くらいの人が混じって映像授業をタブレットで受けていた。
おれは、その1番後ろの席に案内されて、映像授業の体験を受けさせられた。
これじゃ、まるで。
掃き溜められた高校生みたいじゃないか。
体験授業が終わった後、おれはお母さんに話した。
「おれ、もっとちゃんとしたところがいい」
「うーん、そうだねぇ……あ、そういえば、舞の友達の真白ちゃんっておるやん?」
「あー、真白ちゃんね。よくうちにゲームしにきてたよね。お姉ちゃんが、確か、あ、俺と同じ高校の先輩だっけ」
「そうそう。なんで忘れてるの。真白ちゃんのお姉さんが、愛知県立外語大学に受かったらしいよ」
「あー、愛外大ね。国公立、受かったんだ……」
先輩が国公立に受かったって情報は、思ったよりすごくプレッシャーになる。
1年の時、交流館でいつも仲良さそうに勉強していた、同じ高校の3年生の男女グループがいた。
その中の1人は部活の井川先輩で、卒業式の日、井川先輩が岐阜大学に受かったってことを聞いて、プレッシャーに感じたと同時に、とても、とっても、悔しかったのを覚えている。
なんで、おんなじ時間、おんなじように交流館で勉強してるのに、井川先輩は国公立に受かって、おれは、追認なんだ、って。
そして、井川先輩たちの中に、真白ちゃんのお姉さん、彩先輩がいたのも、知っていた。さっきお母さんにはなんとなく誤魔化したけど、実は中学の頃委員会が一緒で、少し関わりがあった。同じ高校に進んだことも知っていて。
高校ではお互い会話を交わすことはなかったけど、交流館でいつも見かけるし、なんだかんだ幼稚園から同じ進路を歩んでいたから、意識はしていた。
そして、今。彩先輩も、国公立に入った事実を聞かされた。
理不尽だよな。おんなじ時間、おんなじところで勉強してるのに。
久々に考え事をしながら流れていく情景を窓から見つめていると、塾に着いた。




