3/7
2ー1
人生、とぼけるのも成功のうちの一つなのかもしれない。
すなわち、万年筆は一本だけにあらず。
「俺の今の体調から言うと、プランジャー式で軸に蒔絵が施してある漆塗りで、ペン先はロジウムメッキ一択。出してくれるか?」
正直、蒔絵である必要はないし、ロジウムメッキでなくとも万年筆であればいいのだ。
「え〜? わかったわ。ん〜っ、はいっ。どうぞ」
「お〜。俺の万年筆蒔絵ちゃん、ハロー」
「ハローじゃなくてさ。願い事を書きなさいよ、早く」
「そのためにはインクも特殊なものじゃないといけないよな。気分にあわせて色が変わるようなさ」
「ん〜? なら、そうするわ」
いいんかいっ!?
つづく




