第34話 ハンターズ 特訓
キャラクター紹介
マラシイ・スフィンガー(28) 12月28日生まれ。慎重169㎝ 体重54㎏
趣味 銃を打つこと。そう言う類のゲームをすること。性行為。
好きな食べ物 カレーライス。チューハイ。焼き鳥。
容姿
褐色のスレンダーな筋肉質なボディに、黒と白の混ざった髪をしている。髪は長く、ポニーテールを日常的にしている。
目の色は黒でつり目、頬には引っかかれた傷がついている。男顔でイケメン寄り。
私服は以外とワンピースなどゆったりな服をきたりと以外と乙女
性格
口調はヤンキーっぽい感じで気が強く男勝りな性格。
正義感が強く仲間思いだが、考えが保守的でここぞという時に切り出せないタイプ。
コンコルド南区 ハンターズ 森の演習場
「ナナ!!」
「はい!」
隊長が空中でマネキンロボットを氷銃剣で怯ませ、地に落としたっ。
皆もロボットを私の所に引き付け、森の開けた場所にロボットは集まった。
よし・・行けるっ!
私は意を込め、左腕を長く硬い茶色い触手に変形し、体を捻り回転させ、
「ふぅん!!」
湿った泥を踏ん張り、伸びた腕を目一杯放物線状に舞わせ、横一線に数多のロボットを叩き込んだ・・・
________________________________________________________
「ふぅ・・」
辺りが夕闇に染まってくる頃、戦闘訓練を終え、森の開けた場所で休憩を取った。
私は疲れた体を下ろし、水を飲んだ。
安全なフェンスの向こう側でオーウェン家の二人も見学していて、
何人かと談笑していた。
ショウがアルス君と仲良くしているのが遠くからでも見える。
それを眺めていると、
「疲れたね、ナナ。」
泥だらけのクラシアが私の隣に駆け寄る。
「うん、あなたもお疲れ様。」
お互いクタクタで私達は地面にへたる。
疲れたねとクラシアと他愛もない話をすると、クラシアがマリアさんの話をしてきた。
「マリア博士の所とかは平気なの?最近実験に協力してるって聞いているから。」
「うん、平気。そこはマリアさんがスケジュールを組んでくれる。」
「そっか・・どんな実験やってるの?私あまり知らないから。」
「えーと、前世の記憶のこととか、地下室で鹵獲したイロディアンとかみたよ。後は私の成分分析かな。
私を使って兵器の促進を・・・」
とクラシアに実験のことを語っていると後ろから、
「そうか、そんなことをやっているのか。鹵獲しているイロディアンも見たんだな。」
隊長の声が。振り向くとブレス隊長とロバートさんがいた。
「あ、隊長、ロバートさんお疲れ様です。」
座りながら私達は軽くお辞儀をした。
「研究所の地下は薄暗くで不気味ですよね。俺一人じゃ入れないな。ね、隊長?」
「そうだな。あそこは湿気臭いし、血生臭い。
話しを戻すがナナは実験をしてるんだろ?
もしお前を使った兵器が完成すれば、俺達も有利に戦える。奴らと戦える手段が増えるってことだな。」
そう言って隊長とロバートさんは勝ち誇ったかのような笑顔を見せる。
隊長は数時間にも及ぶ訓練を受けた後とは思えないくらい、二人は元気だった。
「そうですね。でもまだ・・実用化は難しい所です。」
「ああ・・マリア博士の報告書で見たぞ。確かお前のその茶色い部分を体から切り離したら消えちまうんだろ?何もかも残らず。それで成分が使えないって。」
「ええ、そのようです。すみません。」
期待に動けなくて申し訳ない。そう思っていると
「まぁ、そういう事ならしょうがないさ。
それに、大分お前とスムーズに連携がとれるようになったし、少なくとも行動に戸惑う事はなくなっただろう?
だろロバート?」
「ええ、全員前よりもきれがよくなりましたね。特にクラシアとか。」
隊長は前向きに捉えてくれた。
ロバートさんは私の隣にいるクラシアに目を向ける。
「一か月前はよたついていたのに、今ではそれがなくなってる、なかなかやるじゃねぇか。」
ロバートさんは褒めると、クラシアは水を飲み終え、
「・・ありがとうございます。」
と疲れながらも優しい笑みを浮かべた。
「ロバート、こいつ訓練がない間にも特訓をしているんだ。数十キロのバックを抱えて歩いたりとか・・偉いよな。」
「へえ~じゃあ、俺達も負けていられませんね。」
「ああ・・だがなクラシア、あまり無茶はするなよ。いきなり無茶に頑張っても強くなれないぞ。地道にやるんだ。」
「・・わかりました。死なない程度に頑張ります。」
「まぁそれでいいか。」
と、クラシア達の会話を眺めていると、後ろから肩を叩かれた。
「ナナ、後でちょっといいかい?」
げ・・このハスキーな声は。
振りむくとマラシイさんだ。この人はいがみ合ったりとあまりいい思い出がない。
「な、なんですか?」
「うわ、来たよみたいな顔だね。
まぁいいさ、ちょっとあんたと特訓したいがいいかい?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから夕ご飯を食べ、数時間ほど休憩した後、マラシイさんの言われた所に向かう。
言われた場所は、ハンターズ本部に隣接している演習場だ。
アスファルトの道路を歩き、下を見つめながら思いにふける。
正直あまり気乗りしなかった。訓練も相まってけだるげ。精神的にも肉体的にもだ。
二人で特訓・・・か、あの人苦手だからなぁ・・。
そんなことを考えていると言われていたエリアに着く。
月あかりに照らされ、枯れ草に囲まれた草原の中に、
綺麗に平坦に整備された砂利の広場、その中央にジェットパックを装備し、氷銃剣を持っているマラシイさんがいた。
「よく来たね。嬉しいよ。」
「まぁ・・来なければ何されるかわからないですから。」
「そうだな。またビンタしちゃうかも。」
とマラシイさんは私を砂山の上から見下ろし、冗談なのかわからないことを言う。
私と彼女は互いに離れた状態で話す。もう大体何するかわかるから。
「それで、私を呼んだのはあの時の続きですか?
あの時は未遂に終わったから今日やるということですか?」
あ・・・自分でもびっくりするくらいとげのある口調で言った。
「あんたは別にそう思ってくれてもいいさ。あたしはただあんたの力を試したいからここに呼んだだけ、
ただちょっと戦ってみたいだけさ。あんたとあたしのマンツーマンでね。」
「・・そうですか。」
「そうだよ。じゃ、始めようか。」
マラシイさんは武器をこっちに向け、
「因みに中の銃弾は練習用のゴム弾だから安心しろ。刃も出さない、あんたの触手の方も調整してよな。」
「戦いはどうするんですか?」
「あんたがあたしに触手を当てたらあんたの勝ち。あたしがあんたの首に氷銃剣を向けたらあたしの勝ちさ。」
「・・わかりました。こっちもとがせらせないようにします。」
「助かるよ。」
マラシイさんの言われた通り、左腕を先端部に丸みを帯びた触手に変形。
何時でもマラシイさんに攻撃出来るように、伸びた触手を地面に置く。
演習場のライトが私達を囲むように照らす。砂利を踏み、お互い身構えた。
「じゃ、行くぞ。」
そう言った瞬間、ジェットパックを噴射し、彼女は左に旋回した。
私は触手を天高く上げ、縦に彼女へとたたきつけに入ったが、上昇しかわされた。
触手は地面に亀裂を走らせ、砂煙が舞う。
彼女は噴射しこっちに迫ってくる。
近づかれたらまずい・・触手でバウンスさせ後ろに下がり、体勢を立て直す。
ジェットのように接近する彼女に、触手を三方向から攻めるように動かした。
左右前へと触手を伸ばし、彼女の接近を阻止しようとした・・・が、
彼女は触手を縫うように正面からくぐり抜けた。
まずい!・・・負けじと触手であらゆる方向から果敢に攻めるが、彼女はジェットパックを巧みに使いよけていく。私の怒涛の触手の攻撃が難なくかわされている。
絡まる糸のように触手の軌道は複雑、それをマラシイさんは一瞬静止して見極め、動く。
一歩下がったらまた突撃してくる。
彼女は紙一重に避け抜け所を見つけ、一気に噴射してきた。
やばい。
「くっ!」
交わされ、ついにゼロ距離を許してしまう。彼女の加減されたタックルに小突かれ私は飛ばされ、倒れた。
「あたしの勝ちだ。」
「くっ!」
尻餅を着き目を開けた瞬間、彼女の銃剣が首元に身構えられていた。
マラシイさんは真顔で私を見つめている。彼女の頬の傷が目に入った。
はぁ・・私の負け。
「負けました・・はぁ、強いですね。」
私の完敗だ。マラシイさんの戦闘力の高さは間近で見ていたが、予想以上だった。
あんなに難なくかわされるなんて・・・
息を荒げてる私に対して、彼女は息一つ乱れてない。
「まだまだだね。」
結構なスピードで攻めたはずなのに彼女に難なく交わされた。
彼女は蔑んだ表情ででそう言う。少し悔しいが事実なので正直に受け止めた。
「因みにブレス隊長だったらもっと早く終わってただろう。最初のくぐり抜けで終わると思う。」
私は痛感した。イロディアンを倒せる力を手にし、自分はどこか特別だと思っていたが違ったようだ。
発電所でマラシイさんにビンタされ、きれいごとを抜かすガキだと言われた事を思い出す。
「はは・・私は甘いガキなようですね。」
それを聞いたマラシイさんはその意味を探るように上を見る。
「ああ・・・あの時の。」
覚えていた。
「そうだな。あんたはまだまだ戦闘も甘い、これは事実だ。」
「けど、あんたを頑張っている所を見てさ、
ちょっと自分のこと・・考えたんだ。本当に正しいかって」
「え?・・」
以外な彼女の言葉に私は心の中で驚く。マラシイさんは照れてるのか頬を搔きながら言っていた。
「寮まで歩きながら話そうか?」
「・・いいですよ。」
マラシイさんは私に手を差し伸べ、立たせてくれた。
彼女は緩んだ白黒髪のメッシュを結び直した後、私達は寮に戻ることにした。
砂利とアスファルトが混ざりあった地面を歩き、歩行で砂利が擦れる音を耳に聞き入れ
ながら彼女と話す。
「そう言えばマラシイさんが部隊に入ったきっかけって何です?」
私は気になる事を質問してみる。こんなに厳しい方ならきっと色んな事が聞けると思うから。
「あたし?まぁそうだね・・金かな?」
と彼女は頭を掻いてそう言った。
「あたしって昔から結構喧嘩が強くてね、よく子供の頃から公園で男の同級生とタイマンしてたよ。
そして最後は私が勝ってた。ガキ大将って奴だよ。」
「へえ~」
実に彼女らしいエピソードだ。厳しさはこう言う喧嘩慣れから来てるのかも。
「だからこの生まれもったタフネス精神を国の為に活かせればと、テロリスト対策の部隊に入って、
それなりに生き残って、少佐まで上り詰めた。今でも周り少佐って言われるのはその名残り。言わずと知れた女兵士だったのさ。
戦場ではそれなりの成果を上げた。勿論私の力で這い上がれたのもある・・んだけどさ。」
と彼女は一瞬黙りこむ。
「戦場に立って、みんなを引っ張る役目になった時気づいたんだ。
あたしってあまり強くない事がわかったんだと。子供の頃のように簡単に喧嘩で勝てる世界じゃないと。」
「・・・・」
正面を見ると寮が見えた。
入り口に差し掛かる時にマラシイさんは自動販売機に指を差し、
なんか飲むか?と言われ、私は紅茶を頼んだ。
自動販売機の前でお互い飲みながら、私達は話を続けた。
「事務室のロボット戦、覚えているか?」
「ええ、クラシアやショウ達で挟み込んだ奴ですね。
最後はマラシイさんがロボットが爆発する寸前に留めを刺した・・」
「ああ、実は行く前にあたしは最初撤退を提案したんだ。
隊長に、ロボットやイロディアンを置き去りにして。」
「え?そうなんですか?・・でも別におかしくないと思いますよ。
もう部隊は半数は犠牲になって悲鳴をあげていた状況ですし。」
私が率直に言ったが、彼女は静かに首を振るう。
「いや、あの時撤退しちゃ駄目だったんだ。あんたという切り札もあるのに、
ここで下がったら10年間の開拓出来なかった空白が無駄になってしまう。勿論わかっていたのに・・」
彼女の悔恨の表情、訴え。
「マラシイさん・・」
「まあ、最後はブレス隊長が背中を押してくれたから良かったけど、
あたし一人だったらと思うと・・ね。
臆病なんだあたしは・・いざという時に踏み込めない。アドリブが効かない。
子供の頃ようにがむしゃらにはいけないって・・長い戦場の中で気付かされたよ。」
と彼女は座ている私に向け、乾いた笑みを浮かべた。
自身なさげな彼女を見ていられず、私は目をそらす。そらしつつ次の彼女の会話を考えた。
そんな事はない・・・と。
「そんな事・・ワニ型の襲来とかロボットとか不測の事態があったから、撤退を視野に
入れてもおかしくないです。私はそう思いますよ。」
というと、マラシイさんは
「・・フォローしてくれるのかい?ありがとう。」
と、にこやかに返してくれた。
「マラシイさんは強いですよ。決して臆病ではないです。確かにとげのある言い方ですし、
厳しい方だとは思います。
でも発電所で撤退を提案したのは皆を生き残らせる為ですよね。無理に成果を上げるより生き残る事
を最優先で選んだ・・何もおかしくないと思います。」
私はマラシイさんの前に座ってのんでいたのでその時の顔は見えなかったが、
彼女は上澄んで深く深呼吸しているのを声の距離感で感じた。
ふう・・と深い息を吐いたマラシイさんは
「・・・ありがとう。あんたに泣かせる日が来るなんてね。
でもそのあたしの案であんたといがみ合っちゃったからな。最善手ではないね。」
「あ・・そう・・ですか?、はは・・」
墓穴を掘られた。
「何だいその自身のなさ。」
マラシイさんのやや上がった声を聞き、私達はふふと笑った。
この時だいぶ彼女との距離感が打ち解けた気がした。
お互い笑いやむと同時にマラシイさんが、
「それとナナ、言いたい事があるんだが・・」
「なんですか?」
「あんたはあたしにはないものがある。そのイロディアンの力じゃなく、臆病なあたしがかつて忘れてたもの。あんたはこの国に大きな大きな革命を起こすかもな。」
「大きな革命・・・」
「ああ、あたしの勘はよくあたる。」
とマラシイさん座っている私に手を伸ばす。
「それをあたし達に見せて欲しい。これからも協力してくれ。」
とマラシイさん。私は彼女の手を固く握り、
「はい。もう覚悟の上です。」
と強く頷いた。
そうだ・・アルス君やカリナ、そしてハンターズの皆や国民の人を助けるんだ。
地上を開拓して、悲しみを断ち切る。もう決めたんだから。
それからマラシイさんと別れ、彼女は寮に入って行った。
私も紅茶をゴミ箱に捨て、自分の部屋に戻った。
三ヶ月ぶりに投稿します。ちょっとYouTube活動やイラスト制作と睡眠で手がつけられない状態でした(^^;
今回はマラシイさんの話とハンターズの訓練風景を話にしました。
早くアレックス研究所に行きたいところですが、キャラの掘り下げや世界観の背景はとても大事なので、もう一、2話は各キャラクターの話にしたいと思います。
主人公との接点は大事ですからね。




