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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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54/56

第1巻 第55讃歌 インドラ讃歌

1 たとえこの広い天と地が

広がっていても、

天も地も偉大さにおいて

インドラの相手にはなりません。

恐るべき者で非常に力強く、

人々に災いをもたらす者、

彼は雷を鋭く研ぎ澄まします、

雄牛のように。

2 水の海のように、

彼は川たちを受け入れます、

四方に広がる広い流れとして。

彼はソーマの汁を飲むために

雄牛のように進み、

昔からの戦士として、

力で讃えられるでしょう。

3 あなたは、インドラよ、

あらゆる種類の

偉大な男らしい力を支配し、

あの名高い山さえも、

まるで曲げるようにします。

神々の中で最前線に立つのは、

彼の英雄的な力によって、

各困難な業のために、

先頭に立つ強い者です。

4 彼だけが森の中で

礼拝者たちに讃えられます、

彼が人間に

自分の美しい

インドラの力を示すとき。

彼は親しみやすい雄牛、

望まれる雄牛です、

マガヴァンが

吉祥に声を上げるとき。

5 それでも確かに戦士は、

彼の活力ある力の中で、

人間のために

大いなる戦いを

力で掻き立てます;

人々はインドラを信じます、

輝く者を、

彼が死の矢である

雷を投げるとき。

6 栄光を慕い、

地上で力を増した彼は、

偉大な力で芸術で

作られた住処を破壊します、

彼は天の光を安全に輝かせ、

極めて賢く、

礼拝者のために洪水を流します。

7 ソーマを飲む者よ、

あなたの心を傾けて

与えてください;

あなたの褐色の馬を

ここへ連れてきてください、

おお讃美を聞く者よ。

あなたの手綱を

最も巧みに引く御者たち、

速い太陽の光線は、

あなたを惑わせません 、

インドラよ。

8 あなたは両手に

決して尽きない宝を持ち、

名高い者は

体に征服されない力を宿します。

おおインドラよ、

あなたの体には多くの力が宿り、

司祭たちに囲まれた井戸のように。




解説

この第55曲は、インドラを「天と地も及ばない力の持ち主」「戦士の王」「富と勝利の与え手」として力強く讃える内容です。ヴリトラ殺しや山を曲げるほどの力、雷の鋭さなどが強調され、ソーマを飲んで戦うインドラの活力が生き生きと描かれています。

•1-2節:天と地も及ばない偉大さ、川を受け入れる海のような包容力。

•3-4節:すべての男らしい力を支配し、山を曲げる。森の中で讃えられる親しみやすい雄牛。

•5-6節:人間のために大いなる戦いを起こし、光を安全に輝かせ、洪水を流す。

•7-8節:ソーマを飲む心を傾け、宝と力を両手に持つ。体に多くの力が宿る。

全体として、インドラの圧倒的な力と恵みを讃え、ヴェーダの戦士神としての核心を表現した讃歌です。雷と馬、ソーマのイメージが特に力強く、読んでいてインドラの存在感が強く感じられます。


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