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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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107/119

第1巻 第107讃歌 諸神群讃歌

1 我らの捧げる祭祀は、

神々の受け入れるところとなった。

我らに慈しみ深くあれ、

アディティの子ら(諸神)よ。

汝らの恵み(お気に入り)が、

こちらへと向けられますように。

そして、我らを苦難から救う

最高の救い手であれ。

2 アンギラス聖仙たちの

賛美の歌によって高められ、

神々がその加護とともに、

我らのもとへと来られますように。

インドラはその諸々の権能とともに、

マルト神群はその軍勢とともに、

アディティはアディティの子らとともに、

我らに庇護を授けたまえ。

3 我らが編みし、この賛辞を、

ヴァルナとインドラが、

アリヤマン、アグニ、サヴィタルが、

心地よく受け入れてくれますように。

我らのこの祈りを、

ヴァルナ、ミトラ、アディティ、

シンドゥ(インダス川)、

大地と天空が、

叶えてくれますように。



解説

第107曲は、諸神群ヴィシュヴェーデーヴァスに捧げられた全3節の讃歌。前2曲(105、106曲)の「奈落や谷底からの救出」というドラマチックな激動を経て、今度はすべての神々が調和し、一族を包み込むような「絶対的な安心感と庇護」へと回帰していく、非常に美しく引き締まった小品です。

* 1–2節:前2曲の緊迫感溢れる「救出劇」の余韻を受け継ぎながら、1節では神々が人間の供物を快く受け入れ、完全に「こちら側」に味方してくれた安心感がうたわれます。2節では、太古の祭司階級であるアンギラス族の賛歌によって神々のボルテージが高められ、インドラ、マルト神群、アディティといった強力な守護神たちが、それぞれの役割(権能や軍勢)を総動員して一族を包み込む( grant us shelter )という、極めて強固な防衛のプロットが描かれます。

* 3節:最後は、宇宙の運行を司るヴァルナから、戦いのインドラ、社会秩序のアリヤマン、地上のアグニ、太陽のサヴィタルという、いわば宇宙のオールスター神群がこの賛歌を「心地よい( pleasant )」と承認します。いつもの大団円のリフレインによって、世界全体の調和と祝福が見事に完成し、短くも圧倒的な安定感を持って締めくくられます。

2節の「インドラはその力、マルトはマルトの軍勢、アディティは神々を引き連れて、みんなで守りにきてくれる」というプロット、オールスターが集結するような頼もしさがあって格好良いですよね。短い連作の締めくくりとして、最高のカタルシスがあります。

第107曲は、諸神群ヴィシュヴェーデーヴァスに捧げられた全3節の讃歌。前2曲(105、106曲)の「奈落や谷底からの救出」というドラマチックな激動を経て、今度はすべての神々が調和し、一族を包み込むような「絶対的な安心感と庇護」へと回帰していく、非常に美しく引き締まった小品です。


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