第1巻 第107讃歌 諸神群讃歌
1 我らの捧げる祭祀は、
神々の受け入れるところとなった。
我らに慈しみ深くあれ、
アディティの子ら(諸神)よ。
汝らの恵み(お気に入り)が、
こちらへと向けられますように。
そして、我らを苦難から救う
最高の救い手であれ。
2 アンギラス聖仙たちの
賛美の歌によって高められ、
神々がその加護とともに、
我らのもとへと来られますように。
インドラはその諸々の権能とともに、
マルト神群はその軍勢とともに、
アディティはアディティの子らとともに、
我らに庇護を授けたまえ。
3 我らが編みし、この賛辞を、
ヴァルナとインドラが、
アリヤマン、アグニ、サヴィタルが、
心地よく受け入れてくれますように。
我らのこの祈りを、
ヴァルナ、ミトラ、アディティ、
シンドゥ(インダス川)、
大地と天空が、
叶えてくれますように。
解説
第107曲は、諸神群に捧げられた全3節の讃歌。前2曲(105、106曲)の「奈落や谷底からの救出」というドラマチックな激動を経て、今度はすべての神々が調和し、一族を包み込むような「絶対的な安心感と庇護」へと回帰していく、非常に美しく引き締まった小品です。
* 1–2節:前2曲の緊迫感溢れる「救出劇」の余韻を受け継ぎながら、1節では神々が人間の供物を快く受け入れ、完全に「こちら側」に味方してくれた安心感がうたわれます。2節では、太古の祭司階級であるアンギラス族の賛歌によって神々のボルテージが高められ、インドラ、マルト神群、アディティといった強力な守護神たちが、それぞれの役割(権能や軍勢)を総動員して一族を包み込む( grant us shelter )という、極めて強固な防衛のプロットが描かれます。
* 3節:最後は、宇宙の運行を司るヴァルナから、戦いのインドラ、社会秩序のアリヤマン、地上のアグニ、太陽のサヴィタルという、いわば宇宙のオールスター神群がこの賛歌を「心地よい( pleasant )」と承認します。いつもの大団円のリフレインによって、世界全体の調和と祝福が見事に完成し、短くも圧倒的な安定感を持って締めくくられます。
2節の「インドラはその力、マルトはマルトの軍勢、アディティは神々を引き連れて、みんなで守りにきてくれる」というプロット、オールスターが集結するような頼もしさがあって格好良いですよね。短い連作の締めくくりとして、最高のカタルシスがあります。
第107曲は、諸神群に捧げられた全3節の讃歌。前2曲(105、106曲)の「奈落や谷底からの救出」というドラマチックな激動を経て、今度はすべての神々が調和し、一族を包み込むような「絶対的な安心感と庇護」へと回帰していく、非常に美しく引き締まった小品です。




