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遅くなりました。

「私は此処までだ、ヴィー行っておいで」


「はい、アル兄様また後で……」


 エリーゼと共に受付をすませ、通路を抜けコロッセオの闘技場部分に進みます。


 「「「「「「ワァ〜〜〜〜〜」」」」」」

  

 物凄い歓声が聞こえてきて思わず両耳を手で塞ぎました……凄い音量。

 太陽の眩しさに目を伏せてしまい、薄眼からそろそろと明るさに慣れ耳から手を下ろし……


「あっ、ヴィー見て!!!」


 エリーゼが指さした先をよく見ると観客席にいるのは上級生の皆様方。

 アル兄様に話には聞いてましたが、新学園生お迎えムードの熱気が凄いです。

 何でも早朝からコロッセオは開放されていて新学園生の入場門以外に屋台が出ていたり、内部にも色々売店があるようでお祭り騒ぎなのだとか。


 前世押しのクラブ応援でサッカースタジアムに数時間前から乗り込み、試合が始まるまで友人とスタジアムグルメを楽しんでたなぁ……懐かしいですわ。 


「……エリーゼ、壮観だわね」


「観察されてるね〜ヴォルフ兄が言ってたけど毎年恒例新学園生の品定め視線が舐めるようにそして突き刺さって痛い、穴あきそう……」


 ヴォルフ兄ことエリーゼの兄、ヴォルフガング·フォン·エッケハルディン様はエリーゼの3つ上(18才)今年最高学年、次期辺境伯様は現在第2騎士団の副団長です。


 先程受付で新学園生のお世話してたヴォルフ様は、エリーゼが捕まったら煩いからと避けてましたね。


 学園生の多くは最高学年に上がる前にほぼ進路が決まっているので有望な後輩人材確保は必須、入学園式から争奪戦スタートなのです。


「ヴィー様お久しぶりですわ!!!」


「まぁ元気だった?リーナ」


「はい、ヴィー様制服素敵ですわね」


「ありがと、リーナも制服似合ってるわ、エリーゼと揃えたの?」


「はいヴィー様、本当は3人お揃いにしたかったですわぁ〜」


 頬に右手を当てコテンと首をかしげる彼女はリーナこと、カタリーナ·フォン·ブロンベルク子爵令嬢(16才)薄い金髪に湖のような薄い碧眼で彼女とエリーゼとわたくしは領地がお隣で幼なじみなのです。

 

 ヴィルム王国は女性も爵位を継げるので子爵家一人娘のリーナは卒業後に伯爵家次男が婿入り結婚して領を継ぐ予定になってますの。


「ドレスだと接近戦で立ち回れないのよね」


 淑女教育や領地経営学がメインな貴族令嬢達はドレスタイプのスカートを選び、武闘派や騎士団志望の生徒は動きやすいパンツスタイルの方が多いのです。


 因みにわたくしは淑女として普段は足を見せないように隠しスリットを入れ、有事には動けるようチャイナスタイルになりました。


 今年の入学園生が揃ったようで、騎士が皆戻っていきました。

 コロッセオの正面の大きな時計を見ると、壇上部分に数名の生徒と教師がいて、こちらに向きました。

 

「そろそろ時間ね、マーカーポイントに並びましょ」


 ザワザワしていた上級生もそれを察して静かになり、新学園生が事前に指定されているマーカーポイントに立つと整列の形になります。

 時間になりました。

 

「只今よりヴィルム王立魔法学園の入学園式を行う」


 拡張魔法を使いコロッセオに宣言されます。

 先ずは学園長の挨拶、学園長初めて見ますが風貌は魔女……そう女性なのです。

 永遠の80才……いや、違うでしょ(だろ)と毎回新学園生の心の中でツッコまれてる方で建国時から同じ方?ではとまことしやかに噂されています。


「ヴィルム王立魔法学園の学園長のフローラである。

 今日の良き日、ここに新学園生を迎えた!!!

 ヴィルム王立魔法学園生徒の誇りを胸によく学びそして精進し、3年間を過ごして貰いたい。

 上級生は模範示し、下級生を導き共に成長して欲しい。

新学園生になる皆は切磋琢磨し頂を目指して貰いたい。

 ヴィルム王国に栄光あれ!!!」


 皆右掌を胸に当て、左手の甲を背中腰部分に付けて復唱します。


「「「「「「ヴィルム王国に栄光あれ」」」」」」


 学園長の挨拶が終わり、上級生代表挨拶はヴィルム王国第1王子で生徒会長のリヴァルド·フォン·ヴィルム様。

 紹介された彼が壇上にあがると正に王子様のオーラと微笑み、これはキラースマイルですわ。


「「「「「キャーーーリヴァルド様ぁ〜!!!」」」」」」


 新学園生だけでなく上級生のお姉様方の声も重なってます。

 王城で見た軍服も素敵でしたのに、学園制服姿ナンテコトデショウ!!!


 わたくし含めた学園生と同じ形の制服……なのに王族しか着れない碧服に繊細な刺繍で胸部分に建国の祖の竜神に祈りを捧げている聖女の金糸のヴィルム王国国章刺繍、見目麗しさの相乗効果でコロッセオにいる乙女の瞳をハートにしていますよ!!!


 前にも説明しましたがヴィルム王立魔法学園の制服は軍服ベースですが騎士団の軍服とはデザインが違います。


 漆黒の揃いの上衣の形は同じなのですが、臣下である貴族以下生徒のヴィルム王国国章は銀糸の刺繍になります。男子はスラックスにロングブーツ、女子はスカート又はスラックス(オリジナルデザイン可)に編み上げブーツ(学園指定)です。


「ヴィルム王立魔法学園生徒会長のリヴァルド·フォン·ヴィルムだ。

 新学園生の皆、入学園おめでとう。

 この後に魔法属性の儀式が行われるが、楽しみにして貰いたい。

 我々もコロッセオ内で見守っている」


 え??そこで見守られるの???魔法属性上級生にバレバレなの!!?

 個人情報ダダ漏れ!!!と考えてたら更に殿下の話は続きます。

  

 「今年は節目の100年目にあたり異世界より聖女召喚が行われ、昨夜無事降臨された。

 聖女と共に召喚された婚約者は暫く王城や神殿でこの世界の事を学び、来月には学園に通う事になる」


「「「「「「えっ?聖女様と共に召喚された婚約者???」」」」」」


 ザワザワとどよめきが……気持ちは分かりますが殿下の挨拶を遮っちゃダメですよ。


「ゴホン、静かに!!!」

 

 司会者が遮り、リヴァルド殿下のキラースマイル付きで一瞬で静かになりました。


「異世界から来た2人はこの世界の事を知らず、更にヴィルム王国の身分制度にも不慣れだろうから慣れるまで皆は見守って貰いたい。

 ヴィルム王立魔学園内では皆平等となっていて王族の私も例外ではない。 


 もし学園内において何か不都合があるのなら私は生徒会室にいるので、気軽に声をかけて貰って構わない。

 それでは皆がこの学園生活を楽しんで貰う事を願い、挨拶とする」

 

 ワーーーと歓声が上がる。

 リヴァルド殿下に変わりアル兄様が壇上に。


「生徒会副会長のアルベルト·フォン·シュナウザーだ。

 これから新学園生の皆はコロッセオより出て、学園の神殿内にて魔法属性の儀式に向かって貰う。


 神殿内の控室に案内されるので、第2騎士団の指示にしたがって移動を。

 一人ずつ神域で儀式を行うのだが、これは国外に秘されているので儀式の間での内容は家族にも他言出来ないよう制約魔法がかけられる。

 

 属性の儀式後は使い魔の登録をし、終えたらそれぞれ寮に案内され今日の予定は終了する。

 帰りに寮と部屋番号が知らされ、一度部屋に戻り寮内では私服も許されている。

 寮の規約などは食堂で夕食時に説明がある。

 クラス分けは儀式後に属性などで決まるので翌朝食堂の掲示板に張り出されているのを確認し、始業時間にはクラスの席に着席してくれ。

 

 それでは右列から順に先程の出口から騎士に従い神殿に移動。

 何か質問があるなら案内する騎士に聞いて貰いたい。

 これにて入学園式を終了する。

 ヴィルム王立に栄光あれ!!!」


 「「「「「ヴィルム王国に栄光あれ」」」」」


 これで入学園式は終了し神殿に移動します。

 列を乱さなければ自由なので移動しながらおしゃべりで時間潰しますか。

 周りでは先程の聖女様と婚約者の召喚が話題になっています。

 今までは聖女様と王族の結婚が慣例だったので、リヴァルド殿下はフリーですわ!!!とかチラホラ聞こえます。

 知り合いの話題なので、つい耳すまして聞いてしまいますわね。


☆☆☆☆☆☆☆


 場面は変わりとある部屋にて。

 ヴィルム王立魔法学園の制服を着て鏡の前でくるりと回る少女。

 ふわりと舞う薄いピンク色の緩い巻き毛は光が当たると金色にも見えるピンクゴールド、サイドを編み込みにし水色のリボンで止めている。

 

 鏡に覗き込んて映るは榛色の大きな瞳とけぶるような睫毛、カーラーしなくてもくるりと上向き、眉毛は品良く整えられ頬はメイクしなくてもほんのりピンクでぽってりした唇は桜色でグロスをつけなくてもツヤツヤ。


 制服上衣は規定なのでそのままなのだが、スカートは平民の支給品。

 黒色の生地に銀糸刺繍と縁に白レースをしていて長さは膝丈、靴は規定の編み上げブーツ。

 

 早朝から見ていてようやく満足したのか制服を脱ぎだす少女。


 「ふふっ楽しみだわ……」

 

 彼女がヴィルム王立魔法学園に編入するのは……。

宜しくお願いします。

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