70 レジェンダリvs大嶽丸
このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。
入江は日本のとある山の奥地にいた。
「やはりここにいたか、大嶽丸」
入江がそう言うと、大嶽丸と呼ばれる女性が入江の方を見た。額には2本の立派な角が生えている。
「“脳内共有”をしたときに、君だけ意識が曖昧だったからもしかしてと思って来てみれば……」
「済まない。妾としたことが……。寝ていたようやね」
大嶽丸はそう言うと、大きく背伸びをした。
「……大丈夫やよ。計画は理解しているから。……ただ、一つ気になるんけど」
大嶽丸はそう言うと、準備運動がてら金棒を軽やかに振り回しながら言った。
「國崎慶喜。彼は本当に人間なんか?」
「愚問だな。見れば生きてることぐらい分かるじゃないか」
入江は首を横に振りながら言った。
「いや、妾の恩寵は人の気を感じることができるんやけど、奴からはそれが全く感じられないんや」
「何を言っているんだ。彼は元警視総監の國崎慶喜で……。とにかく彼は人間だ。大嶽丸。君は中国の方へ行ってくれ。そして、これを君にあげる。我々に協力してくれたほんの手付金だ。……終焉の導きがあらんことを」
入江はそう言うと、大嶽丸の額に手を触れた。そのとき、大嶽丸に衝撃が走った。入江はそれを確認すると、去っていった。大嶽丸は少し考え込んだ後、“ワープゲート”を潜った。
大嶽丸は中国とインドの間のネパールの地に降り立った。既にそこでは無数のベストロンたちが戦闘を行っていた。
そこでは、インドのレジェンダリのシルヴィアが戦っていた。彼女は片手から大きな水の塊を放出していた。
「君がレジェンダリのシルヴィアかい?」
大嶽丸はシルヴィアに向かって話しかけた。シルヴィアは大嶽丸を見ると、構えた。
「その角は……、貴様、“終わりを告げる者達”の大嶽丸ね!」
シルヴィアがそう言うと、地面に両手を着けた。すると、地面が枯れ始めた。
「私は、自然のエネルギーを吸収し、放つことができる!いわば“枯死”!!ベストロンには有効打ではないけど……、人間も例外ではないわ!」
シルヴィアは地面から両手を離し、大嶽丸に手を向けた。すると、シルヴィアの手から無数のエネルギー状の帯が伸び、大嶽丸を拘束した。そして、その帯が爆発した。しかし、大嶽丸には掠り傷一つなかった。
「やはり、只の人間ではないようだね」
「これはただの“玄武”やよ。それより、良い恩寵やね」
大嶽丸がそう言うと、天に手を掲げた。すると、金棒の元に雷が落ちた。大嶽丸は雷の纏った金棒を振り回した。すると、金棒は轟音を上げ、地面を抉った。
「“轟雷怒涛”」
抉れた地面から雷が放出された。シルヴィアはそれを避けながら、その雷を吸収した。
(相性が悪いやね。ならば……)
大嶽丸は、空中に向けて大きく振りかぶった。金棒を振り切ると、斬撃が雲に命中し、その雲は忽ち黒雲となった。その黒雲から火の雨が降り注いだ。シルヴィアはエネルギー状の大きな傘を作り出し、火の雨を吸収させた。巨大な傘は形を変え、先ほどよりも巨大な鞭に変化した。巨大な鞭は雷を轟かせながら、大嶽丸を襲った。しかし、大嶽丸はその攻撃をもろともせず、シルヴィアに向かって突進する。大嶽丸の金棒がシルヴィアを襲った。シルヴィアは吹き飛んだ。大嶽丸はニコリと微笑んだ。そのときだった。大嶽丸には大きな衝撃が走った。突然の出来事とで“玄武”が出来ず、大嶽丸は片腕の骨が砕け散った。
大嶽丸は衝撃の方向を見た。そこには、中国のレジェンダリの呂布がいた。
「ほほう。俺の50連撃目の“連撃”で生きているのは、お前が初めてだよ」
呂布はそう言うと、倒れ込んだ大嶽丸の前に立った。大嶽丸は激痛で立ち上がるのがやっとだった。呂布は大嶽丸の前にしゃがんだ。
「お前らの目的は何なんだ?早く答えないと、俺の“連撃”の効果が切れてしまう」
大嶽丸は答えなかった。呂布は溜め息をつくと、拳を振り上げた。そのときだった。呂布は吹き飛んだ。その様子を見ていたシルヴィアは、何が起きたのか分からなかった。大嶽丸はゆっくりと立ち上がった。大嶽丸の図体は、先ほどよりも巨大で、先ほどの粉砕骨折も回復していた。
「まさか貴方……、複数持ちなの?」
シルヴィアがそう言うと、大嶽丸は首を傾げた。
「いや、知らない。でも、この重症が治るのは初めてやね」
そのとき、大嶽丸の脳内に入江の声が響いた。
(やあ、さっきは言い忘れてたけど、君に3つの恩寵を与えた。“超再生”、“巨躯”、“潜在覚醒”。君のために組み上げた恩寵だ。君なら自我を失うことなく扱えるだろう)
入江はそう言い残した。それから入江の声が脳内に響くことはなかった。すると、突然大嶽丸は激しい頭痛に襲われた。大嶽丸は跪いた。それをチャンスと見たシルヴィアと呂布は、視線を交した。呂布は近くにいたベストロンたちを次々と殴り倒していく。殴るたびに呂布の攻撃の威力が増していく。
シルヴィアは、エネルギーを鞭に変え、呂布の四肢に纏わせた。呂布はエネルギーを纏った拳で、大嶽丸に殴りかかった。その威力は先ほどの2倍以上、80連撃目であった。しかし、大嶽丸は掠り傷一つなかった。
「体を貸せ、鹿山鈴……」
そのとき、大嶽丸から野太い声が聞こえた。呂布は思わず首を傾げた。大嶽丸は呂布の首を掴んだ。そして、そのまま、地面に叩きつけた。呂布は吐血した。大嶽丸は手の埃を叩いて落とすと、大きく息を吐いた。首を左右に傾け、首を鳴らして辺りを見回した。
「久し振りの現世だ。……少々身体が訛ってそうだな」
そう言うと、近くにあった金棒を持つと、軽く振り回した。すると、大きな暴風雨が起きた。
「ん、思ったより、この女の器が上物だな」
「余所見すん……」
呂布は不意を突いて、背後から殴りかかったつもりだったが、軽く受け止められ、金棒で吹き飛ばされた。
「貴方本当に、大嶽丸なの?」
シルヴィアがそう言うと、大嶽丸は大きな声で笑った。
「カッカッカッカ!!!お主のその質問、半分正解半分不正解だな。今の我は大嶽丸だが、さっきの我は我ではない」
シルヴィアはそれを聞いて首を傾げた。
「時期に分かるさ」
大嶽丸はそう言うと、シルヴィアの頭目掛けて金棒を振り下ろした。




