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69 糸と光

 このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。

 「見えるか?サタン。4つの影があるな……」

 闇蜘蛛は目を凝らしながら言った。

 「じゃあ仲良く、2つずつで分けますか?」

 「いいや、先輩の意地を見せてやろう」

 闇蜘蛛は、片方の手からタルタロスの壁を目掛けて糸を飛ばした。糸は四方に飛び、タルタロスの壁の至る所に糸が張り付いた。糸を手繰り寄せた闇蜘蛛は、一気に壁側に飛び寄った。ペルセは一気に間合いを詰められ、攻撃動作が遅れてしまった。闇蜘蛛の足蹴りがペルセを襲った。タルタロスの壁の厚さは、直径20メートルの厚い壁で、ペルセは壁の端に立っており、ペルセは軽く飛んだが、壁の中央で着地した。ペルセが闇蜘蛛の思っていたよりも吹き飛ばないことに感心した。

 「ん、流石元公安の犬。“玄武”は当たり前か……」

 そのとき、闇蜘蛛にレーザー光線が襲った。闇蜘蛛はバク転で避けたが、そのレーザー光線は、闇蜘蛛を追尾していた。

 (“恩寵”か……)

 闇蜘蛛は避け切れなく、直撃寸前のところでサタンの光によって相殺された。

 「……共闘しますか?」

 サタンは闇蜘蛛にそう言った。

 「んー、前言撤回!宜しく頼む」

 闇蜘蛛がそう言うと、サタンは手を取った。サタンが踏み込もうとしたとき、急に視界がぼやけた。サタンは跪いた。

 「あら、良い香りで眠くなっちゃったのかな?」

 ポネがそう言うと、サタンを蹴り飛ばそうとした。それを闇蜘蛛が防いだ。

 「大丈夫か、サタン。恐らくアイツの恩寵だ。俺はマスクをしてるからあまり効果は感じないが……」

 ポネは扇を使って、自身のフェロモンを飛ばしている。

 「私の恩寵は“眠香(ねむりか)”!自身のフェロモンを任意で眠る匂いに変える!」

 「おいおい、自身の能力提示は、負けフラグだぜ?」

 サタンがそう言うと、自身を光に変え、ポネの間合いに入った。サタンがポネの腹部を思い切り殴り飛ばした。しかし、見えない壁が割れただけだった。

 「……あなたの恩寵、“光”よね。光に質量はないはずだけど?」

 「“玄武”の応用さ。光自体に“玄武”を纏わせているのさ」

 サタンは自慢げに言い放った。サタンは自身を光に変え、一度距離を置こうとしたが、誰かに引かれるように空中に移動した。

 (俺の意思じゃないぞ!?)

 闇蜘蛛の糸が、サタンの体に巻き付いた。

 「直ぐに能力を解除しろ!」

 サタンは能力を解除すると、誰かに引き寄せられる力は収まった。

 「……これが恩寵だとすると、アイツら何個恩寵持ってるんだ!」

 サタンが叫ぶと、闇蜘蛛が言い放った。

 「Z様が言っていただろ。アイツらの後ろにいるあの機械!アイツらが3つの恩寵を持っているんだ!!」

 闇蜘蛛はロボットを指差しながら言った。

 「あー、そんなこと言ってたなあ。じゃあ割とピンチなのか?」

 サタンがそう言うと、闇蜘蛛は頭を掻いた。

 「まあ、俺らの目的は、タルタロスの外部からの開錠だからな。ぶっちゃけコイツらと戦うのは不毛だな。だが、俺たちが開錠をするのを安々と見ているような人ではなさそうだな」

 二人は、ペルセたちを見つめた。そのときだった。

 「ヤ、譁?ュ怜喧縺やあ。原器、元気かい?」

 サタンの影から、國崎慶喜が顔を出した。思わずサタンが後退る。

 「ま、待ッて。影がないと譁?ュ怜喧縺、私の首が飛んでしまうよ」

 サタンは、落ち着いて浮かせた片足を地面に置いた。慶喜は影から体を出した。慶喜は片手を挙げた。

 「よ、慶喜さん!?貴方の恩寵そんなんでしたっけ!?」

 闇蜘蛛がそう聞くと、慶喜は微笑んでいるだけだった。

 「それどうやってるんですか!?入江さんの“瞬間移動”みたいだな!」

 サタンは慶喜にそう言った。慶喜は嬉しそうだった。

 「待て待て、私たちを無視するなよ」

 ペルセの餅の腕が、慶喜に巻き付いた。

 「何だお前、この中で一番弱いな」

 ペルセがそう言って、慶喜の体を餅で埋め尽くした。しかし、餅が破裂した。慶喜は空中に浮いていた。

 (何だこいつ、本当に生きているのか?……不気味な奴だ)

 ペルセがそう思うと、再び餅を投げつけた。慶喜は人差し指で、T-28とT-45を指さした。すると、T-28とT-45は金属にも関わらず、蛇のようにうねりながら爆発した。ペルセたちは何が起きたのか分からず、混乱していた。次に慶喜は、ペルセたちを指さした。すると、ペルセたちの背中から無数の人間の腕が生えてきた。その腕がペルセたちの首を力強く締め付けてきた。ペルセたちは必死に抵抗するが、ペルセの“餅”もポネの“眠香”も有効打にならず、ペルセたちは絶命した。

 慶喜は終始笑顔を絶やさなかった。

 「邪、じゃあ、行こうか」

 慶喜はそう言ってタルタロスの入口へ向かったのだった。


 闇蜘蛛は糸を使って、厳重な扉をこじ開けた。扉を開けると、そこには、何十人もの警備員が銃を構えていた。慶喜はそれを見るなり、拳銃を樹木に変えた。警備員が発砲すると、樹木に変わった拳銃が爆発した。慶喜は檻をネズミに変えた。ネズミはそそくさとどこかへ行ってしまった。開放された人災者たちは、自由に暴れ始めた。

 「入江さんがいるのは、最下層。これより400メートル下にある。さて、どうやって行こうか」

 闇蜘蛛はそう言って、背伸びしながら考えていた。慶喜は拳を使って床を破壊した。床の直ぐ下には入江たちが立っていた。

 「え、この下ってまだ上層ですよね?……慶喜さん凄ぇ!!」

 サタンがそう言うと、慶喜は嬉しそうだった。闇蜘蛛は糸を使って入江たちを引き寄せた。入江は服についた埃を掃うと、指で大きな円を描いた。その円は黒くなり、“ワープゲート”となった。入江はその扉を6つ作った。

 「良いかい?これは、各国のどこかに繋がっている“ワープゲート”だ。私の“脳内共有”で伝えたことを実行してくれ。……終焉の導きがあらんことを」

 入江がそう言うと、他のメンバーは一斉に“ワープゲート”の中へ向かっていった。

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