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67 終焉の始まり

 このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。

 「どっちが俺様の味方だ!?」

 風間?がそう言うと、真っ先に夢葉が手を挙げる。

 「こっち!!」

 風間?は夢葉を見ると、微笑んだ。風間?は両手で大きく剣を振り上げた。剣を振り下ろすと、巨大な衝撃波が起きた。その衝撃を受けた氷菓は、身体が震えだし尻餅をついた。夢葉も同様に身体が震えていた。

 (これって……、田中先輩の“麒麟”……?でも風間さんは“麒麟”は使えないはずなのに……?)

 風間?は大きな笑い声を上げ、剣を肩に置いた。

 「流石!大海賊ティーチ様の攻撃だな!」

 風間?はティーチと自称し、大声で話す。当たりのベストロンは衝撃波で火花が散っていた。

 「風間さん……、いや、貴方は何者なの?」

 夢葉が言うと、ティーチは答えた。

 「俺様の名前は、エドワード・ティーチ!偉大なる大海賊さ!!!……それにしても寒いな」

 ティーチはそう言うと、闇を身に纏い始めた。

 「これで、よしと。……俺様以外の記憶があるが、これは誰だ?」

 ティーチがそう言うと、夢葉が答えた。

 「その身体は元々風間雄太という男性のものなの!風間さんは無事なの!?」

 「恐らくな……。俺も詳しくは分からん!ただ、俺が死んでいないから大丈夫だろ!」

 そう言うと、ティーチは辺りを見渡す。

 「俺様と同じ匂いがするなあ……」

 ティーチはそう言うと、足を屈伸させた。ティーチは足を深く沈みこませると、一気に足を伸ばした。すると、斜め上に飛んでいった。夢葉はそれを見て、口をポカンと開けた。

 (あれは風間さんの恩寵である“変速(へんそく)”?でも、あんな難しい恩寵、簡単に使うなんて……)

 ティーチは、建物の天井を突き破ると、空中から地面を見渡した。そのときだった。地面に、3人の人物がいた。一人は少年で、一人は贅肉ののった男。一人はやせ型の男。その少年はZで、痩せ型の男は國崎慶喜だった。3人は寒そうな身振りをせず、ただ建物を見ていた。

 「あれが入江氷菓の拠点かい?」

 Zがそう言うと、贅肉の男が頷いた。

 「そうだね。こんな場所に作るとは、流石だね。でも、辺鄙すぎるね」

 男がそう言うと、大きなあくびをした。ゴーグルをしており、表情が分からない。ティーチは、3人の前に立った。

 「お前らの“殺気”、ビンビン感じるぜ。俺と()り合おう!」

 ティーチは剣を振り上げた。Zは不気味に微笑んだ。

 「俺と再び戦おう……。“ジャイアント”」

 そのときだった。ティーチは強大な殺気を感じ取り、風間の恩寵を用いて後退した。しかし、肝心なときに“変速”がエンストした。ティーチは後ろに転がった。

 Zが両手を横に広げると、Zの背後から巨大な片手が飛び出した。その片手がティーチを掴むと、建物目掛けて吹き飛ばした。ティーチは建物の壁にぶち当たった。轟音を聞き、駆けつけた夢葉たちは、その光景を見て、唖然とした。

 「やあ、氷菓。君には期待以上の活動をして貰った」

 Zがそう言うと、氷菓の元へ歩み寄った。

 「それより、お兄ちゃんは!?」

 氷菓がそう言うと、Zは宥めている。

 「もう直ぐ闇蜘蛛(やみくも)から連絡が来るはずなんだが……。あ、噂をすれば」

 Zの懐から音が鳴る。Zは懐から携帯電話を取り出すと、携帯電話を耳にあてた。数秒の沈黙の後に、

 「分かった。引き続き頼むよ」

 Zはそう言って、携帯電話を切った。それとほぼ同時刻にZの真横に黒い渦が湧いた。そこから誰かの体が現れた。それは國崎敏正(くにさきとしまさ)を担いだ入江與であった。

 「やあ!久し振りだね!思ったより元気そうで何よりだ」

 Zがそう言うと、入江は國崎を地面に投げ捨てて、跪いた。

 「大変長い間お待たせ致しました。“終わりを告げる者達”入江與。タルタロスから戻ってまいりました」

 國崎はゆっくり起き上がると、入江に怒号を飛ばした。

 「おい!お前は私の犬だぞ!丁重に扱え!!」

 入江は、國崎の顔を一度見ると、溜め息をつきながら、國崎の額に触れた。すると、國崎は眠るように倒れた。

 「お前はその恩寵のためだけに生かしたんだ。もう用済みだよ」

 入江はそう言うと、國崎の恩寵である“分解修復(オーバーホール)”を使用した。入江が地面に触れると、地面の氷が解け始める。その氷は生き物のようにベストロンを取り込んでいく。やがて、それは巨大な獣に変わっていく。

 「“合成獣作成(キメラクリエイト)”」

 キメラは巨大な咆哮で、夢葉たちを威嚇した。

 「神楽夢葉。君たちはここで終わりだよ」

 Zがそう言った。夢葉は否定する。

 「た、例えここで私たちが負けても、各国のレジェンダリは負けない!!」

 それを聞いたZは、鼻で笑った。

 「……どうやら君は現状を理解していないらしい。ドクター」

 ドクターと呼ばれる男は、懐から円球の機械を取り出した。それを地面に投げると、それが半分に割れ、そこから巨大な立体映像が映し出された。

 「これは、ドクターが作った空中立体映像投影装置だ。これはリアルタイムで映像が流れる仕様なんだ」

 そこには、各国のレジェンダリが倒れている映像が流れていた。

 夢葉はそれを見て、呆然とする。周りの映像も少し映されているのだが、そこには建物の倒壊や、至る所の火事が映されていた。

 「なにこれ……」

 夢葉はただその映像を見ていることしかできない。そんな中、映像に映っているエンシェント=ジェントルが起き上がろうとしているが、誰かから背中を踏まれ、倒れ込んだ。男は、その映像を覗き込むように移された。それは夢葉の記憶にある顔だった。

 (嘘でしょ?……髪は伸びてるけど、あの口元の傷……!間違いない!重杉力也(おもずぎりきや)!?なぜ奴がイギリスにいるのよ!!)

 それは数十分前に遡る。

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